英語が堪能過ぎて、貧乏くじを引いた、元総理の話をしましたが、
英語に弱かった総理の代表格は・・・
不名誉な事なので、まあ細川総理の後の、M総理として
名前は伏せておきますが、勘の良い方が推理されるのは、
仕方有りませんけれど・・・。
M総理も、就任早々、アメリカ大統領を、表敬訪問しました。
随行のメンバーの中に、真面目な役人がいて、政府専用機の中で、
総理に話しかけました。
「総理、出発前の打ち合わせでは、挨拶は全て通訳つきでと
決めましたが、最初だけでも、英語でやった方が、良いと思います。
いえ、簡単ですから、直ぐ覚えられますよ」
しかし Glad meet you は、覚えていられるか心配です。
そこで、
How are you?を覚えてもらう事にしました。
「先ずお会いして、握手をする時に、『ハウ アーユー?』
と言って下さい」
「ハウ アーユー?だね」
「そうすると大統領は、『アイム ファイン、センキュウ アンドゥユー?』
と言われます」
「ウンウン」
「大統領が、なんと仰るかは、覚えなくても結構です。何か言われたら、
『ミー トゥー センキュー』と言えば良いです、それから先は、
通訳を入れるようにさせますから、ご安心下さい」
「よし分かった」
さて元総理は、クリントン大統領と、初めて握手をして、
早速英語で第一声を放ちました。
相当緊張していたのでしょう。
最初からチョンボです。
「Who are you?」
アメリカ人は、相手が失言しても、ウイットにとんだ返事を返します。
クリントン大統領はにっこりと
「私は、ヒラリーの夫です」
すかさずM 元総理
「Me too thank you」
この話は、ノンフィクションに間違いない様ですが、
M元総理の名誉のためと、私も、其処に居たわけではないので、
フィクションとしておきましょうか。