まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

寺島実郎さんの「アジア太平洋研究所」構想

2006年10月08日 | イベント
 始った「東アジア平和フォーラム」、顔ぶれはなかなかでした。開会の挨拶は日本側は岩波書店社長・山口昭男さん、韓国側は前・翰林大学・日本学研究所所長、基調講演を日本総合研究所会長・寺島実郎さんでした。

 寺島さんのお話に対しては、韓国文化観光政策研究院ー責任研究員・鄭貞淑さんのコメントがあり、質問として坂本(名前聞き取れず)さん、除勝さん、和田春樹さん、そしてそれに対しての寺島さん、鄭さんの再コメントがありました。

 更に、このフォーラムの事務局を務める世界編集長・岡本厚さん、韓国平和フォーラム事務局長・李起豪さんからの主催者としてのコメントと声明採択に向けての問題意識の紹介がありました。尚、同時通訳は英語を使わず韓国・日本語。

 非常に刺激的な議論のやり取りで、今日・明日と全部参加したいという気持ちが強く沸きました。しかし、午後2時からは静岡大学・エコリーグの仲間の結婚式で静岡に戻らざるを得ませんでした。

 フォーラムの今後については、「世界」編集部からの出版に期待する事にします。因みに日本側40名のメンバーには、土井たかこ前社民党党首もいて、実は席が私の隣でした。議員としては私と阿部知子衆議院議員の二人でした。

 午前中の企画が終わって全員写真を取りました。そして、参加者には韓国での平和キャンペーン用グッズ(ボールペンと名刺入れ)がプレゼントされました。韓国側のこうした気配りにはいつも感心します。

※※寺島さんのレジュメ
1、安倍政権の発足と中韓訪問外交の背景ーこの半年間におけるアメリカの中国評価の転換、9:11反テロ戦略の行き詰まり、中韓に信頼されない日本では、アメリカ外交に足かせ

2、日本近代史とアジアー
・戦後日本の視界からアジアが消えた理由:「米国への物質に敗北」と総括した日本
・日本近代史の二重性:「親亜」が「侵亜」に反転した理由
・「脱亜入欧」とアジア主義のバイオリズム
・21世紀の世界潮流をどう認識するかー全員参加型世界秩序と国際法理に基づく国際協調型

3、東アジア連携の必要性と必然性についてー
・アジアGDPの世界に占める比重:現在の20%から2030年には50%へ
・アジアはネットワーク型発展の局面へ:「雁行形態論」型発展からの脱却
・連携を必要とする相互依存構造の深化:貿易構造など
・環境問題はボーダレス

4、東アジア共同体よりも個別の課題ごとの実利的連携の積み上げ
・金融危機:アジア資金をアジアに還流させる知恵
・エネルギー危機:アジアの需給安定化のための共同プロジェクトの推進
・環境問題での連携

5、「移動」「交流」を通じた活性化ー交流の知的インフラとしての「アジア太平洋研究所」構想
・アジア大移動時代の到来;2005年の中国の海外出国者数は3103万人(VS日本は1740万人
・「移動の価値」:「移動すれば人間は賢くなる」
・アジアの日帰り圏としての21世紀
・交流の知的インフラとしての「アジア太平洋研究所」構想