足利事件の菅家さんは、21日から再審が始まり、
無罪確定は時間の問題です。
しかし、足利事件に良く似た経過をたどっていた事件に、
「飯塚事件」があります。
二つの事件を簡単に纏めました。
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足利事件
発生時期 平成2年5月12日
容疑の概要 七才の女児一人殺害
被疑者 菅家利和 一旦犯行を自白、
一審途中から無罪を主張
証拠 DNA鑑定で一致
逮捕時期 平成3年12月2日
判決 宇都宮地方裁判所無期懲役
東京高等裁判所公訴棄却
平成2年7月17日最高裁判所
「DNA型鑑定の証拠能力
を認める」初判断
無期懲役判決が確定。千葉刑務所に服役した。
再審請求 平成20年2月13日宇都宮地裁、再審請求を棄却
DNA 再鑑定 平成20年12月19日東京高裁DNA再鑑定を決定
再審 平成21年10月21日宇都宮地裁で再審公判開始
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飯塚事件
発生時期 平成4年2月21日
容疑の概要 七才の女児二人殺害容疑
被疑者 久間三千年 終始容疑を否認
証拠 平成6年DNA鑑定で一致
女児の衣服の繊維と、容疑者の車に有った
繊維が一致(デッチアゲとの説もある )
逮捕時期 平成6年9月29日
判決 福岡地裁死刑判決
同高裁公訴棄却
平成18年9月8日最高裁上告棄却、死刑確定
平成20年10月28日、福岡拘置所で死刑執行、
享年70歳
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この二つの事件は、非常に類似点が多いです。
一、発生時期が近い。
二、 双方とも、事件後直ちに、重要な容疑者として、
リストアップされた。
三、 当時としては、最新鋭のDNA型鑑定が、
重要な証拠とされた。
四、 足利の方は、一旦自白したが、後に否認し、
飯塚の久間さんは、終始否認していました。
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しかし結果は大違いです。
無期で服役していた菅家さんは、再審が開始され、
終始否認し続けた、飯塚事件の死刑囚久間さんは、
いとも簡単に、死刑が執行されてしまいました。
普通死刑が執行されるのは、死刑確定後平均7年、
と言われていますが、もっと前に確定していた、
7人を飛び越えて、たった2年の久間さんが
しかも、東京高裁が、DNA再鑑定を決定する、
たった2か月前になって、急遽死刑が執行されました。
これには、恐ろしい裏が有りそうです。
その、平成の恐怖の正体は、
長くなるので次回とします。
しかし死んでしまった人のことはもう審議されるわけもないし、ずぅ~と闇の中ですよね。二人か一人かが明暗を分けたのでしょうけれど、誰にでいつでも起こりうることと思うと、本当に怖いことです。
コメントしにくい記事なのに、何時もコメント下さり有り難うございます。
本人は死刑になってしまいましたが、弁護士の有志だと思いますが、
再審請求をして、真実を明らかにしたいと、準備していると言う話が有ります。
ただ、本人の口から何も語られず、この捜査や裁判は、奇妙な事に、
証拠物件が、殆ど無くなってしまっていて、裁判が維持出来るかどうか、
心もとない事になっているんですね。
それも含めて、現代警察の、恐ろしい事なんですね。
なぜ、DNA型鑑定に不備が見付かり、足利で再審請求が出される寸前に、
処刑してしまったのか、処刑してしまったから、捜査過程を世にさらしたくない、
何かが有ったのだろうとか、余計冤罪の匂いがして来ます。
それにしても、現代でも無実の人が、警察権力によって、強引に処刑されたとしたら、
死刑囚は、死の恐怖はもちろん、どんなにか悔しかった事でしょうね。
コメントのしにくい記事に、コメント下さり、有り難うございました。