まつや清の日記 マツキヨ通信

静岡市議会議員 まつや清の日常を毎日更新!

森田芳光監督追悼 映画「武士の家計簿」を観る

2011年12月29日 | ニュース・関心事
1980年代初頭に家族が横に並んで食事する都市部の悩める現代家族をテーマとした映画「家族ゲーム」で一躍スター監督に登った森田芳光監督が61歳でまくなりました。まさに私達の世代を代表する映画人です。

追悼の意味でと2010年作の「武士の家計簿」をビデオで観ました。原作は、磯田道史 さんの『 武士の家計簿 「 加賀藩御算用者 」 の幕末維新 』 (新潮新書刊)で読んではいないのですが実在の人物のよう。

幕末から明治維新という荒波の時代が背景だけでにそうした社会性も前面に出てくるのかと推測もしましたが、全く違ってたんたんと御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目・直之を表現します。

直之の息子・直吉が維新前夜の加賀藩めぐる尊王攘夷の対立時、直之に向かって吐いた「この時代に単に御算用者でいいのか」と激しく迫るその場面で充分に父子の対立とその背景としての社会性は伝わってきました。

その直吉が陸軍創設者の大村益次郎に「これからの時代は、会計・財政の専門家こそが次の時代を作る、武士の1000人に値する」とへットハンティングされる場面も幕末から明治という時代的実相が上手く描かれています。

家族と仕事と時代とい個別の一人ひとりの人間とコミュニティとしての家族、世代間対立、これらを普遍的な時代を動かすエネルギーの中に落としてみせるその手法が森田さんらしいと再認識しました。一見の価値あり。

福島原発事故調査・検証委員会中間報告とNHK報道番組「原発危機「事故は何故、深刻化したか」」

2011年12月29日 | ニュース・関心事
調査・検証委員会の中間報告と6月報道NHK「原発危機「事故は何故、深刻化したか」」を重ねてみると12日1号機水素爆発、14日3号機水素爆発、15日2号機、4号機の水素爆発、繰り返されたベントがリアルに記憶が蘇ります。

菅前首相がベントが進まない第一原発に飛んだ経緯や東電の現場からの撤退情報に本社に乗り込んだ経緯や水素爆発は起こらないとアドバイスし続けた斑目原子力安全委員会委員長、想定外のメルトダウンにおののく現場の緊張感。

しかし、「考察と提言」で「一部研究者の間には、原子炉圧力容器・格納容器・重要な配管類の一部が、地震により破壊されたのではないかとの指摘もある。当委員会のこれまでの調査ではこうした事実は確認できていない」。

これは納得がいきません。検証委員会メンバーである石橋克彦さんや田中三彦さんらの意見は、全く無視されています。これでは、厳しい様々な指摘あるものの肝心な所で事故原因が津波と人為的ミス論の範囲に誘導されかねません。

SPEEDYが何ら活用されることなく「ただ逃げろ」だけの避難命令で被ばくを余儀なくされた多くの子どもたちや「ただちに人体に影響を及ぼすものではない」官房長官発言。とにかく全文を読んでみる必要がありそうです。

来年に夏に予定されている最終報告、どんな内容で決着していくのか、危うさを感じます。浜岡原発12月再開とする推進派の動きを後ろから支える可能性も残されました。福島の現実と照らし合わせての「検証」が必要です。