旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

東北6県完全制覇の旅 宮古で一泊

2006-10-30 05:00:15 | 列車の旅

山田線 宮古駅岩手県宮古市宮町

今夜の宿は予約してない。山田線や岩泉線に乗らずに、盛岡から帰ろうかとも思っていたのである。しかし午後7時をまわって宮古にいる。駅前の公衆電話で電話帳を見ながら市内のホテルに電話してみる。規模の大きなホテルは満室との事。気を取り直し、駅から見えるホテルに電話する。喫煙室なら空室ありとの事。疲れていたので、「喫煙でもいいのでお願いします」と予約して、さっそく歩いていった。道がわからず遠回りしていると、駅前には旅館が沢山あった。旅館でもよかったなと思うが、予め予約しておかないで素泊まりというのも困る。旅館なら2食付だ。

予約したホテルは簡素ながらこぎれいであった。フロントの対応も好ましい。しかし客室のある喫煙フロアでエレベーターから出ると、タバコの臭いが鼻をついてきた。客室内も同様である。「喫煙でもいいので」と言った手前、仕方が無い。


ホテルビックウェーブ (岩手県宮古市大通)

晩飯を食べに行く。駅前にある海鮮の店に行く。昼は食堂、夜は居酒屋といった趣き。まずは生ビール。午酒は飲んでないので旨い。ホタテなどの丼物と、他にホヤのさしみを注文する。実はホヤは初めてである。鮮やかなオレンジのさしみが運ばれてきた。さっそく口に入れる。きっと新鮮なのだろう。磯の風味と食感がよい。しかし、何か受け入れがたい風味も感じる。首をひねりながらも全部平らげたが、食わず嫌いでない事は判った。ここはホヤに挑戦せずに、好きな海鮮を食うべきであった。丼物は量があるので、これだけでもよかった。もう満腹である。そしてホヤで変な感じである。追加した瓶ビールを残す。無念。ホテルに戻り、早々に寝た。 (つづく)


ホヤ刺身 (すみよし)

東北6県完全制覇の旅 モリミヤ

2006-10-29 22:59:10 | 列車の旅

岩泉線 岩泉駅岩手県下閉伊郡岩泉町中野

僅かな乗客が降り立った終着の岩泉駅は不思議なくらいに立派な駅舎だった。駅前広場もよく整備されている。とても1日3本の列車しか来ない駅とは思えない。出札口には人がいたが、建物の大部分は使われていないようだった。

岩泉町は「本州随一の広大な町」(岩泉町ホームページ)だそうで、東は太平洋に面し、西は盛岡市と接している。ここ岩泉町には日本三大鍾乳洞の一つ、龍泉洞がある。ここには地底湖があり、その透明度は世界有数だと言う。写真を見る限りでは恐ろしいくらいに青い。秋芳洞、大正洞に続けとばかりに入ってみたいが、17時20分の列車に乗らなければならない。何しろ1日3本なのだから。せめて龍泉洞の水を買ってのみたいが、駅には売店が無い。地元の産品を紹介するショーケースには、ペットボトル入りの龍泉洞の水が展示されているが、買う事は出来ない。自動販売機で別の地方で採水された水を買い、待合室で憮然として飲んだ。


岩泉駅前 (岩手県下閉伊郡岩泉町中野)


列車は1日3本だけ (岩泉

岩泉17時20分発。乗客は極めて少ない。次のニ升石で中学生の女の子が乗ってくる。岩泉から乗っていた友人と話し始めた。この本数でも通学に使う人がいるのだ。この2人しか見なかったが。激しい雨が降りだした。岩手大川で中学生は雨に濡れながら降りていった。車内はひっそりした。数人の客を乗せた列車は18時12分、茂市に着いた。雨は降っていない。


