旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

乗りつぶし台湾 普悠瑪號

2014-05-26 10:00:00 | 台湾日記

朝食バイキング

中華民國102年11月26日星期二(火曜日)、台北の定宿で目覚める。地下にある食堂で朝御飯。朝食はもちろん宿泊料金に含まれている。やっぱり御飯に味噌汁。


item10 デザートにバナナ

当然、台湾バナナだと思うが、もしやフィリピン産ではあるまいな。


coffee コーヒーのミルクはスジャータでなかった!

食堂にはPCが置いてあるので、食後に使わせてもらう。勝手が違うので思いの外、時間が掛かる。向こうのPCでは日本人のグループが何か印刷するのに悪戦苦闘。ようやく印刷されてみれば、他の客が印刷しようとして諦めたe-Ticketが出てきたようだ。ゆっくりしていて予定より出発が遅くなった。連泊なので荷物は部屋に置いて、身軽になって今日は出掛ける。


悠遊卡 EASYCARD

IC乗車券の悠遊卡で地下鉄の捷運に乗る。これから臺鐵の樹林駅に向かうのだが、出来るだけ捷運を利用してみる。前回乗った時には新莊線の終点だった忠孝新生で下車する。新莊線は昨年に延伸開業して、途中駅となっていた。

台北捷運 新莊線 大橋頭(10:00)→忠孝新生(10:09) 1410
※ダイヤ不明のため実際の時刻。


新莊線の延伸開業で、中和線と直通運転!


板南線(南港線・板橋線・土城線)の車両 (忠孝新生)

新蘆線(新莊線・蘆洲線)から板南線に乗り換え。構内の広告には…


玉足の優って何?

「去角質足膜」とあるから、足の角質をとる商品なのだろう。


台北捷運の路線図(抜粋)

11月24日に信義線中正紀念堂-象山間が開業したばかり。今朝は樹林に向かう前に、いくつかの捷運の路線に乗ってみたかったが、PCで手間取ってすっかり時間がなくなってしまい、未乗車の路線に乗る余裕がない。板南線で新店溪の川底の下を抜けて台北市から新北市に入り、板橋で下車する。板橋から先は乗った事がない。

台北捷運 南港線・板橋線 忠孝新生(10:15)→板橋(10:30) 1119
票價 大橋頭→板橋 30元(悠遊卡24元) ※ダイヤ不明のため実際の時刻。


板橋の駅構内のクリスマスツリー!

板橋といっても中山道でも赤羽線(埼京線)でもない。板橋區は以前の台北縣板橋市で、新北市政府所在地となっている。板橋では乗り換えた事しかないので、詳しくは知らない。台灣高鐵(新幹線)、臺灣鐵路管理局縱貫線(在来線)、台北捷運板南線(地下鉄線)の集まる駅で、今日は臺鐵の縱貫線に乗り換える。台北付近の臺鐵でも悠遊卡が使える。「其票價享區間車票價9折優惠」とあるので、區間車の値段の9掛け(1割引)で利用出来る。自動改札機が設置されているが、悠遊卡には対応しておらず、有人改札の側の簡易改札機のような機械にタッチして入場する。

すでに月台(プラットフォーム)には區間車が入っている。捷運は空いていて座れたが、區間車は混んでおり、つり革につかまって板橋を出発する。捷運だけでなく、高鐵臺鐵の駅も地下にあり、板橋を出て暫くすると地上に出る。浮洲に停車。近年に出来た新駅と思っていたが、戦前にも浮洲驛はあったようで、復活という事になるのか。側をやはり地上に出てきた高鐵が通っている。大漢溪を揃って渡ると、高鐵の高架線と別れて、樹林に到着する。


縱貫線 1167次區間車 [EMU700型] (樹林)

flag1 日本車輌製造と、 台灣車輛で製造されているEMU700型。先頭車両の顔つきからスネ夫号と呼ばれているらしい。突き出たところには連結器が収納されている。銘板は確認していないが、今乗ったのは愛知県産ではなく、台湾産の方と思われる。

縱貫線 區間車 1167次 板橋(10:37)→樹林(10:43) 45EP723 票價15元×0.9


metro スネ夫号で樹林站到了symbol6


縱貫線 1184次區間車 [EMU600型] (樹林)

日本製でも台湾製でもない車両が多く走っている。


臺灣鐵路管理局 縱貫線 樹林車站 (新北市樹林區鎮前街)

悠遊卡で出場する。樹林の中の駅、という訳ではないが、駅前には大きな木が生えている。




駅頭の様子!


