旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

最後の九州ブルトレ紀行 朝の下関

2009-03-21 18:03:00 | 列車の旅

朝食バイキング(1,000円) レストラン「シャングリ・ラ」
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平成21年2月17日火曜日。下関のホテルで目覚める。このホテルにした理由は第一に駅から近いという事だが、第二に朝食にふく、もしくはくじらが出るのである。今朝はふくである。文中に「ふく」とあるが、下関ではフグを濁らずに「ふく」というらしい。やっぱり下関でもフグと濁るという話も耳にする。山口県内の岩国ではフグであって、「ふく」なぞ聞いた事はない。さて、せっかくのふくだが、昨夜はふくめしだったので、一尾だけ頂戴する。ふく雑炊もあったのだが、納豆を食べるために白飯にする。朝食に満足したところで、部屋でゆっくりしたいが、そろそろ駅へ向かう。勘定を済ませてチェックアウトする。


案内板の下の情報を見逃していた! (下関)

小倉までの乗車券(270円)を購入し、自動改札機から入場する。寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕の入線する4番線の向かい6番のりばへ。5番線は中線となっている。プラットフォームの門司方へ行くと、先客が数人、カメラを構えて列車を待っている。自分はコンパクトカメラで恥ずかしいが、用意をする。小雨が降っており、寒い。列車の入る4番のりばには親子連れの姿も見られる。そろそろかと思っていると、プラットフォームに放送が流れる。〔富士〕〔はやぶさ〕は一時間遅れとの事。分かっていればホテルでゆっくりしていたのに。列車の写真でも撮って時間をつぶす。


JR九州所属の415系車両 (下関)


みすゞ潮彩JR西日本所属のキハ47形車両 (下関)


JR西日本所属の117系車両 (下関)

一時間後、改めてプラットフォームの門司方へ。やはり向かいには親子連れがやって来た。おまわりさんもやってきた。この列車のためだけに店を開けているという売店も準備が整ったようだ。警備の人が列車を待つ撮影者に注意を促している。こちらのプラットフォームに向かい、拡声器で「6番線のお客さんも気を付けてください」と呼び掛けるので、こちらもうなずく。なかなかいい雰囲気。寒い中待った列車が、ようやく入線して来た。


寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕 1列車 [EF66 42号機牽引] (下関)
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今朝も下関祭が始まった!!

昨日はあちらのプラットフォームで〔富士〕から出てきたのに、今日は向かいのプラットフォームにいる。我ながら酔狂だと思う。昨日の繰り返しとなるが、下関で機関車を付け替える。直流の電気機関車EF66が切り離される。


機関車が切り離された寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕 1列車 [14系客車]


今日もEF81 411号機が連結された!

交直流の電気機関車EF81が連結される。写真を撮っていた乗客は急いで客車に戻り、列車は九州へ向けて出発していった。自分も再び九州に向かう。 (つづく)


山陽本線 普通 5237M列車 [415系車両] (下関)
いずれも平成21年2月17日撮影

山陽本線 普通 下関(9:53)→門司(10:00) クハ411-223

最後の九州ブルトレ紀行 下関で一泊

2009-03-08 11:49:03 | 列車の旅

下関東急イン (山口県下関市竹崎町)

下関に宿泊するのは平成になって初めてである。厳選して予約したホテルにチェックインする。東急インは北海道ではよく利用したが、久しぶりの利用となる。シャワーを浴びて、テレビを見ながら寝台に横になる。まだ寝る訳ではない。


全室高速LAN回線(最高速度100Mb)だそう。

テレビはアナログだった。山口県と福岡県の全チャンネルが映るのかと思っていたが、そうではない。TVQ九州放送が映らない。まあ他県の放送局ではあるが。基本的にはNHK総合を見るので構わない。こちらは山口放送局の他に、北九州放送局の総合テレビも映る。せっかくなのでJOSK-TV(北九州総合)を見る。東京の外の様子は薄暗くなっているが、下関はまだ明るい。東京からの番組が関嶋さんなし(関東甲信越のみ)で終わり、北九州からの番組となる。福岡県内には福岡放送局もあるが、北九州からニュースをするのだ。久しぶりに後藤アナウンサーを見る。


空調の設定温度が73度!華氏か?→摂氏にできました!