山田線 茂市駅岩手県宮古市茂市


誇線橋より (茂市

岩泉線から山田線に乗り換かえる。岩泉から乗っていた女性も乗り換えている。暗くなってきた山間の小駅に列車がやってきた。上下の列車が交換する。茂市18時32分発。やはり山田線の車内は空いている。しかし岩泉線に乗った後だと、山田線が幹線に見える。途中駅で岩泉からの女性は降りていった。通勤に利用しているのだろうか。海が近づいてきた(ような気がする)。終着の宮古に18時53分到着した。 (つづく)


駅名標 (宮古

東北6県完全制覇の旅 山田線・岩泉線

2006-10-28 23:59:32 | 列車の旅

山田線 快速〔リアス〕 3625D列車 キハ52-110 (盛岡

盛岡駅では何度も新幹線と在来線の乗り換えをしており、東北では比較的馴染みのある駅だ。東北新幹線の八戸延伸で利用機会は激減するだろう。新幹線〔はやて〕で八戸-上野間に乗車したのは、まだ一度だけだが。さて、今夜の宿は決めていないけれど、これから陸中海岸方面に行ってみることにする。プラットフォームには、すでに山田線の宮古行快速〔リアス〕は入線していた。いくらか席は埋まっていたが、良い具合にボックス席が空いているので腰掛ける。

山田線は盛岡-宮古-陸中山田-釜石と結ぶ路線であるが、盛岡-釜石間では東北本線・釜石線経由の方が営業キロも短く、山田線で盛岡-釜石間を直通する定期列車は走っていない。盛岡-宮古間については路線バス(岩手県北自動車〔106急行〕)の方が圧倒的に運転本数が多く、鉄道の利用者は少ないそうである。盛岡-宮古間の定期列車は1日4往復。宮古行の盛岡発車は快速列車が10時48分と13時46分。普通列車が16時30分と19時13分で、それで終わりである。区間列車も僅かにあるのみ。一方のバスは24往復の運転である。普通運賃は鉄道が1,890円、バスは1,920円(一部の特急便は料金200円が必要)となっている。

快速〔リアス〕は満席にならないまま、盛岡を13時46分発車。次の停車駅、上盛岡から男性が乗ってきて私の座っているボックス席の向かいに座った。やってきた車掌から切符を買っている。山田線の車両も古く、冷房は無い。涼しすぎるくらいなので冷房は要らない。かるく暖房が入っていたような気がする。窓は閉めた。盛岡近郊の駅で生徒さんが降りてゆく。向かいの席の男性は他のボックス席に移動した。再び一桝(?)独占である。近くの席のオバハンは靴を脱いで、脚を向うの席に伸ばしている。これが列車での正しい寛ぎ方である。バスではこれは出来まい。

上米内14時01分発。次の陸中川井は15時12分着である。営業キロにして63.6。特急や急行でもなく、ましてや昼間の列車で、1時間以上も停車しないとは。人口の少ないところを走るのだろうが、驚きである。さすが北海道に次いで2番目に広大な面積を有する岩手県である。風景も北海道の山間部を走っているように見える(気がする)。携帯電話を使う男性が、時折圏外になるのか使いづらそうである。区界を過ぎる。その名の通り、北上川水系と閉伊川水系とを分けている。山田線は閉伊川の流れに沿って宮古まで下って行く。久しぶりの停車駅陸中川井での乗降客は少ない。次の停車駅、茂市に15時29分着。快速の終点宮古まで行かず、ここで降りる。茂市からは岩泉線が出ている。


岩泉線 普通 685D列車 キハ52-148 (茂市

誇線橋を渡る。岩泉行は宮古からの直通列車で、すでに入線している。1両編成である。岩泉線は日本でも一、二を争うローカル線と聞いていたが、意外にも沢山客が乗っている。年配者が多い。賑やかでローカル線らしくないが、乗客が多いことは喜ばしい。山田線のついで位に岩泉線を思っていたが、営業キロ38.4もある。茂市15時35分発。長閑な山間を各駅に停車しながら列車は走る。少しずつ乗客が降りて行く。谷が狭まり隧道を抜ける。閉伊川水系から小本川水系に変わる。岩手大川で年配者の一団が降りていった。バスが停まっているのが見える。すっかり車内は寂しくなった。終点岩泉に16時28分到着した。 (つづく)


