先日、『奇蹟のハンド・ヒーリング』(三浦一郎:著、たま出版:1995年刊)という本を読んだのですが、この本によると、戦前の日本では、ハンド・ヒーリング(患部に手を当てたりかざしたりして病気を治す治療法)が大流行していたそうです。
この時代の書物を古本屋で探すのは大変ですが、国立国会図書館デジタルコレクションというサイトを使うと、自宅で、しかも無料で当時の書籍を閲覧することができます。
ちなみに、『奇蹟のハンド・ヒーリング』で紹介されていて、かつ国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能な本は、『心源術秘書』(西村大観:著、心友社:1920年刊)と『西式触手療法と保健治療法』(西勝造:著、実業之日本社:1932年刊)でした。
このハンド・ヒーリングについてさらに調査すると、医者でありながら「手当て」で患者を治療していた人もいました。それは、医学博士の塩谷信男氏で、不況だった昭和6年に開業して、「生命線療法」というハンド・ヒーリングを使って大繁盛したそうです。
昨日、この塩谷氏の著書『宇宙無限力の活用』(塩谷信男:著、東明社:1994年刊)を図書館で読んだのですが、この本には「松下松蔵翁」という超人が紹介されていました。松下翁は、大抵の病気は瞬間的に治し、当時は不治の死病だった肺結核の患者も自宅に泊めて治療していたそうです。
また、やはり昨日読んだ『新宗教の世界Ⅳ』(大蔵出版:1978年刊)の「松下祖神道」の項(梅原正紀:著)によると、松下翁は明治6年生まれで、子どもの頃から親孝行だったそうですが、あるとき口から大量の血を吐いて、それ以来霊能力を発揮するようになったそうです。
この本で最も興味深かったのは、松下翁が病気の原因を次の4つに分類していたことです。
1.因縁もの(殺人、冤罪、横領などに対する霊の仇討ち、治療不可能)
2.神障り(人間の病気の大半、最も治しやすい)
3.憑霊(つきもの、憑依した霊の移動とともに患部が転々とする)
4.普通病(医者に治せる病気で、全体の約5パーセント)
つまり、病気の大部分は霊障だということです。そして松下翁は、忠(皇室に忠義をつくす)、孝(親に孝行をする)、敬神(神を敬う)、崇祖(祖先を崇める)の「四大道」を守らなければ、病気が再発すると警告したそうです。
現代では、こういったことを教えてくれる人は少なくなりましたが、そういう時代だからこそ、私は松下翁の教えに新鮮な印象を受けました。
ところで、霊障の存在を信じることは結構だと思いますが、霊障を口実にお金をむしり取る霊感商法にはご注意願います。
韓国から来た「統一教会」の件は、有名なのでご存じの方も多いと思いますが、最近では、やはり韓国から来た「ダンヨガ(イルチ・ブレイン・ヨガ)」で、訴訟騒ぎが起きています。詳しくは、「カルト被害を考える会」の「カルト関連ニュース」などを参照してください。
霊障がお金で解決することなどありえませんから、法外な金額を要求されたら、まずは誰かに相談することをお薦めいたします。
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