旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

十年目の台湾 嘉義公園へ

2016-07-10 20:00:00 | 台湾日記

臺鐵 縱貫線 彰化車站 (臺灣省彰化縣彰化市長樂里三民路)

一昨年、成追線の乗りつぶしの時に訪れた彰化駅。駅の北には大正11年に建てられた扇形車庫があり、見学出来るそうである。蒸気機関車もいるそう。鉄道好きなら訪れるところだろうが、今日は行かない。今回、彰化に泊まったのは、爌肉飯を食べるためだけである。それなのにお目当ての店では売り切れで食べられなかったのだが。さて、出札口には列が出来ており、列車の出発まであまり時間がないので、全車指定席(對號列車)の切符の買える自動券売機(自動售票機)で次の自強號の様子を見てみるが、空席は無い。立席となる無座の切符も買えるが、お値段は同じである。席がないのなら、切符を買わずに悠遊卡を利用した方がいい。各駅停車に相当する區間車の切符の値段の9折(9割)で自強號も利用出来る。IC乗車券だったら、普通列車の運賃の一割引で、特急料金なしで特急に乗ってもいいというのである。空席があれば座ってもいい。日本では考えられない事である。但し、自強號の利用距離が70kmを超えたら、少し計算式が変わる。

例えば、彰化-嘉義間は80.9km。70kmまでは區間車の9折。70kmを越える部分については自強號費率(1km每に2.27元)で計算し、こられを合算する。
【(70*1.46*0.9)+(10.9*2.27)=92+25=117】

とはいえ、悠遊卡で自強號に乗るのは初めてである。改札掛にカードは見せて「自強號」と言うとうなずくので、大丈夫なのだろう。改札機にタッチして入場する。月台には多くの人が列車を待っている。七堵始発高雄行の海線経由の第105次自強號が入線してきた。冷房の効いた客車内に入る。空席はほぼ見当たらない。あったとしてもその席の切符を持った客が来るだろうし、面倒なので通路に立っておく。久しぶりの自強號。快調な走りで、窓外の天気も申し分ない。通路に立っているのが実に残念だが、1時間程度の乗車なので辛抱する。途中、臺鐵縱貫線と交差する台灣高鐵(新幹線)に新駅が見える。縱貫線には新駅を設けないようで、高鐵彰化站となる模様。二水で集集線が分かれてゆき、濁水溪を渡り、嘉義に到着する。途中停車駅は員林と斗六のみ。
 

臺灣鐵路管理局 縱貫線 自強 105次 (嘉義)

縱貫線 自強 105次 彰化(9:19)→嘉義(10:13) 35PPC1402
◆票價184元(電子票證票價117元)


嘉義に着いた!


嘉義といえば阿里山森林鐵路!

臺鐵は日本の国鉄・JR在来線(ミニ新幹線を除く)と同じ1,067mmの狭軌だが、阿里山線は762mmの軽便鉄道である。


0キロポストが見える!

鉄道好きなら乗りたい阿里山森林鐵路。でも今日は乗らない。さて、悠遊卡で自強號の旅客とそれ以外をどう見分けるのか疑問だったが、簡易改札機から出場する時、自強號云々の表示が出ていたから、処理は出来ているのだろう。所要時間で判定するのか、駅員が手動で操作していたのかは知らない。


嘉義駅舎内の様子!



ところで台湾の鉄道の時刻表が欲しい。ここ近年は窓口で頼めば無料で頂戴出来ていたのだが、今日、嘉義においては無いという。公用の時刻表があるのだろうが、有料のものが売店にあるという。1冊25元で高くはないが、無料でもらっていた公用の時刻表が気に入っていたので残念である。売店というより鉄道グッズのお店で、絵葉書も買ってゆく。


臺灣鐵路管理局 縱貫線 嘉義車站 (臺灣省嘉義市西區中山路)

昭和8年竣工の駅舎が建つ。ここでGPS機能でポジション確認。北緯23度28分43秒、東経120度26分28秒。北回帰線より僅かに北の緯度。ここより少し南の嘉義市内を北回帰線が通過している。東経も120度に近い。東経120度の子午線は台湾の西の海上を通過するが、明石の東経135度より西に一時間分来ている事になる。


嘉義駅頭の様子!


