五代目豆助ファンのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/hopegoldforce/10977435.htmlより転載
「福島原発の闇 原発下請け労働者の現実」~3・11以降のすべては、32年前当時から始まっていた。
日本の原発は事故などしないという『安全神話』は、政府とメディアが作りあげたものだった。
2014/3/3(月) 午後 2:17
amazonより転載
内容紹介
『原発ジプシー』の著者で知られる堀江邦夫、
『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげるが
1979年、福島原発の“闇”を描いていた!
下請け労働者として原発に潜入、
その知られざる現場の実態を書き下ろした堀江邦夫のテキストに、
水木しげるが福島原発近くまで赴いてイメージを膨らませて、
原発内部の緊張感を圧倒的迫力で描いた。
過酷な労働、ずさんな管理態勢……。
3・11以降のすべては、32年前当時から始まっていたことがわかる。
福島原発の現場を初めて表した貴重なルポ&イラストであり、
大人から子どもまで、原発労働の現実、原発の本質が一気に理解できる。
初の単行本化!イラスト多数。
福島原発の闇 目次
第1章 パイプの森の放浪者たち
「原発の仕事も考えもんだ」
防護とは名ばかりの防護服/
汚染水が突然吹き出す/高線量エリアでの作業/
故障していたアラームメーター/激しい頭痛に座り込む
第2章 傷ついた者たちの墓標
史上最悪の事故に口を閉ざす
重装備でヘドロを掻き出す/“被ばくノルマ”の達成/
管理区域内で重傷を負う/想像を絶する「事故処理」/
“無災害”を讃える記念碑
単行本:96ページ
出版社:朝日新聞出版(2011/8/19)
ISBN-10:402330980X
ISBN-13:978-4023309807
発売日:2011/8/19
著者略歴(「BOOK著者紹介情報」より)
堀江/邦夫
1948年東京生まれ。記録作家。コンピュータエンジニアを経て、
74年、フリーライターになる。
78年9月から79年4月まで、美浜、福島第一、敦賀原発で
下請け労働者として働き、
その体験ルポを『原発ジプシー』として現代書館から発刊。
86年ごろから沖縄に居住。
90年から10年余、沖縄大学で「記録文学ゼミ」の講座をもつ。
同人誌「沖縄を記録する」主幹
水木/しげる
1922年生まれ、鳥取県境港市で育つ。
太平洋戦争時、激戦地であるラバウルに出征し、爆撃を受け左腕を失う。
復員後紙芝居画家となり、その後、貸本漫画家に転向。
65年、「別冊少年マガジン」に発表した「テレビくん」で
第6回講談社児童まんが賞を受賞。
代表作に「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」「悪魔くん」などがある。
2003年、故興の鳥取県境港市に「水木しげる記念館」が開館。
91年紫綬褒章、03年旭日小綬章を受章。
07年「のんのんばあとオレ」でフランス・アングレーム国際漫画フェスティバル最優秀コミック賞を、
09年「総員玉砕せよ!」で同遺産賞を受賞
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『福島原発の闇』堀江邦夫・水木しげる|松岡正剛の千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/1446.html
◆堀江邦夫・水木しげる『福島原発の闇』(2011.8 朝日新聞出版)
この本には驚いた。
32年前の「アサヒグラフ」の記事と絵が復元されたのだ。
復元にあたってはさすがに当時の大判グラフ誌のままではなく
(アサグラは日本一大きなグラフメディアだった)、
手に取りやすいA5判の一冊になってはいるが、中身はまるごと当時のものだ。
原発ジプシーとしていまや誰もが知る堀江邦夫が、
1979年に一般メディアで原稿を書いていて、
それを水木しげるがあの独特のカリカリとした筆致で“再現”してみせた。
そんなことがあったのかという驚きだ。
仕掛け人は藤沢正実という記者だった。
「アサグラ」ではそのころすでに日本初の被曝裁判である岩佐訴訟や
各地の原発反対運動を特集していたようだが、
そのすべてが藤沢記者の手によるものだったらしい。
こういう一人のエディターシップが、時に日本を変えたり、支えたりする。
その藤沢記者があるとき、堀江邦夫に
「いま、あなたが執筆中の原稿を一部抜粋し、
再構成して掲載させてほしい」と申し込んだらしい。
たしかに堀江はそのころ3カ所の原発で下請け労働者になっていた。
けれども、そういう堀江が原発で働いていることや、
ましてこっそりルポ原稿を書いている事実など、
ごく限られた連中しか知っていないはずなのに、
藤沢はそれをどこかから聞き付けて、
しかも大型雑誌の特集にすると言い出したのだ。
堀江が「どうしてわかったのですか」と尋ねてみても、
当の藤沢はただニコニコと笑うだけだったようだ。
あっぱれな編集根性である。
のみならず藤沢はそのルポルタージュに
水木しげるの絵を合わせたいと言い出した。
水木も水木だ。
よろしい、引き受けようと言ったらしい。
しかし、水木は原発の内部などまったく知ってはいない。
そこで藤沢と堀江は水木を上野から常磐線に乗せ、
浪江駅まで連れていって、
原発周辺の雰囲気をなんとか感知させようとした。
藤沢はその常磐線の中で、原発で働くとはどういうことか、
原発の中はどうなっているか、何が原発の問題なのかを、
堀江に喋らせた。
Ted
'11年8月刊。'79年10月刊の『アサヒグラフ』に加筆修正したもので、
挿絵は水木しげる。
福島第一原発が定期検査中、
「点検・補修作業」という名の汚れ仕事(掃除)に
末端作業員として従事した著者のルポ。
実際には気休め程度にしかならない防護服にマスクという重装備で、
通常の何倍もの時間と労力をかける割には
成果が上がらない非効率性、
加えて被曝のリスクに絶えず晒される
過酷で割りの合わない劣悪な労働環境の描写は、
読んでいるこちらにまで吐き気と息苦しさが伝わってくる。
クリーンエネルギーというイメージとは程遠い現場の実態。
異風陽洋
原発が下請労働者たちの犠牲のもとに成り立っているということを、
多くの人が薄々は知っていたと思う。
私自身もそう。
内心では疑問や不安、
一種の後ろめたさを感じながらも、
深く知り是非を考えることから逃げてきた。
下請現場での貴重な実体験が綴られた本書を読みながら、
弱者を使い捨てにし
その事実をひた隠しにされてきた現実の重さに胸が苦しくなった。
3.11を経験した今、
安全管理の杜撰さが改善されているとは信じられるはずもない。
むっち
水木しげるさんの絵が、また怖さを表現していて、すごいです。
娘が嫌がってよまないけど……。
80年代のアサヒグラフの特集としてでたものだが、
今もさはないのだろうなあと想像すると怖い。
最新鋭の原発の労働者がこれだったら
地域住民や日本の国民のことなど考えてないよなあきっと。
非正規労働者の問題として見ても貴重な資料です。
りっちー
NHKのEテレに出ていたので、思わず読んでしまいました。
テキストの量は多くないので、あっというまに読了してしまいました。
水木しげるの絵の迫力が凄いです。
大戦当時の大本営と原発を重ねて考えた水木さんの考えに共感します。