結婚して5年の若夫婦に、待望の赤ちゃんが出来ました。
もう三か月になります。
「ねえ貴方、私はこの体で、貴方のお相手は出来ませんから、
吉原へでも行って、遊んで来て頂けませんか?」
旦那も出来た男で・・・
「そんな心配しなくて大丈夫だよ」
奥様は、先輩奥様連中から、『男はそれを我慢できない』
と教えられているし、我慢させては可哀想と、
お金を渡して、無理やり吉原へ送り出しました。
旦那は、初めて男の遊興の場に行くので、少々気が
重く、俯き加減で出かけました。
丁度お隣の前に来た時、お隣の奥さんが、
家から出てきて、お隣の旦那に声を掛けます。
「あら、お隣のご主人、こんな時間にお出掛けですか?」
お隣のご主人は、積極的に説明するわけではないが、
聞かれたので、一通りの経緯を説明しました。
「そんなわけで、これから吉原まで行ってきますよ」
お隣の奥様すかさず、
「お馴染みの花魁でもいるのなら、お引き止めしませんが、
私がお相手させて頂く、というのはどうかしら?」
「本当ですか、実は吉原まで、行って来るのも億劫なので、
本当に、お言葉に甘えさせて頂いて宜しいですか?」
「話が決まったら、遠慮なさらず、どうぞどうぞ」
と言うわけで、お隣の奥様に案内されて・・・
「あら早いわね、行かなかったの?」
家に帰って、早速身重の奥さんに、質問攻めです。
ご主人は、お隣の奥さんとの経緯を、手順よく説明
しました。
それを聞いていた奥さんは、
「それは良かったわね、ではお金はいらなかったのね」
「要らない要らないと言われたけれど、どうせ吉原に
行けば、払うお金だから、と言って渡してきたよ。
奥さんは残念そうに、
「惜しいことをしたわね、私は何時もただよ」