赤山雪は大学にて、白目をむいて冷や汗をダラダラ流していた。
実は今日、グループワークのメンバーが発表されたのだ。
「以前予告していたように、こちらでグループ分けをしておきました。
このメンバーで中間、期末と頑張ってもらいます」
にこやかにそう話す教授を前にして、雪は心の中で叫んだ。
だから何でこの大学は勝手にグループ分けしちゃうかなぁ？！
しかし雪の心の叫び虚しく、この度このメンバーでグループワークに取り組むことに決まった。
ここで雪の視点から、それぞれのメンバーを紹介しよう。
＜メンバー１ 伊吹聡美：基本的にテキトー主義。小言炸裂な予感‥
＞
聡美はといえば、雪と一緒のグループになったことに単純に喜んでいた。
雪にとって聡美は友達としては最高だが、グルワのメンバーとしては‥。
さて次のメンバーへ行こう。
＜メンバー２ 柳先輩：頼る人（青田先輩）が居ない場合、フリースタイル。掌握出来るか否かがカギ＞
柳はお気楽な調子で大あくびをしていた。
いつも青田先輩の影で楽をする彼だが、雪は柳を上手く転がせば戦力になると考えていた。
気を引き締める雪が、次のメンバーに視線を移す。
＜メンバー３ 健太先輩：‥以下省略 ＞「三年生は女子ばっかだな！ワハハ！」
‥もう何も言うまい。雪は健太をスルーした。
開始早々何か新しい種類のストレスが押し寄せてくるような‥。
だけど健太先輩だけどうにかすれば何とかなるような気も‥。奨学金‥奨学金だけはなんとしても‥
早くも痛む頭を抱えながら、雪はわずかな希望を夢見てこのグループの行く末を思った。
健太はワハハと笑いながら雪を班長に任命し、雪は困惑の中で了承する。
すると健太は雪の肩に手を置いて、親指を立てたポーズでドヤ顔を決めた。
「赤山、そんな心配すんなって！オレももう学生生活も終盤だし、超頑張るからよ！！」
この世にこんなに信頼出来ない言葉＆ドヤ顔があるだろうか‥。
雪は神に祈るような気持ちで頷いた。
とりあえず動揺気味の雪だが、続いて青田先輩はどんなメンバーに囲まれているのか気になり、彼の方を窺った。
そして目に入って来た光景は‥。
雪は何とも言えない気持ちでそのメンバーを眺めた。
なんか‥変に気になるメンバーだな‥
先輩のグループは、佐藤先輩、直美さん、清水香織、という珍妙な顔ぶれであった。
じっとそちらを窺っていた雪の視線に気づいて、彼は彼女と目を合わす。
あ、と思って雪は笑顔を浮かべた。
ニへッとした笑顔だ。
淳はそんな彼女を見て、同じく笑顔を浮かべた。
彼女の笑みに応えるような、愛おしむようなその笑顔を。
雪は彼のその表情に少し戸惑ったが、気になることがありその場で彼にメールし始めた。
インターンなのに、グルワなんて大丈夫なんですか？
するとすぐメールが返って来た。
この先生、全く考慮してくれないみたい T T
夜でも出席は必須で、グループレポも絶対だって‥T T
雪は彼からの返信を見て思わず息を飲んだ。こんなくだけたメールは初めてだ。
T T 涙マーク？！ T Tマーク‥。先輩が‥
先輩の絵文字なんて初めて見るのだ。
思わず白目で振り返る雪を見て、淳は彼女が何に驚いているか自覚して泣き真似をする。
T T～
そんな彼の様子を見ながら、雪は笑いが込み上げて来た。
両方の拳を握りしめて、彼にジェスチャーを送る。
くっくっく‥ファイティン！
それを見た彼も同じように拳を握り、コクコクと可愛らしく頷いた。
うん うん！
そろそろ前向いて、と彼が彼女を指さして口を動かす。
先輩こそ、と言って雪がまた笑う。
二人の間に流れる空気は穏やかで気安くて、いつの間にか積み重ねた月日が彼らに安らぎを与えていた。
そのため雪は今ここがどこで何の時間かを、暫し忘れていた。
「お前らバカップルか～？」
ビクッと身を固めた雪に、健太は「授業中は自重しろよ」と軽く注意した。
後ろに座る佐藤と直美は二人の空気に当てられて、若干気まずい空気を感じている‥。
ザワザワと騒がしい教室だったが、教授の授業開始の一声と共に段々と静まっていった。
皆が口を噤んで、授業が始まる。
雪は頬杖をつきながら、心の中のモヤモヤを持て余して一人微妙な表情だった。
チラ、と先輩の方を窺う。
雪は彼のグループを見て改めて思った。
それでも佐藤先輩もいるし、先輩のグループは大丈夫そうだ‥。
直美さんもやる時はやる人だし‥
雪は前に向き直り、再び自分のグループのメンバーを窺う。
私の方も、健太先輩以外はうまくモチベーション上げれば‥ポシャりはしないでしょ
人の心配をしている場合ではない。奨学金だってかかっている。
雪は先行きの見えない不安を、その不明瞭な行く末を思い、一人空を仰いだ。
大丈夫だよね‥？
ふぅ、と吐いた溜息が晴れやかな秋空に溶けていく。
明るいその空の色とは裏腹に、雪の心の中は暗雲が立ち込めていた‥。
