2022年6月15日のニューズウィーク日本版に、<治験中のがん新療法、18人全員の腫瘍が6ヶ月で消失 専門医「前代未聞」>(青葉やまと:著)という記事が掲載されていたのでご紹介します。
それによると、ドスタリマブという、免疫機能の「ブレーキを解除」する薬を18人の直腸がん患者に3週間隔で6ヶ月間投与したところ、全員の腫瘍がなくなったのだそうです。
治験対象は、ミスマッチ修復欠損型(MMRd)とよばれる種類の直腸がんで、このタイプのがんは、DNAの複製エラーを修復する機能に欠損があるため、腫瘍が発生しやすくなるのだそうです。
治験は2019年から順次行なわれ、現在までに18名の患者が治療を受けて全員完治し、投薬終了から最長で2年が経過したものの、どの患者にも腫瘍の再発は確認されていないそうです。
したがって、この記事だけを読むと、夢のような薬によって人類ががんを克服する日も近いように思われますが、はたしてそうでしょうか?
免疫機能の「ブレーキを解除」する薬と言えば、オプジーボを思い浮かべる人も多いと思いますが、夢のがん治療薬としてもてはやされたこの薬も、実際には多くの副作用が報告されています。
参考までに、「東京都立駒込病院 ⑤免疫チェックポイント阻害薬の副作用とは(東京都病院経営本部)」という動画をご覧ください。オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害薬の副作用が大変分かりやすく説明されています。
免疫の仕組みは非常に複雑で、それを人為的に操作しようとすると必ずどこかで破綻してしまいますから、それよりも、生活のすべてを抗がん作用のあるものに変えてがんを克服するのが賢明なのではないでしょうか?
最後に、免疫チェックポイント阻害薬について分かりやすく解説している「東京都立駒込病院 ①がん免疫療法 免疫チェックポイント阻害薬について(東京都病院経営本部)」という動画もよかったらご覧ください。
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