旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

ラベンダー紀行 八戸→上野

2004-09-08 09:04:24 | ラベンダー紀行
新幹線「はやて28号」 (八戸)

「スーパー白鳥」から降り、駅名標を見る。次の上高岩が青い森鉄道線として表記されている。八戸は東北新幹線八戸開業の前月、平成14年(2002)11月に訪れて以来である。あの時は試運転する新幹線を見るため駅に人が集まっていた。そして今はなき特急「はつかり」で盛岡に向かった。今日、初めて八戸から新幹線を利用する。新幹線乗換口の自動改札機を通る。10両編成の新幹線が待っていた。E2系という車両である。普通車は2人掛、3人掛で東海道・山陽新幹線の700系(レールスターを除く)を思わせる車内である。

18時55分八戸発。特急「はつかり」を撮影した上高岩付近もすぐに通過してしまう。今は何とか外が見えるが、もうすぐ見えなくなるだろう。初めて乗る区間なのに存分に車窓が楽しめなくて残念である。二戸、いわて沼宮内と延伸区間のすべての駅に停車する。乗客も多いようだが、「はやて」は1時間に1本の運転で、通過する列車もあるから、途中駅では利用できる列車も限られているはずである。

さて、車窓をあきらめて「大沼だんご」を賞味する。醤油とあんこの団子で素朴な味がした。新幹線で食べるより、函館本線をキハ40のボックスシートで駒ヶ岳を見ながら食べた方がふさわしい。車内放送で秋田新幹線「こまち」が遅れているという。盛岡でこの「はやて」と連結して東京まで運転するが、その「こまち」が来ないと困る。不心得であるが「おいてけー」なぞと思う。19時33分盛岡に到着する。駅前のあのあたりに盛岡冷麺の店があってなぞと思っていると、「こまち」が到着したようである。わずかな遅れで発車した。「こまち」は頑張って随分遅れを取り戻したようだ。「おいてけー」なぞと思って悪かった。

「こまち」6両編成を加え、16両編成になった「はやて」「こまち」は東京を目指す。この後の停車駅は仙台、大宮、上野である。東海道・山陽新幹線なら夜に乗っていてもどのあたりを走っているか判るが、あまり乗らない東北新幹線ではよく判らない。仙台は停車するし、大都市だから判るが、あとは福島の通過が判ったくらいである。車内販売で買った缶ビールを飲んでウトウトする。目を覚ますと埼玉県内を走っていた。3人掛の窓側の席に座っていたが、隣の2席が埋まる事はなく、大宮に到着した。大宮から新潟行の新幹線に乗ったのは3日前である。

大宮を発車して、ゆるゆるとさいたま市内を走る。埼京線が併走している。荒川を渡り東京都に入り、やがて日暮里付近で地下に潜り、上野に22時02分到着。新幹線ホームから長いエスカレーターを乗り継いで地上へ上がる。改札で帯広→東京都区内の乗車券に無効の印をもらい、切符は持ちかえる。これで旅は終わった。

この後、家に戻るべく常磐線のホームに行く。非常に暑い。車両の側にいるから暑いのかと思ったがそうではない。駅から家への道を歩くのも暑い。平成16年7月20日は関東地方で何と摂氏40度を超える気温を記録していた。夜になっても気温があまり下がらないのだ。北海道から帰ってきた事が悔やまれた。 (おわり)


ラベンダー紀行 函館→八戸

2004-09-07 23:51:39 | ラベンダー紀行
特急「スーパー白鳥28号」 (函館)

15時40分函館発。「スーパー北斗」はディーゼルカーであったが、「スーパー白鳥」電車である。五稜郭で函館本線と分れ、単線の江差線に入ってゆく。もともと江差線は非電化であったが、昭和63年(1988)の青函トンネルの開通(海峡線の開業)にあわせて電化され、ローカル線から特急列車や長大な貨物列車の走る路線となった。普通列車はワンマン運転のディーゼルカーが走っている。あまり高速で運転できないが、車窓に見える函館山や津軽海峡は素晴らしい。今はなき快速「海峡」の下り列車で、後方の車両に乗って車窓を眺めていると、津軽海峡に面した高台を列車がカーブでくねりながら走り、一番前では電気機関車が牽引しているのが見え、暮れてきた海を見ると漁火と函館山が見えたものである。

渡島当別を通過。札幌で購入したお土産のトラピストクッキーのトラピスト修道院の最寄駅だが訪れた事はない。ここは男子修道院であるが、函館市内にトラピスチヌ修道院という女子修道院があり、こちらは建物や前庭を拝見した事がある。函館空港に近いせいか、団体客が多かった。