自強號 樹林→羅東(266元) ※普悠瑪 Puyuma Exp の表示あり

次に乗る列車の切符は、昨日のうちに台北で買ってある。今回の台湾旅行の最大の目的と言っていいだろう。〔普悠瑪號〕(プユマ号)の切符である。窓口で台北からの切符ではないのかと、何度も確認されたが、樹林からの切符を購入した。東京駅の窓口で、横浜から成田空港までの切符を買うような、京都駅の窓口で、大阪から福井までの切符を買うようなものである。これから乗る〔普悠瑪號〕は、始発の樹林を出ると板橋、台北と停車して、花蓮へ向かう。わざわざ始発駅まで来たのは、板橋、台北が地下駅で暗いのと、ゆっくり写真を撮っている時間がないからである。地上駅で始発駅の樹林では時間もあるだろう。


自動驗票閘門(自動改札機)の並ぶ剪票口(改札口)!

〔普悠瑪號〕の切符は予め購入しておいたが、最終目的地までの切符を持っていない。羅東で〔普悠瑪號〕を降りてから買えばいいと思っていたが、時刻表を見ると次の列車との乗り継ぎ時間が短い。そちらの切符も買っておくかと窓口に行くが、樹林からの〔普悠瑪號〕の切符を見せたせいか、払戻しか変更かと思われたらしく、窓口の女性に話が伝わらない。そもそも当方に語学力がないのが原因だが。わざわざ窓口を閉め、案内所の日本語の出来る係員のところまで連れてゆかれ、羅東から接続列車の切符が欲しい事がようやく伝わる。20元の切符を買うのにお手数を掛けて申し訳ない。切符も揃ったところで、駅構内にある7-ELEVENで啤酒と非常用におつまみも買っておく。それでは入場する。


出発案内には〔普悠瑪列車〕の表示はない!

〔普悠瑪號〕は臺鐵の列車種別では自強號(特別急行に相当)である。TEMU2000型車両が使われる自強號の切符には〔普悠瑪〕の表示があるが、あくまでも自強號。同様にTEMU1000型車両〔太魯閣號〕(タロコ号)もあくまでも自強號。新幹線〔ひかり〕と〔ひかりレールスター〕[700系E編成]の関係に似ている。〔ひかりレールスター〕はあくまでも〔ひかり〕。


縱貫線(西部幹線) 121次自強號 [E1000型] (樹林)

高雄行の自強號が通過してゆく。樹林は花蓮、台東方面の東部幹線の對號列車(全車指定席)の多くが始発、終着としているが、折り返しの都合でそうなっているだけで、特に主要駅でもないのか。西部幹線の大半の自強號は通過である。


振り向けばすでに入線していた!

花蓮からの列車が到着して、そのまま折り返すのだと、勝手に思い込んでいて、基隆方を見ていたのだが、高雄方から入線していた。危うく写真を撮る時間が無くなるところだった。乗り遅れたかも知れぬ。そういえば、樹林の先に車両基地があったな。


縱貫線(東部幹線) 222次自強號〔普悠瑪列車〕 [TEMU2000型] (樹林)

新幹線電気・軌道総合検測車926形S51編成〔East i〕(イースト・アイ)のような塗装。〔East i〕は実際に見た事はなく、在来線用のE491系〔East i-E〕(イーストアイ・ダッシュイー)しか見掛け事はないが。〔East i〕に旅客は乗れないが、こちらは大丈夫。


側面には East i ではなく、 TRA の文字kirakira2


flag1 NIPPON SHARYO 2013 JAPAN

銘板を確認。正真正銘、日本愛知県産です。名古屋の港までは、飯田線、東海道本線を機関車に牽引されて行くそう。帰国後に動画サイトにアップされている他の編成を拝見する。


臺鐵のロゴは、台の字にレールの意匠!




