Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

二人の弟

2014-10-04 01:00:00 | 雪3年3部(二人の弟~痕跡の正体)


雪の帰りを待っていた赤山家と河村亮。

結局店が閉店時間を迎えるまで、雪からの連絡は無かった。

そして帰り支度をする亮の元に、ようやく一本のメールが入ったのだった。



しかしその内容を見た亮は、顔に青筋を立てて苛立ちを露わにする。

それは雪からのメールではなく、姉の静香からのそれだったからである。

メローナアイス買って来い



そう一言だけ書かれた、姉からのおつかい要請メールだ。

「ったくクソッ‥」

「どしたん?!なになに、これ亮さんの姉ちゃんから?!ぶはははっ!」



同じく姉からのメールを待っていた蓮が、ようやく鳴った亮の携帯に目を落として爆笑した。

亮はそんな蓮にヘッドロックを掛けて黙らせるが、蓮の笑いは引かない。



蓮はやれやれ、と言った顔をして、亮の姉に対する自分の所見を述べた。

「亮さんの姉ちゃんってちょっと怖そうに見えるけど、

こういうのはただの可愛い女の子って感じだね~」




亮は蓮のその言葉にギョッとした表情を浮かべ、ゲンナリしながら姉のことを口に出す。

「アイツは恐ろしい奴だぜ‥オレが居ねー時に無闇に話しかけんなよ」

「なんでー?何がそんなにオソロシイのよ?うちのねーちゃんが怒った時よりコワイ?

まっさか女の人が喧嘩三昧するわけじゃあるまいし‥」




そう言った蓮の方を、亮は何も言わずにただ凝視した。

そういうことなのね‥と蓮は亮の表情を見て納得する‥。



亮は溜息を吐きながら、いかに自分が姉によって苦労してきたかをポツリと零した。

「はぁ‥。それが一度や二度じゃこんなこと言わねーし‥。特にアイツが淳‥いや

男に振られた日にゃあっちこっちで大暴れ‥。そしてオレがその尻拭いをするハメに‥」




亮のその話に、蓮は「それでそれで?」と興味津々だったが、やっぱり亮は話すのを止めた。

「はぁ‥。いや‥もういーわ‥」



拍子抜けした表情の蓮を構わず、亮は蓮に背を向ける。

「んじゃ行くわ。オメーはお前の姉ちゃんの言うことちゃんと聞いて、

さっさとアメリカ帰れよー?」




その亮の言葉に、蓮は苦々しい表情を浮かべた。弱々しい口調で言葉を紡ぐ。

「それが‥最近は姉ちゃんのこと避けててさぁ‥。

また怒られるのかと思うとつい‥。姉ちゃん怒ったら父さんよりコワイし‥」




亮は蓮の話を聞いて、フンと息を吐き捨てた。そして彼の背後に回り、そのこめかみをグリグリと強く押す。

「怒られるよーなことしてっからだろーが!

お前はこうされる必要があんの!!」




蓮は亮からの攻撃に痛がったが、どこか嬉しそうな顔で亮を見上げる。

「亮さんが俺の兄ちゃんだったらいーのになぁ。そんでもってねーちゃんから俺を守ってよ」



蓮からのその言葉を受けて、はじめ亮はキョトンとした表情になった。

しかし次の瞬間、ふいと顔を背けて笑い出す。

 

軽く蓮の脚を蹴りながら、亮は諭すように蓮に向かってこう言った。

「ふっざけてんのか?

お前の姉ちゃんが結婚すれば、金持ちの兄貴が出来るってのに?」


「いやー俺あの人嫌いじゃないけどさぁ、気楽に話せんしー」



亮は蓮の言葉に適当に相槌を打つと、「マジもう行くわ」と言って後ろ手に手を振った。

蓮はその親愛なる兄貴に、「また明日ね」とぶんぶんと手を振り、彼を見送る。



亮と蓮。

二人はどちらも”弟”であるという共通点がある。

しかしその共通点以外に、二人はどこか互いを分かり合える関係にある‥。





夜は深まり、暗い空に街の街灯がぽつんと明かりを灯していた。

ますます冷え込むその空気の中を、亮はポケットに手を突っ込みながら帰路を辿る。



しかしその道中で、先ほど静香から送られて来たメールの文面をふと思い出した。

亮は渋い顔をしつつ、コンビニどこにあったっけ、と言いながら一旦道を引き返す。



亮は苛立ちながら、ぶつぶつと独り言をこぼしてコンビニを探した。

「あのクソ女、今日はなんで家に居やがるんだか‥。

狩りの活動真っ最中の時間じゃねーのかよ」




そして亮が狭い路地を通りがかろうとした時、ふと聞き慣れた話し声がして足を止めた。

壁際に身を寄せながら、その声のする方をそっと窺う。

 

そこに居たのは、雪だった。

見覚えのある白い車の向こうから、淳が彼女の方へ近付くのが見える。



二人は何か会話を交わしながら、親しげに身体を寄せた。

淳が彼女の肩に手を回し、嬉しそうに微笑む。



淳は更に雪に近付いて、その柔らかな頬にキスをした。

雪はくすぐったそうに、笑みを浮かべてそれを受ける。



淳は更に唇にまでキスをしようとしたが、雪は真っ赤になってそれを防いだ。

じゃれ合うカップルの、そんな気安い一場面‥。



亮は何も口に出さず、ただその光景をぼんやりと見ていた。

痺れている心の先端が、亮の脳裏にあの記憶を映し出す‥。





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<二人の弟>でした。

以前の記事<二人の姉>に掛けて、今回の題名は<二人の弟>としました。

蓮と亮、気が合ってますよね~^^じゃれあってる風景がなんとも微笑ましいです。


さて、静香からのメールにあった「メローナアイス」ですが‥



↓これだそうです。



韓国のロングセラー商品だそうですね。味はメロンの他にイチゴ、バナナ、マンゴーがあるとか。

亮さんが律儀に買って行ってあげようとコンビニ探すのが微笑ましいですね^^


そして雪ちゃん達を見ちゃった亮さん‥(T T)

察しちゃったかな‥二人の関係‥うう‥(涙)


次回は再び過去に戻ります。

<亮と静香>高校時代(14)ー三人の子供ー です。


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