歴史に興味を持つ様になったのには、3つの切っ掛けが在る。1つ目は、母方の祖父の存在。彼の本棚には歴史に関する本がずらっと並んでおり、小・中学校の頃、祖父母の家に遊びに行った際には、其れ等を良く読んでいた。難しい漢字や文章が多かったので、全てを理解出来た訳では無かったが、子供心に“我々人間が歩んで来た長い道程”が感じられ、「歴史って面白いなあ。」と思う様に。
2つ目は、当ブログで過去に何度も取り上げているNHK連続TV人形劇「新八犬伝」(1973年4月2日~1975年3月28日放送)【動画】。人形作家・辻村寿三郎氏の妖艶な人形達も然る事乍ら、「南総里見八犬伝」や「椿説弓張月」等を基にした“歴史物語”が本当に面白かった。
そして3つ目は、教養番組「歴史への招待」(1978年4月6日~1984年3月7日放送)【動画】。「歴史の片隅で忘れられていた事実迄も徹底的に掘り起こし、又、煙突男や説教強盗等の現代史とも言える昭和時代の事件をも取り上げる等、エポックメーキングな番組。」で、NHKに於ける歴史番組の走りと言っても良い。毎回の放送を楽しみにしていたし、番組内容を纏めた本を何冊か購入したりもしていた。
昨日、「元NHKアナウンサーの鈴木健二氏が、先月29日に老衰にて95歳で亡くなられていた。」事が明らかとなった。「高齢の著名人の事を『彼の人、今どうしているんだろうか?』と何故かふっと思い浮かべると、そう日が経たない内に、其の方の訃報に接する。」という経験が、自分には結構在る。1月に亡くなられた正司歌江さんもそうだったが、実は鈴木氏の事も何故か先月、ふっと思い出していた。なので、今回の訃報に接し、「又か・・・。」という思いが。
【鈴木健二氏(右側)】
教養クイズ番組「クイズ面白ゼミナール」【動画】の司会やベスト・セラー本「気くばりのすすめ」の著書等で知られる鈴木健二氏は、1970年代後半から1980年代に掛けて大活躍した人気アナウンサー。当時、彼の事を知らない人は先ず居なかったと言って良い。滑舌良い喋りや当意即妙な受け答えも然る事乍ら、何と言っても群を抜いた博覧強記さが彼の魅力だった。
「クイズ面白ゼミナール」も毎回見ていたが、其れ以上に夢中になって見ていたのが、上記した「歴史への招待」。6年間ずっと此の番組の司会を務めていたのが鈴木健二氏で、博覧強記さを背景にした当意即妙な仕切りが本当に面白かった。
“自分を歴史好きにしてくれた博覧強記の人”が逝く。“大往生”と言える年齢では在るけれど、とても残念だ。合掌。