6 北迴線 花蓮


それでは車内へ!


デッキには自動販売機!奥はお手洗い!


大きな荷物置き場とオムツ交換の部屋!


TEMU2000型〔普悠瑪列車〕客室の様子!

新車の匂いのする車内。


TEMU2000型〔普悠瑪列車〕の座席!


座席間隔もゆったり! テーブルあります!←ここ重要


テーブルの裏には車内の案内が!


座席のポケット!

小物入れというより、他の客を見ていると食べ終えた弁当殻を入れるようなので、屑物入れのよう。売り子さんも、ここから弁等殻を回収してゆく。


テーブルを出した状態!

缶・コップを置く窪みが深い。ちなみに高鐵(台湾新幹線)のテーブルの窪みもこの位深い。新幹線は揺れないと思うが、この列車は振り子式で結構揺れる。


窓際にはドリンクホルダー!

一つは隣席の人用だが、誰も来なかったので二つとも使わしてもらう。


停車駅等の案内は画面で!

LEDの文字表示ではない。最新の列車なんだなと思う。


E5系新幹線普通車にも見られる可動式ヘッドレスト!

始発駅の樹林を出発。區間車で来た道を戻る。通勤電車でつり革に靠れて立っているのと、新型車両のリクライニングシートに腰掛けてみる車窓では趣も違う。しかし浮洲を通過すると、すぐに地下に潜ってしまう。地下駅の板橋、台北、松山に停車する。板橋は赤羽線に同名の駅が(東京都)、松山は予讃線に同名の駅が(愛媛県)ある。JR四国松山駅と臺鐵松山車站は友好駅協定を締結臺鐵では「台日同名の鉄道駅巡り」にまとめてある。中華航空にいたっては松山(台北)と松山(愛媛)とを結ぶチャーター便を飛ばしている。南港を通過して、列車は地上に出る。ようやく車窓が楽しめる。以前は地下だったのは台北-板橋だが、東へ地下区間が延びてきている。


臺鐵便當(弁当)を購入!

服務小姐が便當(弁当)の販売にまわってきた。さほどお腹も空いていないが、購入する。売っているのは便當だけで、啤酒を一緒に売ってるのを見た事がないので、乗車前に予め啤酒を買っておいたのだ。


臺鐵便當 排骨便當(60元)

お弁当は一種類しか積んでいないので、選ぶ事は出来ない。乗っているのは〔普悠瑪號〕(プユマ号)だが、お弁当の容器には〔太魯閣列車〕が使われている。掛紙ではなく、蓋が一体となった紙容器。記念に掛紙を持ち帰る訳にはいかない。蓋を千切っていくか?


中身はこんな感じ♪

この大雑把な盛り付けが臺鐵便當らしい。これはシンプルな内容のやつ。日本の国鉄・JRの特別急行なら当たり前のテーブルが、〔普悠瑪〕や〔太魯閣〕にも付いているのがありがたい。他の自強號、莒光號には付いていなかったので、お弁当の写真を撮るのも難儀するし、食べ終えるまで弁当箱を置く事も出来ず、一寸箸を置いてビールを飲むにしてもやりづらい。


大きな排骨がでーんと!

味付けはいいです。もう一枚の同じ色のようなのはお肉ではなくて、おあげさん。お弁当を食べ、ビールを飲み、車窓を楽しむ。列車は九份や平溪線への玄関口となる瑞芳に停車。車窓は川沿いから海沿いへと変わってゆく。残念ながら曇り空。


車窓には基隆河 (侯硐-三貂嶺)


太平洋岸に出た! (福隆-石城)


沖合いには龜山島が見える! (大里-大溪)

振り子式列車は揺れながらも高速運転して、宜蘭に到着する。月台(プラットフォーム)の向かいに區間車(普通列車に相当)が見える。羅東で乗り換える予定の列車と思われるが、時刻表を見ると宜蘭で追い越す予定ではない。それなら最初から宜蘭で乗り換える事にしている。どうも區間車は遅れているようだ。宜蘭を出発し、次の停車駅の羅東で下車する。


