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英国で縄文式土器に出会った







どの歴史教科書にも載っているわれらがおなじみ縄文式土器...火焔式土器。

大英博物館の特別展で一種のなつかしさとともに初めて本物を見た。


世界中から文物が集まった大英博物館には5000年前の作品は珍しくはないが、このデザインの楽しさや洗練具合は他になかなか見ることのないものだ(左は王冠型土器)。例えばこの土器は英国のストーンヘンジと同年代の作品であるという説明あり。

かなりの集客があったこの縄文式土器コーナーのお客さんのひとりひとりに「どうです、すばらしいでしょう日本のデザインは」「一度日本へ行かれてみてはどうですか」と声をかけて回りたくなったほどだ。そういう仕事があったならきっとわたしはそれに向いていると思うの...(笑)





日本のものつくりに関して書かれたこのような文章を思い出した。
以下、明治時代に華族女学校の英語教師として来日した米国人アリス・ベーコンの「明治日本の女たち」(みすず書房)より。

「(日本の)平民階級を語る上で忘れてならないのは、その多くを占める職人である。日本が芸術や造形、色彩の美しさを大切にする心がいまだにある国として欧米で知られているのは、彼等の功績である。

職人はこつこつと忍耐強く仕事をしながら、芸術家のような技術と創造力で、個性豊かな品々を作り上げる。買い手がつくから、賃金がもらえるから、という理由で、見本を真似して同じ形のものや納得できないものを作ることはけっしてない。日本人は、貧しい人が使う安物でさえも、上品で美しく仕上げてしまう。一方、アメリカの工場で労働者によって作り出されるあらゆる装飾は、例外なくうんざりするほど下品である。

(中略)もちろん、日本の高価な芸術品は職人の才能と丁寧な仕事をよく体現している。しかし、私が感心したのはそのような高級品ではなく、どこにでもある、安い日用品であった。貴族から人夫にいたるまで、誰もが自然のなかにも、人が作り出したものにも美を見出し、大切にしている。」
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