駅名標 (岩泉


線路はここまで (岩泉

東北6県完全制覇の旅 花輪線

2006-10-23 04:00:48 | 列車の旅

花輪線 快速〔八幡平〕 3930D列車 キハ58-739 (大館

改札が始まったので入場する。幾人か改札口を通ったが、そのほとんどが特急利用者である。花輪線のりばへ向かう人は殆どいない。始発駅大館で出発を待つ快速〔八幡平〕に乗りこむ。おおっ!今どき冷房がない。天井には扇風機があるのみである。直ちに着ている服を生地が薄い物に着替える。人目も憚らずではなく、人目につかないのである。乗っている車両には誰もいないし、プラットフォームにも誰もいない。しかしこうゆう汽車はいいね。気動車だけど。ハコ(客車)みたいだ。


冷房なし!扇風機のみ! (キハ58-739)

青森発秋田行の特急〔かもしか2号〕が発車していった。どれだけ乗り換えがあるのか知らないが、接続はしている。快速〔八幡平〕は若干の乗客を乗せて、大館を11時06分発車した。奥羽本線を跨いでゆく。車窓には田んぼ。窓から入る風。これは気持ちいい。


窓は全開! (大館-東大館)

最初の停車駅の東大館は街の中心に近い。しかし乗ってくる客は少ない。放送で車掌が窓から顔を出すなと注意するのではなく、窓から木の枝が入ってくるから注意するよう促している。なるほど、線路脇の木の枝が車体を叩いている。保線区は何をしているのかと思うが、ローカル線では仕方がないのかも知れない。少し涼しすぎるようでもあるので、窓全開はやめ、下の方を少しだけ空けておく。停車駅では僅かな客を乗せて行く。

十和田南11時38分着。背広の一団、といっても4,5人が乗ってきた。この位の人数でも空いているから、随分増えたような気がする。聞こえてくる話では、普段は車なのだが、今日はたまたま鉄道のようだ。単線非電化の花輪線には、平行するように東北自動車道が走っているのだから、勝負にはならない。自分も青森-盛岡間で高速バスを利用したことがあるが、安くて早くて良かった。列車は進行方向を変え、11時42分に十和田南発。

鹿角花輪で下り列車と交換。比較的大きな駅である。正午近くになったので、大館で購入した花善さんの鶏めしに箸をつける。旨そうな弁当なのだが、昨夜から奥歯の感覚がおかしいのと、朝飯をしっかり食べていて空腹ではない事もあって、心底味わえてない気がする。美味しく食べるには健康状態は大事である。列車は長閑な山間を走り、秋田県から岩手県に入った。線路は高原から下り、平地を走っている。乗ってくる客も増えてきた。やがて複線電化のIGRいわて銀河鉄道線が見えてきて、好摩に到着。花輪線の旅が終わった。

列車はIGRいわて銀河鉄道線(長い!以下IGRと略す)に乗り入れ、盛岡まで行く。東北新幹線盛岡-八戸間開業以前の東日本旅客鉄道東北本線である。すっかり盛岡近郊列車となり、乗客は更に増えてきた。大館から1人で占有していたボックスにも1人、若い女の子が座ってきた。途中駅の駅名標がJRからIGRの物に変わっている。第3セクターになってからは、寝台特急〔北斗星〕で夜間に通過しただけなので、昼間の列車でここを通るのは初めてである。線路も立派で長大な貨物列車も走り、あまり変わってないようにも見える。特急〔はつかり〕がいないのは大きいが。

