まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

『インテリジェンス 武器なき戦争』(幻冬舎)を読む

2007年05月10日 | その他
 外交ジャーナリスト・作家の手嶋龍一氏と外務省きっての情報分析プロフェッショナルの佐藤優氏の対談『インテリジェンス 武器なき戦争』、注目される二人だけにどうしても読みたいと連休中に駅で買いこみました。

 期待通りの面白さ。インテリジェンスつまり情報、帯にある「日本の存亡の鍵は、スパイが握っている。」のとおり、スパイの役割と外交論が展開されています。手嶋氏がNHK、佐藤氏が外務省の出身でいわば「マスコミ」「親方=日の丸」内からの告発です。

 特に佐藤氏は、ロシア外交で国会議員・鈴木宗男氏と組んでのダーティイメージが一般的ですが、とんでもなくスケールの大きい外交官であることが、対談の隅々に語り尽くされます。イラク戦争、北朝鮮外交はどこで失敗しているか、驚くことばかりです。

 情報戦争を語りながらスパイ防止法のような抑圧装置強化論に陥らないのは、2人のマスコミ人、外交官への厳しい自己批判の力です。外交論、官僚論で鋭く対立しながら対談の中にしばしば現れる共振、それは、2人に流れる「憂国」の情念の存在です。

 序章 インテリジェンス・オフィサーの誕生、第二章 ニッポンのインテリジェンス その三大事件 第三章 日本は外交大国たりえるか ニッポン・インテリジェンス大国への道 見出しだけで十分に読者には刺激的です。