転載 ダイヤモンド社
人口流出で地方都市は“もぬけの殻”に!?
もう一度輝くための処方箋とは
「今後は地元で食べていけなくなった人たちがどんどん大都市に流出し、地方都市はもぬけの殻になってしまうでしょう。しかも、近年の地方から大都市への人口の流れを見ていると、“出て行ったきり”になっていることがわかります。
1990年代には、10代で地元を離れて就職したものの、20~30代でUターンする人が多く、引っ越してくる人が引っ越していく人を上回る「転入超過」の県もあったんです。ところが2005年以降は 「転出超過」。国立社会保障・人口問題研究所の予測は2005年以前のデータをもとに推計したもの。それを考えれば、地方の人口減少はこの予測以上に厳しいものになりそうですね」と藤波さん。
皮肉なことに、大歓迎のはずのUターン、Iターン移住者にも、自治体は複雑なまなざしを向けているようだ。たとえば最近増えている、農山村を慕い地方に移り住む若者たち。自治体の望む地域に住んでくれればよいのだが、ときにはこれまで人の住んでいなかった山奥に移住してくることも。そうなれば、自治体はこれまで足を踏み入れなかった地域にも、サービスを提供しなければいけなくなってしまう。
若い転入者はのどから手がでるほど欲しいものの、受け入れるだけのゆとりがないのが過疎化した市町村の現実なんだ。
とはいえ、このまま人口減少が激しくなれば、地方の自治体はますますジリ貧状態になってしまう。そうなれば、冒頭のように人の住めない「行政の空白エリア」があちこちにできてしまうだろう。駅前のシャッター商店街がそうなったとしても、不思議ではない状態だ。
じゃあ、地方がジリ貧状態から抜け出し、もう一度輝くためにはどうすればいいんだろう?
「残念ながら、決定的な処方箋(しょほうせん)はありません。でも、道はあります。そのひとつが、『モザイク都市』です」(藤波さん)
地方では長らく、「ここは農地」「ここは工場」「ここが商業地」などど、おおまかに土地の用途を分ける「ゾーニング」が行われてきた。でも、このやり方では「働くエリア」「住むエリア」「買い物エリア」が隔絶されてしまう。おかげで、シャッター通りが生まれ、買い物難民のお年寄りも急増した。
人口流出で地方都市は“もぬけの殻”に!?
もう一度輝くための処方箋とは
「今後は地元で食べていけなくなった人たちがどんどん大都市に流出し、地方都市はもぬけの殻になってしまうでしょう。しかも、近年の地方から大都市への人口の流れを見ていると、“出て行ったきり”になっていることがわかります。
1990年代には、10代で地元を離れて就職したものの、20~30代でUターンする人が多く、引っ越してくる人が引っ越していく人を上回る「転入超過」の県もあったんです。ところが2005年以降は 「転出超過」。国立社会保障・人口問題研究所の予測は2005年以前のデータをもとに推計したもの。それを考えれば、地方の人口減少はこの予測以上に厳しいものになりそうですね」と藤波さん。
皮肉なことに、大歓迎のはずのUターン、Iターン移住者にも、自治体は複雑なまなざしを向けているようだ。たとえば最近増えている、農山村を慕い地方に移り住む若者たち。自治体の望む地域に住んでくれればよいのだが、ときにはこれまで人の住んでいなかった山奥に移住してくることも。そうなれば、自治体はこれまで足を踏み入れなかった地域にも、サービスを提供しなければいけなくなってしまう。
若い転入者はのどから手がでるほど欲しいものの、受け入れるだけのゆとりがないのが過疎化した市町村の現実なんだ。
とはいえ、このまま人口減少が激しくなれば、地方の自治体はますますジリ貧状態になってしまう。そうなれば、冒頭のように人の住めない「行政の空白エリア」があちこちにできてしまうだろう。駅前のシャッター商店街がそうなったとしても、不思議ではない状態だ。
じゃあ、地方がジリ貧状態から抜け出し、もう一度輝くためにはどうすればいいんだろう?
「残念ながら、決定的な処方箋(しょほうせん)はありません。でも、道はあります。そのひとつが、『モザイク都市』です」(藤波さん)
地方では長らく、「ここは農地」「ここは工場」「ここが商業地」などど、おおまかに土地の用途を分ける「ゾーニング」が行われてきた。でも、このやり方では「働くエリア」「住むエリア」「買い物エリア」が隔絶されてしまう。おかげで、シャッター通りが生まれ、買い物難民のお年寄りも急増した。