宜蘭線(東部幹線) 222次自強號〔普悠瑪列車〕 [TEMU2000型] (羅東)


metro 普悠瑪列車で羅東站到了symbol6

東部幹線 自強號 222次 樹林(11:20)→羅東(12:55) 45TEP2014 票價266元

このまま花蓮まで乗って行きたいけど、今日の目的地は蘇澳である。臺東線電化後は〔普悠瑪列車〕が臺東へ行くような話なので、楽しみはとっておこう。〔普悠瑪列車〕の切符にもハンコを押して、記念に持ち帰る。改札掛によると、やはり區間車は遅れているそう。出場して駅舎を撮ってきたいけど、區間車はさっき宜蘭にいたので、もう月台に戻る。


區間車 羅東→蘇澳(20元)


宜蘭線(東部幹線) 219次自強號〔太魯閣列車〕 [TEMU1000型] (羅東)

台北方面への〔太魯閣列車〕(タロコ号)が入ってきた。flag1 日立製作所笠戸事業所(山口県下松市)で製造されたTEMU1000型。山口県産で同郷という事になるか。先程乗っていた愛知県産の列車とは、羅東の手前ですれ違ったはず。台湾で活躍する日本産の列車たち。


JR九州885系車両がベースとなっている!

〔太魯閣列車〕には3年前に乗っている。


宜蘭線 4172次區間車 [EMU500型] (羅東)

遅れていた區間車が入線。窓を背にしたロングシート(ベンチシート)だが、空いているので進行方向を向いて車窓を楽しませてもらう。


metro 區間車で蘇澳新站到了symbol6

蘇澳新站、日本語でいえば蘇澳新駅。「蘇澳新」が駅名で、不思議な感じがする。新蘇澳站としたいところだが、高雄市の新左營站、台中市の新烏日站のような命名もみられる。


蘇澳新で宜蘭線から北迴線が分岐する!

宜蘭線は蘇澳新より港町の蘇澳へ至る。宜蘭線から南の花蓮方面へ鉄道を建設する時、終点の蘇澳からそのまま延ばすのではなく、蘇澳新より北迴線が分岐する形で建設されている。台北方面と花蓮方面との優等列車は蘇澳を経由しないので、蘇澳新-蘇澳間は枝線のようになっている。室蘭本線東室蘭-室蘭間、宇野線茶屋町-宇野間のような感じ。3年前に乗った自強號〔太魯閣列車〕は蘇澳新より北迴線に入るから、宜蘭線蘇澳新-蘇澳間にはまだ乗っていなかったのだ。一駅の区間だが、乗りつぶしにきたのだ。蘇澳新を出た區間車は北迴線と別れ、ゆるゆると谷間を走り、終点の蘇澳に到着した。


宜蘭線 4172次區間車 [EMU500型] (蘇澳)


metro 區間車で蘇澳站到了symbol6

宜蘭線 區間車 4172次 羅東(13:00)→蘇澳(13:20) 45EMC515 票價20元

まだ乗っていなかった林口線が昨年末に廃止となってしまったのですっきりしないが、たぶんこれで臺灣鐵路管理局の営業中の全線に乗ったと思う。

※中華民國103年(2014)1月9日、休止路線(廃止?)だった深澳線の一部区間(瑞芳-海科館)で旅客列車の運転が復活したので、ひと月ちょっとで臺鐵全線完乗ではなくなった。


線路はまだ海の方へ延びている!

宜蘭線の終着駅で大きな構内だが、月台は1面だけ。自強號、莒光號は1往復ずつで、莒光號は毎日運転ではない。発着する列車のほとんどが區間車である。


そろそろ出口へ…


駅舎内の様子!


いずれも中華民國102年11月26日撮影(切符及び悠遊卡の画像を除く)

駅舎は立派だが、売店もなくてガランとしている。あまり利用者は多くないように思われる。それでも外国人の姿も見える。ああ、わしもか。臺鐵乗りつぶしは達成した(当時)ので、引き返してもいいのだが、蘇澳の街をぶらぶらしてみる。 (つづく)