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＜不安な先行き＞でした。
今回好きだったところ、雪と淳がメールを交わすこの四コマ！
可愛らしいですね～＾＾
そして雪ちゃんが先輩に言っている「ファイティン！」。この言葉、いいですよね～。
和製英語ならぬ、韓製英語？ よくドラマなどでも耳にしますね＾＾
思わず訳さずそのまま載っけました。ファイティン！（無駄に言ってみる）
次回は＜彼らのA大訪問＞です。
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はい、師匠、同じく。
授業中っだていうのに大好きオーラ漂わせすぎでしょ。
しかし本家での暴力沙汰を見てしまっただけに、このラブコメ風な授業風景は平和ですな。
こんなやり取り見せ付けられて佐藤はまた嫉妬ですよ（笑）大体嫉妬というのは同じレベル相手に持つものでそもそも土俵が違いすぎるというのに・・
それにしてもまたもや健太先輩と一緒のグルワですか。人数そんなにいないのか、２回連続でなるものなのか。
単に物語進行上、仕方ないのか。
聡美の＜メンバー１ 伊吹聡美：基本的に手を抜くタイプ。小言炸裂な予感‥＞には納得。。
やっぱり性格や思考パターンに違いがありすぎて親和性低そうだな・・
そういえば、日本のスポーツアニメで
「ファイト！」って応援するシーンがあったような気がしますが、
Fight！なら日本人も言わないんですか？
あ、日本語Ver.読んでる方々に質問一つ。
もしかして公式の訳は特別回（おまけ漫画とか）をスルーしてますか？
スルーされるものもあればスルーされないものもありますね。
チーズインザトラップのキャラだけで一回が纏まれば(４コマ漫画とか)訳され、
休載のお知らせなど、作家の個人的なコメントが混じっている、もしくは日本人に向かないお話し(小説『トンベッコッ(椿)』のパロディなど)はスルー
といった感じでしたね。
るるるちゃん、すまんのぅ。
オマケ漫画は基本ナシですかねぇ。
掲載されたものもありますが、モノによってはアレの更新のみでストーリーが１週間先延ばしになるとガッカリしちゃうので、出来ればその週はオマケ漫画と本編同時公開が望ましいんだけど。
でも読みたい気持ちはすっごくあるんです！！
だから一度るるるちゃんにお願いして、オマケ漫画翻訳企画したんだよねー。
あえなく挫折したけど。。
あと「ファイトー！」言います言います。
韓国の「ファイティン」と同じですよね。
韓流ブーム後、「ファイティン」使う人も多くなってますが♪
実は私先週退職しまして(...)
今絶賛ニート生活堪能しています。(笑)
なんか時間がいっぱいできてしまったので。
以前の企画ですが、もしよろしければ画像アップさえいただけるならコメントで勝手に訳しときます。
ネイティブではないのでミスはあると思いますが、その時は皆さんの愛の力をお借りするということで。
その時が来たらちょびこ姉様に勝手に便乗して楽しませていただきます、あざーっす！
姉様、これはもうるるる祭りしかないです。
奇遇ですなぁ。私も絶賛ヒマ主婦堪能中なんですー。（←私は今に始まったコトではないが…）
以前のやり方では手間ばかりかかってしまい挫折したので、手法を変えてもよいですか。
セリフひとつひとつ取り上げずに、ある程度まとまった画像の手書き文字を入力して頂き、さらにはあわよくば訳して頂けたら、日本人読者もどれだけ喜ぶコトでしょー。
私や皆が翻訳機にかけるより、ずっと正確だと思います(笑)
多分、ネタ的に本国の方の解説も必要になるでしょうしね。
あらあら。
るるるちゃんの次の仕事が決まる前に早速取り掛かろうっと♪ありがとー！！
てか、るるるちゃんだよね？
名前のトコにタイトル入ってるけど(笑)！
かにアンテナどんだけー(笑)！
でもるるるちゃん、転職活動は忙しくないのかな…
と気にしつつ、既に段取り始める問答無用な姉さん。
そう言ってくださるのをひそかに待っていました私！！
（いや図々しくもかなりハッキリとおねだりしたことがあったやも）
私だけではありません、姉さまやかにさんの食いつきの早さをご覧ください。
さささ姉さま、るるるさんの気が変わらぬうちに！
わたくしペイズリー半纏用意して祭りに備えますから。
るるるさんをはじめ、Yukkanen師匠、皆さんの登壇を待つばかり！
楽しみです――！
雪ちゃん！
グルワ頑張って。就職してからの予行練習のつもりで。
あときっと、先輩は絵文字を使ってみたかったのでしょうねー。
もうひとつ、雪ちゃんのスマホからぶら下がっているライオンストラップ、カワイイ・・・（脚が・・・）
これ、売っていたらぜひ欲しい！2個欲しい！（←使い方、あってますか？）