列車は最初の停車駅木古内に到着。ただし単線だったので、ここまでに列車交換で運転停車はあった。この先の海峡線は北海道新幹線も走行する規格で建設されている。むろん複線である。特急列車は快走する。しかし次の停車駅知内に停車。ここは無人駅だが、道の駅が隣接されており、道の駅のほうを訪れた事がある。施設内では当地出身の歌手、北島三郎氏の歌が流されていた。知内を発車するといよいよ青函トンネルの入口はすぐである。このあたりの景色は私が最初に見た北海道でもあるのだ。最近フェリーでの北海道が多かったので、久しぶりの青函トンネルである。列車はトンネルの闇に入っていった。

「スーパー白鳥」の車両は気密性を高めてトンネル内でも快適であるとの事だったが、よくわからない。つまりトンネル外と同様に快適という事だろう。しばらく走ってトンネル内の吉岡海底に停車。もともと防災用の定点として建設されたが、トンネル開業と同時に見学用の海底駅となった。地上には出られない。薄暗い狭いホームから見学客が乗車してきた。トンネルの中央を通過。目印に青や緑の光が放たれているので、夜間でもトンネルの出入口や中央部は判るようになっている。やはり見学用の竜飛海底駅を通過。こちらは地上に出て、青函トンネル記念館を見学できる。世界一の長さだけにトンネル内を走っている時間も長い。ようやくトンネルから出る。津軽今別を通過し、中小国を通過する。海峡線はここまで、JR北海道もここまで。単線の津軽線に入ってゆく。本州最初の停車駅蟹田でJR東日本の乗務員と交代していた。

津軽線から見える海は青森湾である。風景も北海道と変わり、東北らしくなった気もする。それにしても車内は空いている。列車交換の運転停車もあり、17時37分青森着。ここで列車の進行方向が変わる。このまま行けば海に落ちるからだ。そちらには青函連絡船の乗り場があり、貨車も航送していたのだろう。この青森で客がドッと乗りこみ、自由席はほぼ満席となった。東北の特急列車らしくなった。青森発17時43分。複線電化の東北本線を快走する。快適な東北本線だが、途中に野辺地、三沢に停車すると、1時間足らずで18時40分、終着の八戸に到着した。 (つづく)


ラベンダー紀行 函館

2004-09-06 02:04:12 | ラベンダー紀行
函館本線 函館駅 (北海道函館市)

函館に到着して改札口に向かう。乗車券の帯広→東京都区内には、函館とひとつ手前の駅の五稜郭との間は経路に含まれていない。分岐点通過列車に対する区間外乗車が五稜郭-函館で認められているので、札幌からの特急と八戸行の特急を函館で乗り継ぐ事に何の問題はない。問題があるようでは困る。しかし途中下車はできないとある。札幌からの特急の函館着は14時04分。八戸行の発車は15時40分。この間に遅い昼飯を食べたい。区間外となる五稜郭-函館の運賃(200円)を支払って改札を出るつもりで改札口に向かった。しかし改札氏はそのまま改札を通らせてくれた。これは乗り継ぎ列車まで相当時間があり、改札内に待合室がない事から、改札外にある待合スペースを使えるように便宜を図ってくれているものと解し、ありがたく出場した。

さっそく昼食にする。函館駅は昨年から新駅舎になったばかりで、新しくなってから初めての函館である。前の駅舎は昭和17年(1942)からのもので、青函連絡船が廃止となってからも往時を偲ばせるようで、何度も利用したし、親しみがあった。昭和を思わせる食堂も何軒か入っていた。新駅舎では2階に飲食店が入っている。エスカレーターで上がる。今回の北海道でまだ食べていなかったラーメンにする。生ビールも注文する。後でメニューを見なおしたが、新撰組に関する名前を付けたラーメンもある。NHK恐るべし。ラーメンは格別でもなかったが、ここからの眺めは良い。目の前に朝市と函館山が見える。ちなみに函館山からの夜景は文句なく美しい。ロープウェイやバスで山頂に登る事ができる。昼間に登っても良いが、夜景の方がおすすめである。山にぶつかった空気が、雲だか霧だかを発生させるのだが、霧が晴れて突如下界の夜景が見えはじめた時なぞ、息を呑むような美しさである。

今日は時間もなく、函館山には登れないが、海のほうを歩いてみる。青函連絡船の摩周丸が係留されているのである。内部は記念館として公開されている(有料)。青函連絡船には昭和63年(1988)に乗船している。青函トンネルの開通で廃止となった青函連絡船だが、この秋まで臨時便を運航していた。9月に利用したのだが、夏に青函トンネルで初めて北海道を訪れたので、順番が逆である。9月上旬なのに函館の高校生が冬服を着ていた事に驚いた。