特別急行・急行専用の案内板が! (下関)

ニュース7もそこそこに、ホテルを出て駅へと向かう。半井さんも見ずに出掛けるのは訳がある。熊本と大分を出発した上りの寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕が下関に到着するのである。駅に近い宿を厳選し、東急インを選んだ理由のひとつである。入場券(140円)を購入し、入場する。発車案内板の一番左は特別急行・急行用だが、〔富士〕〔はやぶさ〕が唯一の特別急行である。電気は消してあるが、臨時快速〔ムーンライト九州〕の文字も見える。


今宵の機関車EF66が所定の位置に向かいます! (下関)

今夜の2列車を牽引する機関車FE66 53号機が幡生方へ走ってゆく。風が強く冷え込んできた。列車を待つ車掌さんも寒そうだ。2列車は2分遅れとの放送が流れる。そして情報通り、定刻の19時22分より2分遅れて2列車が入って来た。


下関夜祭開催中! (下関)

下関で写真を撮るため待っている人は少なかったが、列車が到着すると機関車の付け替えを撮る為、多くの乗客が先頭車両付近に集まってきた。中高年の人が多い気がする。団体さんも多いのだろう。機関車がEF81 411号機からEF66 53号機に付け替えられる。そして夜の山陽本線を東京へ向けて走っていった。


下関駅弁当 下関名物元祖ふくめし (1,300円→650円半額セール♪

入場券で出場して、晩飯はどうするかと考えていると、駅弁売場があった。うどん店も併設で、ふく天うどんも考えたが、駅弁の方に目をやると「半額セール」とある。もう閉店時間となるので半額なのだそうだ。せっかくなので、ふくめしを購入する。ホテルへ戻り、自動販売機で缶ビールと水を買って、部屋に戻る。


ふくの容器!

では、さっそく♪


中身はこんな感じ!  ※画像をクリックすると大きなサイズで表示します。
いずれも平成21年2月16日撮影


ふぐも唐揚あり、酒粕焼ありと多彩でおいしい。内容を考えると定価1,300円は仕方がないのかも知れないが、たぶんそれだと手が出ない。半額でよかった。それにしても眠い。ニュース845北九州を見て、寝る事にした。 (つづく)

【動画】 寝台特急〔富士〕〔はやぶさ〕(下関)
[[youtube:gTsxHWDMJv8;hl=ja&fs=1]]

最後の九州ブルトレ紀行 ソニック

2009-03-08 11:17:16 | 列車の旅

日豊本線 普通 630M列車 [815系車両] (大分)

食事も済ませたところで大分をあとにする。ゆっくり普通列車を乗り継いで帰ってもいいが、ここは九州。在来線特急が頻繁に走っている。大分から小倉までは営業キロ132.9で、B自由席特急料金は1,370円。100キロまでなら料金は920円となる。小倉までの営業キロが99.2の杵築まで普通列車で移動して料金を節約する。B自由席特急券は大分駅の指定席も買える自動券売機で予め購入しておく。新松戸-大分間の往復乗車券のかえりの切符を自動改札機に投入して入場する。別府湾の眺めを普通列車の窓から存分に楽しもうと思ったが、普通列車中山香行二両編成の車内はロングシートだった。とりあえず海側に座るが、窓を背にする格好である。ガラガラなら構わないが、隣に人が座ったので、振り向いて車窓を眺めにくくなった。

日豊本線 普通 大分(14:16)→杵築(14:52) クモハ815-18

西大分-東別府間で線路は海沿いに出た。ロングシートから立ち上がって、扉に移動して窓外を眺める。山側を走る上り線は、海側の下り線より隧道が多いのか、時々景色が遮られてしまう。ロングシートの山側の席に座っていた関西人と思われる若い女性が、やはり立ち上がって扉の側へ行き、写真を撮っている。列車は別府に到着。多くの客が下車する。関西人のおねえちゃんも、おばあちゃんらしき人を連れて降りた。別府は曾遊の地で、地獄めぐりをしたことはあるが、温泉には入った事が無い。別府からも降りたくらいの数の乗車があり、ガラガラとはならない。日出から海を離れて山間に入る。線路も単線となる。日豊本線は小倉-大分間ではほとんど複線だが、立石-中山香間と杵築-日出間で単線が残る。大分以南は終点の鹿児島まで単線である。各駅で客が降りてゆく。八坂川を渡って杵築に到着、下車する。


日豊本線 杵築駅 (大分県杵築市大字八坂字野添)

