東京新聞千葉より転載
参院選 主要7候補に聞く<政策編> 自民以外5氏「原発ゼロ」言及
2013年7月10日
参院選千葉選挙区(改選数三)は二十一日の投票日に向け、激しい舌戦が展開されている。東京新聞千葉支局は有権者が候補の政策や人物像を知る一助になるよう、主要六党の七候補にアンケートを実施した。回答から憲法や原発政策、環太平洋連携協定(TPP)の三つのテーマに関し、それぞれの考えを整理してみた。(小川直人)
■憲法
改憲要件を定めた九六条の改正は、各候補の意見が分かれた。
自民党現職の石井準一、同党新人の豊田俊郎の両氏は改正に賛成した。ただ、両氏とも先行改正には踏み込まず「議論が活発化していく中で実施されるべきもの」(石井氏)、「具体的な憲法の内容も一緒に議論すべきだ」(豊田氏)と答えた。
日本維新の会新人花崎広毅氏は、九六条の規定に「改正を三分の一の反対で封じ込める」と否定的だった。
民主党現職の長浜博行、生活の党新人の太田和美、共産党新人の寺尾賢、みんなの党新人の寺田昌弘の四氏は、九六条の先行改正は「国の基本である憲法には安定性が必要」(太田氏)などを理由に反対した。
ただ、長浜、太田、寺田の三氏は、憲法改正自体は「必要性を議論するとよい」(長浜氏)などと否定はしていない。寺尾氏は「全条項を守り抜く」と改憲に反対した。
■原発政策
原発の必要性について、自民以外の五氏は「原発ゼロ」に言及した。
ただ、その時期については「直ちに廃炉に向かうべきだ」(寺尾氏)、「可能な限り早く」(花崎氏)、「将来はゼロを目指す」(寺田氏)、「二〇三〇年代に稼働ゼロを可能とするよう取り組む」(長浜氏)などと違いがある。太田氏は時期は明示しなかったが「再稼働や新増設は認めない」と主張した。
一方、自民候補は原発政策のあり方について「再稼働を認めていくのであれば、安全性の確認と地域の理解が不可欠」(石井氏)、「代替エネルギーが確保されるまでは(原発を)不必要とは断言できない」(豊田氏)との考えを示した。
■TPP
TPP交渉をめぐっては、自民公認の中で「TPP参加は慎重であるべきだ」と唱えた石井氏と、「交渉参加は意義がある」とした豊田氏で見解が分かれた。
交渉参加は寺田、花崎の両氏も評価した。ただ、寺田氏は「国益を損なうなら抜ける」との考えも示した。
長浜氏も「国益確保のためには脱退も辞さない姿勢で臨む」とした。
明確に反対したのは寺尾、太田の両氏。太田氏は食料自給率が低下すると指摘し、「自由貿易協定(FTA)などを進める方が国益を守れる」と説明。寺尾氏は「断固反対」と強調した。
◇
各候補の政策に関するアンケート回答の詳細は十四日に掲載予定です。
参院選 主要7候補に聞く<政策編> 自民以外5氏「原発ゼロ」言及
2013年7月10日
参院選千葉選挙区(改選数三)は二十一日の投票日に向け、激しい舌戦が展開されている。東京新聞千葉支局は有権者が候補の政策や人物像を知る一助になるよう、主要六党の七候補にアンケートを実施した。回答から憲法や原発政策、環太平洋連携協定(TPP)の三つのテーマに関し、それぞれの考えを整理してみた。(小川直人)
■憲法
改憲要件を定めた九六条の改正は、各候補の意見が分かれた。
自民党現職の石井準一、同党新人の豊田俊郎の両氏は改正に賛成した。ただ、両氏とも先行改正には踏み込まず「議論が活発化していく中で実施されるべきもの」(石井氏)、「具体的な憲法の内容も一緒に議論すべきだ」(豊田氏)と答えた。
日本維新の会新人花崎広毅氏は、九六条の規定に「改正を三分の一の反対で封じ込める」と否定的だった。
民主党現職の長浜博行、生活の党新人の太田和美、共産党新人の寺尾賢、みんなの党新人の寺田昌弘の四氏は、九六条の先行改正は「国の基本である憲法には安定性が必要」(太田氏)などを理由に反対した。
ただ、長浜、太田、寺田の三氏は、憲法改正自体は「必要性を議論するとよい」(長浜氏)などと否定はしていない。寺尾氏は「全条項を守り抜く」と改憲に反対した。
■原発政策
原発の必要性について、自民以外の五氏は「原発ゼロ」に言及した。
ただ、その時期については「直ちに廃炉に向かうべきだ」(寺尾氏)、「可能な限り早く」(花崎氏)、「将来はゼロを目指す」(寺田氏)、「二〇三〇年代に稼働ゼロを可能とするよう取り組む」(長浜氏)などと違いがある。太田氏は時期は明示しなかったが「再稼働や新増設は認めない」と主張した。
一方、自民候補は原発政策のあり方について「再稼働を認めていくのであれば、安全性の確認と地域の理解が不可欠」(石井氏)、「代替エネルギーが確保されるまでは(原発を)不必要とは断言できない」(豊田氏)との考えを示した。
■TPP
TPP交渉をめぐっては、自民公認の中で「TPP参加は慎重であるべきだ」と唱えた石井氏と、「交渉参加は意義がある」とした豊田氏で見解が分かれた。
交渉参加は寺田、花崎の両氏も評価した。ただ、寺田氏は「国益を損なうなら抜ける」との考えも示した。
長浜氏も「国益確保のためには脱退も辞さない姿勢で臨む」とした。
明確に反対したのは寺尾、太田の両氏。太田氏は食料自給率が低下すると指摘し、「自由貿易協定(FTA)などを進める方が国益を守れる」と説明。寺尾氏は「断固反対」と強調した。
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各候補の政策に関するアンケート回答の詳細は十四日に掲載予定です。