ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

  「キムタク」の・・・・

2007-06-08 11:27:07 | 映画
6/1にDVD化された、キムタク(木村拓哉)主演映画「武士の一分」を鑑賞しました。
原作は藤沢周平の「孤剣秋風抄」の内の短編「盲目剣谺返し」である。
小生の郷里出身の大好きな藤沢周平氏の小説はかなり読みこんでいる。この短編も好きな小説のひとつだ。
「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」と山田監督の藤沢周平原作の時代劇は残さず観てきたが、この映画も封切り時から楽しみにしていたものです。

脚本は実に原作に忠実で、お毒見役と称する役目に疑問を呈する主人公を配し進展する。
お毒見中に貝の毒にあたり高熱の末に昏睡するが、徐々に回復する段階で失明が判明する。
下級武士ながら城務めが難しくなれば、生活の道も閉ざされる。自刃も考えて自暴自棄になり苦悩する主人公。
そして卑劣な上司の陥穽に落ちた妻の不義。同時に旧録を安堵し長期の静養に専念せよと藩のお沙汰がある。
妻をなじり離縁を言い渡すが、「武士の一分」が立たないと復讐を誓い、かって免許皆伝の腕前の剣術の稽古を再開。そして復讐に成功する。
しかし妻のいない生活に空虚感を持つ主人公。そんな時に老僕が女中の雇い入れを進言する。
そして思はぬ妻との再会、新たな生活の道筋が出来たところで映画が終わる。

まさに現代っ子のキムタクに時代劇?と思ったが、冒頭では違和感も否めなかったが、中盤の盲目になるあたりからの演技に落着いた趣が見えてきた感じがした。
時代小説ながら現代を描いている感の多い藤沢文学だが、個人や人情を細やかに描く事により、索漠としがちな現代へのメッセージを発しているようである。
山田監督もあえて時代劇3部作は藤沢文学の短編から選びながら、藤沢氏のもつ感性を伝えようとしているのではないかと思いました。何故か安心して観れる映画になっているのは「寅さん」映画の持つ雰囲気が伝わるからかも?。
主人公のひとりの「壇れい」さんはこの作品ではじめて出会った女優さんだが、落着いた雰囲気で好演している。
脇を固めている、笹野高志、坂東三津五郎、緒方拳のベテラン陣がさすがに確たる演技で映画を引締めていた。

映画の出来は B の上 クラスか。

          

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする