まつや清の日記 マツキヨ通信

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湯布院玉の湯代表取締り会長・溝口薫平さん、静かに語る

2006年10月18日 | イベント
 きのうの金指さんが師と仰ぐ湯布院玉の湯の溝口薫平さん、1時間のお話しでしたが、視察団はただただうなづくだけでした。1時間だけではわからないと思うが「由布院温泉のまちづくり」を読んでくださいと静かな語り口。

 実は、溝口さんの前に町営温泉「クアージュゆふいん」の保健師・森山操さんのお話を聞いていました。由布院は、どの住民も温泉を持っている、そこで、この健康温泉館をどう運営するか、着任した1998年から考えた、と。

 1991年に作られた当初は民間に任せたが赤字、運営は町営に戻り自分が派遣された、保健師として住民の健康管理のために訪問活動をする中で、高齢者がいかに整形外科に通っているか、把握したとのこと。

 そして、この健康温泉での水中運動を活用して高齢者の健康回復ができないものか、必死で福岡市の水中運動の専門家を訪ね研修を繰り返し、地元のボランンティアの指導者を作ることに集中した。

 その結果、住民の多くがこの水中運動に参加し始め、実際に健康回復が起こり医療費が半減。これは何なのか。財政難、医療費の増大、介護保険にいあっては要支援の筋力トレーニング施設に財源負担。

 果たしてこのようなやり方で高齢者が筋力をつけることができるのか。水集運動という浮力を活用したトレーニング多くの高齢者が自力で健康回復する経験をつんでいる、この意味を多くの方々に知ってもらいたい、と。

 由布院は、観光の町。1年間に400万人がやってくる。滞在型観光都市を更に持続するために、この健康温泉の経験がもっと活用されれば、福祉滞在型のまちづくりにも貢献できる、今、溝口さんたちとも話し合っています。

 この施設も指定管理者の話が出ているとのことでした。湯布院町は合併して由布市になったが、合併したほかの町の議員がこの健康温泉の意義を理解してくれないそうです。何とか公営を維持するために頑張っています。

 これは、水中運動のインストラクターでなく、保健師という住民の健康管理を使命とする「公営」があるが故の効果です。森山さんが言った「今、求められているのは生活の質の転換です」は心に響きました。

 効率、財政赤字の解消は至上命題でありますが、そこに近づく方法は単に効率のみで民間任せにすることではありません。ここに、小泉首相の進めた構造改革議論と一線を画する大きな意味があります。

 これは、長野県が全国一番に高齢者の医療費が安い、政府の経済諮問会議がその結果のみに注目するそのスタンスを厳しく批判するものです。由布院に生まれている溝口さんの求めた哲学があらゆる分野で芽を出しています。

 「「観光」よりもまず「地域」のことを、私たちは考えた。量よりも質を考えた。「経済優先」よりも「生活優先」そして「生命優先」ということだ。「ものづくり」よりも「人づくり」に心がけた。

 金がなかった。だから、みんなで知恵を出し合った」という溝口さん。今回の視察で得たことの教訓を考えると、私自身の県政改革にかける原点を打ち固める大きな励ましを得た感じです。