疫学調査によると、高脂肪食品のとりすぎは、大腸がんや乳がんのリスクを高めるそうです。
脂(あぶら)という字は、肉月に旨(うま)いと書きますが、おいしい肉ほど脂肪分が多いようですし、天ぷらやフライドポテト、クリーム類など、脂肪分が多い食品にはおいしいものが多いのですが、この世はおいしいものを食べすぎると病気になるようにできているようです。
イギリスでは、3年間ほぼポテトチップスだけを食べていた女性が死にかけたというニュースが2005年に伝えられています。
この女性は、毎日15袋のポテトチップスを食べ続けた結果、胆嚢(たんのう)が肥大して破裂寸前だったそうで、体重も30kg以上増えていたそうです。
胆嚢は、胆汁を濃縮して貯蔵し、食事の際に胆汁を十二指腸に放出して脂肪分の消化を助ける働きがあるそうで、高脂肪食品のとりすぎは、胆嚢を酷使することになるようです。
また、マーガリンやフライドポテトに多く含まれているトランス脂肪酸は、かなりの悪者のようで、All About(オールアバウト)というサイトには、「トランス脂肪酸は、悪玉コレステロール、動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能、認知症、不妊、アレルギー、アトピーなどへの悪影響が報告されています。」と書かれています。
今年の1月には、トランス脂肪酸や飽和脂肪を多く含む食品を食べるとうつ病になるリスクが高まるという研究結果が発表されたと、AFP BBニュースが報じていました。
報道によると、スペインで、12,000人以上を対象に6年間にわたって調査した結果、トランス脂肪酸を多く摂取した人は、うつ病になるリスクが最大で48%も高かったそうです。
トランス脂肪酸を多く含む食品の代表はマーガリンだそうですが、これは別名「食べるプラスチック」ともよばれているそうなので、パン食の方はマーガリンの使いすぎにご注意ください。
また、ショートニングを使った菓子・ケーキ類にもトランス脂肪酸が多く含まれているそうですが、これらは女性の好物ですから、近年増加している乳がんとの関係が心配です。
さらに、体内に蓄えられた脂肪も、多すぎると健康に悪影響を与えるようです。
2009年11月の報道によると、アメリカがん研究財団(AICR)が、アメリカでは肥満が原因でがんを発症する患者が年間10万人を超えているという研究報告を発表したそうです。
肥満とがん患者の数を具体的に調査した研究は初めてで、肥満と関係が深い7種類のがんを調べ、肥満によって引き起こされたと考えられる実際の症例数を計算したそうです。
その結果、子宮内膜がんの49%、食道がんの35%、脾臓がんの28%、腎臓がんの24%、胆のうがんの21%、乳がんの17%、大腸がんの9%が、それぞれ肥満が原因で発症したと見られるそうです。
報道では、具体的にどの程度太っていると肥満なのか説明がありませんでしたが、世間でよく使われる指標は、体重(kg)を身長(m)の2乗で割った値(BMI)が30以上だと高度肥満と判定されます。
身長が160cmなら、標準体重は56kg、BMIが30となる体重は76.8kg、身長が170cmなら、標準体重は63.5kg、BMIが30となる体重は86.7kgとなりますので、参考にしてください。
ただし、筋肉隆々のスポーツ選手などにはBMIの判定はあてはまらないので、あくまでも目安です。