改札兼窓口氏は窓口応対中だったので、乗車券をそちらに向け、「途中下車します」と言って改札を抜ける。洗面所を借りる。特急料金節約のための途中下車だったが、杵築駅の駅舎の意匠が何ともいい。往路で〔富士〕運転停車中に見た「サンドイッチ型城下町」の文字も気になるし、杵築は一度ゆっくり訪問してみようと思う。窓口応対も一段落した改札兼窓口氏に乗車券を見せ、特急券に入鋏の印をもらって入場する。これで杵築から乗車した証拠になる。


プラットフォームには雛飾りが! (杵築)


懐かしい駅名標! (杵築)


特急〔ソニック38号〕 3038M列車 [885系車両] (杵築)

山間の小さな駅と思いきや、特急の利用客は多い。博多・小倉-大分間の特急〔ソニック〕は概ね一時間に二本の運転だが、うち一本は杵築を通過するので、一時間に一本の停車となるようだ。到着した〔ソニック38号〕の写真を撮る。先頭車両の前側には乗務員用の扉しかなく、後側の客席の扉に走って行き乗車する。思いも寄らずに駆け込み乗車となってしまった。途中の停車駅で同様の撮影者を見掛けたので自分だけが慌てたのではない。車体にはKAMOMEのロゴがある。平成16年11月21日、今は無き寝台特急〔さくら〕に乗った帰り、長崎から特急〔かもめ〕には乗った事がある。普通車自由席なのに本革製の座席で、グリーン車に間違えて入ったのではないかと確かめたくらいである。今日もその豪華な座席に身を沈める。さっそく車掌の検札を受ける。特急料金をケチって悪かった気もするくらいである。車窓を眺めていたが、あまりの快適さに車内放送にハッと気付けば、北九州市内を走行中だった。新幹線、鹿児島本線が見えて、小倉に到着した。

特急〔ソニック38号〕 杵築(15:03)→小倉(16:07) クモハ885-7


普通車にしてこの豪華なシート! [885系車両]
以上、平成21年2月16日撮影


臺鐵 縦貫線 自強號 2035次 〔太魯閣號〕 [TEMU1000型] (台北)
民國96年(2007)11月27日撮影

一昨年、885系と似た車両を台湾で見ている。臺鐵TEMU1000型〔太魯閣號〕である。JR九州の885系がベースとなっており、ともに日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)の製造。〔太魯閣號〕にはTarokoのロゴがある。見ただけで乗る機会はなかったが、今度は乗りに行きたい。


鹿児島本線 普通 5562M列車 [415系車両] (小倉) 平成21年2月16日撮影

小倉では向かいのプラットフォームに下関行が停まっている。常磐線で馴染みのある415系。ただし、車内はロングシートになっていた。小倉を出ると、次は門司に停車。交直転換で車内灯が消えるのも懐かしい。E531系では取手-藤代間で灯りが消えない。海底トンネルを貫けて、福岡県から山口県に戻ってきた。終着の下関に到着。乗客には学生・生徒も多く、下関は北九州地区なのだと実感する。

鹿児島本線・山陽本線 普通 小倉(16:14)→下関(16:28) クハ411-123


中国地方で最初に自動改札機が導入された駅! (下関)
平成21年2月16日撮影

改札の女性に特急券を渡し、乗車券には途中下車印をもらって出場する。大分から下関までJR九州の路線だったが、ここ下関はJR西日本広島支社の駅である。新幹線よりも早く、中国地方で最初に自動改札機の入った駅だが、ICOCA等のIC乗車券は使えない。3月からサービスを開始するJR九州SUGOCAの利用エリアにも入っていない。


山陽本線 下関駅 (山口県下関市竹崎町) 平成21年2月16日撮影

平成18年1月7日に下関駅舎が放火で消失して以来、下関で下車していなかった。最後に下関に来たのは、平成16年の大晦日に岩国から立席特急券で寝台特急〔あさかぜ〕に乗った時以来である。消失後、プラットフォームから駅舎が無くなっているのを確認しているが、実際に降りてみて駅舎が無いのはやりきれない。地元の下関市民の無念さはいかばかりか。駅の入口には駅舎の三角屋根を模したデザインが見られる。今夜は下関で一泊する。 (つづく)


山陽本線 下関駅 (山口県下関市竹崎町) 平成16年12月31日撮影

最後の九州ブルトレ紀行 大分到着

2009-03-01 22:02:19 | 列車の旅

車窓には別府湾と別大国道(国道10号) (東別府-西大分)

