以前、伊豆箱根鉄道5000系が登場するまで、大雄山線には戦前に製造された吊り掛け駆動の17m車ばかりが集められていたことを記しました。1990年代に、営業用車両は5000系に統一され、17m車は引退したのですが、1両だけ、事業用車両として残されたものがあります。それが、下の写真に登場する車両です。
大雄山駅構内に留置されているコデ165です。元は鉄道省のモハ30形で、戦後に相模鉄道に譲渡され、しばらく使われた後に伊豆箱根鉄道に譲渡されたのでした。1996年に改造され、事業用車両となってモハ165から改番されました。現在は茶色に塗装されていますが、以前はオレンジ色と表現してよいような濃い黄色に塗装されていました。今回の写真ではよくわかりませんが、後ろにはモーターカー、バラスト積載貨車などが並んでいます(連結しているかどうかは確認できなかったのですが、おそらくは連結しているでしょう)。
大雄山駅に車庫があるとは言え、大雄山線には整備工場がありません。そのため、全般検査などのために駿豆線の大場工場に回送されるのですが、その際にこのコデ165が5000系を牽引します。従って、不定期(?)であるとはいえ小田原駅でコデ165を見ることができるかもしれないということです。