駅舎には阿里山森林鐵路の出札口が!


奮起湖と阿里山の間は災害により不通となっている!

全線復旧したら乗りに来たいと思う。さて、今日は嘉義市内を観光する。今いるのは表口・東口だが、跨線橋を渡って西口に回る。こちらは裏口というか後站といい、駅舎は新しい。駅舎とバスターミナルが一緒になっている。コインロッカーがあったので手荷物を預けて身軽となる。3時間で20元。嘉義公園行のバスに悠遊卡で乗車。値引きになるし、小銭の心配もない(台湾のバスではお釣りが出ない)。嘉義の街の中を走って嘉義公園に到着した。

嘉義客運 7211 BRT1 台鐵嘉義站後站(10:43頃)→嘉義公園(10:59頃)
◆票價24元(電子票證票價21元)


嘉義公園 (臺灣省嘉義市東區)

明治43年開園の嘉義公園。


公園前より中山路を望む!


停留所前にはこんなプレートが!

球場倫理 球場の教養 嘉農野球部コーチを勤めてから、スパルタ式トレーニングを行い、病気などでも、休みなく、練習を続けるよう要求した近藤兵太郎氏。チームワークを強調、個人主義に反対している近藤氏はいつも、全体戦略を第一に考えており、選手たちの団結心を高めたことにもつながります。試合のとき、特に球場の教養は最重視され、球場を大事に、笑い戯れは禁物とされています。」


KANO歩道?

夏の甲子園は今年で100年だそうだが、昭和6年に甲子園出場して準優勝した嘉義農林學校(嘉農 KANO)の話が台湾で映画化(日本では今年公開)されている。


野球場が見えてきた!


嘉義市立棒球場 (臺灣省嘉義市東區山仔頂)

野球は中国語で棒球という。これから野球を見ようという訳ではない。


公園内を真っ直ぐに延びる道を行く!

嘉義公園内を散策。


狛犬が現れた!




かつての嘉義神社の参道だった!

現在は神社ではなく、戦後は忠烈祠となっている。しかし神社だった当時を偲ぶものが多く残されている。


石灯籠も並ぶ!


大正十年三月建之


斗六郡氏子中

嘉義神社は大正4年創建。一代目の社殿が完成(現存せず)。


鳥居はないけど…


手水舎は残る!






手水の作法の説明が!

手水舎は、7月8日に水が出るよう復活したばかりだそう。


齋館及び社務所の建物も残る!


現在は史蹟資料館に!


嘉義市史蹟資料館 (臺灣省嘉義市東區公園街)

昭和18年の建築。建物は修復され、中華民國90年(2001)に史蹟資料館として開館した。










参観時間は9時から17時、月曜日はお休みです!

靴を脱いで中に入る。参観料金は不要。建物から木の香りがして、清々しい。


建物内部の様子!

ピカピカの廊下。日本に帰ってきたかのように錯覚してしまう。






昔の写真


阿里山神木


阿里山早期伐木工具




嘉義市街實測圖




当時の広告が気になる!

「美給のサービス満点 社交界の殿堂 カフヱーひのき
嘉義市榮町二丁目 電話二〇二番」
「御家族様方ノ遊園地御好ミノ料理ニ應ジマス yu嘉義温泉」


資料館をあとにして、かつての参道を進む!


狛犬がもう一対!




祭器庫

神社だった頃の建築物を見てきて、本殿はどうなっているのか気になるところだが、昭和19年に増築された二代目の社殿は民國84年(1995)に(当時は忠烈祠だが)火災で焼失したそう。民國86年(1997)、同じ場所には次の建物が建てられた。


射日塔 (臺灣省嘉義市東區公園街)

元の神様は如何しておられるか存じないが、これより東方に聳える玉山や阿里山など台湾の峰々を含めて頭を垂れてきた。


神社だった頃の雰囲気を残す参道を戻る!


緑の濃い公園!

気温は高いが、木陰にいると涼しく感じる。多少。


公園正門付近には孫文像が! いずれも中華民國104年7月25日撮影

嘉義に来たついでにふらり立ち寄った嘉義公園だったが、今も残る神社の建物などが大変印象に残った。公園の案内所に立ち寄り、嘉義市内の詳しい地図を頂戴して、今度は歩いて市内を散策する。 (つづく)