門司を出発した列車は鹿児島本線を走る。北九州貨物ターミナル駅を見て、小倉に到着した。先行する〔はやぶさ〕も小倉に停車し、出発していったはずだ。小倉を出発すると日豊本線に入り、並行する鹿児島本線と西小倉で別れ、小倉の街の中心部をぐるりと回るように走る。JR九州小倉工場が見える。城野で日田彦山線が分かれていく。車窓がだんだん長閑になってきた。東九州自動車道苅田北九州空港ICが見える。連絡道路が空港へ続いているが、空港は見えない。行橋に到着。きれいな高架駅。向かいのプラットフォームには小倉方面へ向かう客が列車の到着を待っている。プラットフォームの端っこには平成筑豊鉄道田川線の乗り場がある。

行橋を出発すると、田川線が分かれてゆく。山国川橋梁を渡り、福岡県から大分県に入る。そして中津に到着。ここも高架駅。次の停車駅は宇佐。一昨年の正月、徳山から立席特急券で〔富士〕に乗り、宇佐神宮に初詣に来ている。その時はちっとも混んでなかったが、今日の〔富士〕は大勢の乗客が乗っている。

宇佐から先は十数年も通っていない。西屋敷を過ぎると長いトンネルに入る。大分県に入っても旧分国では小倉と同じ豊前国だったが、いよいよ豊後国に入る。地図を見ると新立石トンネルとあり、下り線だけが長いトンネルの新線のようだ。上り線はもとのまま。通過駅の駅名標に中山香とある。チュウザンコウ?チュンサンシャン?音読みのほか、なぜか中文で読んでしまったが、「なかやまが」が正解。中・山香か。宇佐の次の停車駅は別府だが、杵築で運転停車。後続の特急〔ソニック9号〕の通過待ち。容赦ないダイヤだ。扉は開かないが、外を眺めていると「サンドイッチ型城下町」の文字が見える。どんな城下町か想像がつかない。〔ソニック9号〕が走り去り、〔富士〕が出発する。杵築を出た後、グッとカーブして第六八坂川橋梁を渡る。景色が素晴らしい。坂を下ってきて、別府湾が見えてきた。〔富士〕の旅は、最後に絶景が待っていたのだ。


通り過ぎた別府の街も見える! (東別府-西大分)

日本有数の温泉地、別府に到着。この先は平成元年以来、通っていない。その時は進行方向右側(山側)の席だったのか、絶景を見た印象がない。今日は海側をしっかり見てみる。寝台のボックスから出てきて、多くの人が別府湾の青い海を見ている。


海上には、さんふらわあの姿も! (東別府-西大分)


終着の大分に到着!

東京を昨日の18時03分に立ってから、17時間14分。とうとう終着の大分に着いてしまった。食堂車もロビーカーも無かったけど、退屈することも無く、案外短く感じたくらいである。24時間以上掛けて、西鹿児島まで走っていた頃に乗ってみたかった。


寝台特急〔富士〕 1列車 (大分)


高架化が進むが、日豊本線と改札は地上のまま! (大分)

回送となった〔富士〕を見送って出場する。改札の女性に乗車券と特急券・B寝台券に無効の押印をしてもらい、記念に持ち帰る。インクがちと薄い。


日豊本線 大分駅 (大分県大分市要町)

平成元年に訪れているのだが、記憶がちと薄い。L特急〔にちりん〕から急行〔火の山〕に乗り換えの間、駅構内のにっしょく九州の食堂で昼食を済ませただけだったが。


府内城跡 (大分県大分市荷揚町)

今日はお城の跡まで歩いてみる。気持ちのよい街並みである。しかし風が強い。そして選挙カーが騒々しい。お城の見物もそこそこに駅へと戻る。途中に立派な建築物を目にする。


大分銀行赤レンガ館 (大分県大分市府内町)

旧二十三銀行(現大分銀行)本店として明治43年(1910)着工、大正2年(1913)完成。設計は辰野金吾氏だそう。


とり天定食(830円) 梅の家 (大分駅構内)
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いずれも平成21年2月16日撮影


駅前のインターネットカフェでブログを更新する。駅に戻り昼食にする。朝からビールを飲んだので、昼はやめておく。大分名物という、とり天の定食を注文する。鶏の唐揚げとは違うらしい。なかなか美味しい。ここでビールを飲むべきだった。 (つづく)