向うの埠頭に見覚えのある客船が停泊している。昨年岩国港に寄港していた「飛鳥」でないかと思う。旅行から戻って、「飛鳥」のスケジュールを見ると、やはりそうであった。縁遠いような豪華客船ではあるけれど、数日くらいの航海もあるので、百万円も出さなくても利用できるそうである。フェリーの船旅では寝てばかりいるけれど、豪華客船の船旅はどんなものだろうか。

海の側を離れて駅へ戻る。函館には路面電車が走っている。競馬場や湯の川温泉をはじめ、市内の観光スポットへの移動にも便利である。その電車に乗る暇もない。新駅舎を眺める。DSB(デンマーク鉄道会社)との共同ワークだそうだが、何ともモダンなデザインである。そのうちに函館の風景に溶け込んでゆくのだろうか。駅前も整備中で、まだしっくりこない。1階の売店に山川牛乳を売っている。山川牛乳は大沼で製造されているのだが、函館駅で売っているとは知らなかった。大沼公園駅で飲んだ事がある。1本購入する。瓶である。蓋の裏に乳脂肪分が固まっている。まずそれを舐めてから飲む。旨い。函館周辺はみどころ一杯である。食べたいものもラーメンや牛乳だけではない。函館で1泊するべきだった。

名残惜しいが函館駅の改札に入る。八戸行特急「スーパー白鳥28号」は既に入線している。札幌からの特急が到着するまでに車内に入り、海側の座席を確保する。札幌から1本早い特急で函館に来た訳だが、その分だけ函館を楽しむ事ができたと思う。「白鳥」は大阪-青森という昼行の特急列車としては1,000キロを超える最長距離にして、12時間を超える最長時間の列車だったが、惜しまれながらも平成13年(2001)に廃止されてしまった。廃止の直前に青森から大阪まで乗車したが、夜明け前に雪を踏みしめてホテルから青森駅へ向かい、夜の大阪に着いた時には暖かい気がさえした。平成14年(2002)に八戸-函館の特急として「白鳥」は復活した。青森という接点はあるが、どうなんだろう。 (つづく)


ラベンダー紀行 札幌→函館

2004-09-05 23:58:15 | ラベンダー紀行
特急「スーパー北斗10号」 (函館)

平成16年7月20日火曜日。今朝もホテルの軽食のおにぎりを食べる。無料でありがたいけれど、朝食バイキングも食べたいなと思う。チェックアウトして地下鉄で札幌駅へ向う。ゆっくりしたい気持ちもあるが、今日のうちに上野まで帰ってしまおう。特急券を買うと8,000円もした。小樽-新潟間の2等寝台よりも高い。しかもフェリーは運賃込みでこの金額より安いのだ。でも帰りは鉄道でなければいけない。まだ乗ったことのない東北新幹線盛岡-八戸間に乗車しようと思うのだ。新幹線「はやて」は全車指定席だが、席はとれた。札幌から函館まで特急「スーパー北斗」、函館から八戸まで特急「スーパー白鳥」、八戸から上野まで新幹線「はやて」の利用となる。ちなみに「はやて」は東京まで行くが、私は常磐線に乗るので上野で降りる。

まだ時間があるので、お土産を買う。トラピストクッキーにする。札幌土産ではないが、函館を出発した「スーパー白鳥」が近くを通るから良いだろう。駅にある特定郵便局が10時に開くのを待ってお土産を送る。エクスパック500を利用する。これは料金が全国一律500円で、専用封筒に詰め放題である(重量制限30キロ)。余程比重の重いものを入れないと30キロも詰められないだろうが、クッキーの缶を入れるには最適である。九州にも送りたいので、全国どこでも500円は魅力である。PCから追跡もできる。荷物も送り、発車を待つばかりとなった。まだ少し時間があるので、ドトールで札幌の街を見ながらアイスコーヒーを飲む。次に札幌を訪れるのはいつだろうか。

特急「スーパー北斗10号」の発車時間が近づいた。昨日買った乗車券では札幌から入場できない。区間外となる札幌→白石の乗車券(200円)で入場し、エンジンを響かせて待っている列車に乗車した。車内は空いている。ホームの自動販売機でガラナを買ってくる。10時52分、高架駅の札幌を発車。複々線のまま地上に降り、札幌の街を走る。函館本線と分れ、再び高架線になり、新札幌着。北海道では有名なタレントを起用した広告が構内にあった。札幌市外に出ると森の中を列車は走り、寝台特急「北斗星3号」とすれ違った。