盛岡13時29分着。端っこのプラットフォームに入る。改札はIGR専用である。直接、JR線に乗り換えられない。青春18きっぷではIGR線は乗れないから、精算という事になるが、北海道&東日本パス(普通列車限定)はIGR線でも利用出来るのである。乗り換えがよく判らないので、一旦駅舎から出る。盛岡冷麺のお店はすぐそこである。今は満腹で何も食べられない。盛岡で一泊すれば、夕食に冷麺でもよいが、まだ日は高い。再び駅舎に入ると、JRの自動改札機に北海道&東日本パス(普通列車限定)を投入した。 (つづく)

東北6県完全制覇の旅 大館で一泊

2006-10-22 04:00:38 | 列車の旅

ロイヤルホテル大館 (秋田県大館市中道)

駅に程近いホテルに投宿する。ここも自宅からインターネットで予約している。シングル6,000円だが、この日は追加料金なしで朝食が付いていた。大館駅前は街の中心部ではない。食堂を捜すのも面倒なので、ホテルの中華料理店で夕飯を済ませる。店内に入ると女性店員が御飯物は出来ないという。それならと坦坦麺と餃子を注文する。店内は一組の客がいるばかりである。ビールを飲んでいたら、もう一組やって来た。あまり人が多いのも疲れるが、あまり人がいないのも寂しい。麺を啜り、餃子を食う。風邪気味なのか奥歯の具合がよろしくない。食事を終えると、早めに休む事にする。

平成18年7月18日火曜日。未明にむくりと起きて暑中見舞いを書く。書き終えると再び寝台に戻り寝た。次に起きると朝になっていた。今日の天気もパッとしないが、雨は降っていない。朝飯を食べに行く。朝食バイキングの場所は、昨夜、坦坦麺を啜ったレストランである。今朝も人が少ない。御飯は炊いていた。食事を済ませて部屋のテレビをつける。今日も県内で起きた児童殺害のニュースをしている。全国放送でも県域放送でもずっと報道している。さて、今日乗る列車の発車時刻まで時間があるが、そろそろチェックアウトする。暑中見舞い葉書に風景印を押印してもらい差し出したいのと、郵便貯金を引き出したいので、街の中心にあるであろう大館郵便局まで歩いて行くつもりである。


ホテルの部屋より見る大館の街

ホテルを出て南の方へ歩き出す。街の中を川が流れている。米代川ではなく、その支流の長木川である。駅前は閑散としていたが、橋を渡り歩いて行くと、ある程度の規模の都市である事が判る。駅前だけ見たのでは誤解してしまう。なお、駅前地区は昭和31年(1956)の大火で焼けてしまったらしい。さて、郵便局だが経験則で電報電話局と隣接している事が多い。NTTの大きなアンテナを目指して歩く。街行く人も多くなったので、信号待ちの間に郵便局を尋ねる。NTTの側ではなかったが、市役所の先にあるという。おおよその見当通りである。市役所の向かいには大きなホテルがあり、1階はバスターミナルになっている。

すぐに郵便局は見つかった。ふるさと切手を購入して葉書に貼付する。北海道の切手だがまあいい。風景印の意匠は秋田犬と大文字焼。葉書を1枚買い、自分用に記念押印してもらう。ちなみに忠犬ハチ公は大館出身の秋田犬である。郵便貯金のATMにも寄る。財布が暖かくなったからではないが、駅までバスを利用しようと思うが、バス停がよく判らない。系統も判らない。市役所向かいのバスターミナルから乗ればよかったのだろうが、結局歩いてしまう。途中、大きなスーパーがあったが、近く閉店するという。今では旅客列車は走らず、貨物列車のみの小坂線の踏切を渡り、駅前に戻ってきた。

花善さんで名物駅弁の鶏めし(850円)を買っていく。今までに駅ではなく調製元で直接駅弁を買ったことがあるのは、横川のおぎのやさんの峠の釜めし、宮島口のうえのさんのあなごめしくらいか。宮島口と並べてしまったが、もちろん(陽)横川ではなく、(信)横川の事である。鶏めしを提げ、駅に戻り、待合室に入る。売店では鶏めしを売っている。お茶と水だけ購入して盛岡行の出発を待った。 (つづく)