南千歳着。仕事で出張らしき客が乗りこんでくる。飛行機からの乗り換えであろう。乗車率が幾分良くなったが、東室蘭でその客らも降りてしまう。わずかな客を乗せ、白鳥大橋の下をくぐってゆく。洞爺で温泉へ向うであろう客も降りて、いよいよ空いてきた。車窓も寂しげである。長万部、八雲で少し客が乗ってくる。少ない客で気の毒だが、車内販売はまわってくる。車内限定のおつまみを買い、自分の土産にする。そして前から気になっていた「大沼だんご」を注文する。途中駅、大沼公園で積み込むという。以前、函館行の特急に乗っていたら、大沼公園からこの「大沼だんご」を車内販売し始めたが、これを買う乗客が多かった。函館までわずかな時間なので、車内で食べるのではなく、持ちかえるのであろう。

森で噴火湾と分れて山間に入って行く。駒ヶ岳の裾野を右へ左へカーブしながら列車は登って行く。やがて山と森と湖に囲まれた大沼公園に到着した。函館まで行く機会があれば、是非とも訪れて欲しい美しいところである。大正には新日本三景に選ばれている。トンネルを抜けて、函館の街へ列車は下って行く(上り列車だけど)。遠くに函館山が見えてきた。入手した「大沼だんご」はこの列車では食べずに、あとのおやつにする。「岡蒸気に乗って大沼に来る観光客のおみやげとして」、明治38年(1905)創業と掛け紙にあり、来年で100年を迎えるのだ。今日も「大沼だんご」を買い求める乗客が見られた。14時04分、終点の函館に到着した。改札へ向う途中で見た先頭車両は広告塔さながらであった。 (つづく)


ラベンダー紀行 札幌

2004-09-04 09:27:21 | ラベンダー紀行
函館本線 札幌駅 (札幌市中央区・北区)

今夜の宿は札幌とする。しかしホテルは決まっていない。北口にあるコンビニエンスストアへ行く。店内の情報端末でホテルを探すためだ。ふと、端末機の上を見上げれば、某ローカル番組のディレクターのサイン色紙が飾られている。恐るべし。気を取り直してホテルを探すが、思っていた価格のホテルが見つからない。駅に戻り、電話帳をめくるが、考えるのが面倒になって、昨夜泊まったチェーンのホテルに電話予約した。地下鉄でホテルへ向う。さっそく南平岸で購入した「共通ウィズユーカード」が役に立つ。東豊線で豊水すすきの下車。以前ここに泊まった事がある。昨夜より料金は高いが、部屋は少し立派。でもキッチンがあっても使わないから安くてもよいのだが、このタイプの部屋しか空いていなかった。

荷を部屋に置くと、さっそく出かける。地下街ポールタウンにあるお店に行きたいのだ。途中ですすきのの歓楽街を通る。以前より客引きは激しくない。何らかの条例でも出来たのだろうか。それでも声は掛けられた。地下街に逃げ込み、お店に到着。そこには昨夜帯広で購入したDVDも販売しており、初めからここに来ればよかった気もするが、帯広でDVDを買ったという事に趣があるような気がしないでもない。ここでは上記の某ローカル番組のグッズなどを購入した。袋に入れてもらったが、黄色いキャラクターが目立つもので、なかなか恥ずかしい。

今回の北海道旅行でする事がひとつ残っている。札幌で是非食べておきたいものがあるのだ。ラーメンでもジンギスカンでもない。昨年の旅行ではエスカロップであったが、今年はスープカレーである。はなまるで紹介していて旨そうだと思い、札幌に行ったら是非食べようと思っていたのである。スープカレーとは何か。注文すると、カレーとご飯が供されるが、そのカレーがスープなのだそうだ。狸小路や地下街で適当なお店を探しているうちに札幌駅まで戻ってしまった。駅にある飲食街にスープカレーの店を探すとすぐに見つかった。生ビールとチキンのスープカレーを注文する。生ビールで喉を潤しているうちに、スープカレーが登場。店員に食べ方を確認して、匙にご飯をすくい、次にスープカレーに浸して口に運ぶ。旨い。カレーにとろみは無く、まさにスープである。具のチキンであるとか野菜がお皿の真ん中に置かれ、周りにスープが張られている。具は具で味わい、スープはスープで味わい、そこへご飯を絡めていく。正しい食べ方だったかは知らないが、おいしく頂戴した。今後、札幌へ来れば1食は食べるであろう1品となるはずだ。全国にも広まって欲しい。

再び地下鉄に乗り、ホテルに戻る。大通公園でビアガーデンをしていれば、立ち寄り飲んでゆくのだが、まだ始まっていないものは如何ともし難い。ホテルで鮭とばでビールを飲んで、早々に寝てしまった。 (つづく)