フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

強心象

2015-06-12 07:53:51 | Weblog
アンティークが日赤病院で検診の結果を聞きに行くといってあたふたと葬儀場をあとにした。その前に、彼女の症状を聞いてさんざん脅かしていた。「背中や胸が痛くて日赤で検査してもらったがよ」「ふむふむ、どんな自覚症状?」「キュッと締め付けられるようで山で迷惑かけたらいかんと思って診てもらったが」「そりゃぁ、狭心症やろ」「えっ、あんた医者かえ」「間違いない、次はキミかえ。」「なんで」「はよう遺影の写真決めチョキよ」(笑い)といろいろ見てきた人の症状をあげつらいシェルパ君と二人でおどすことおどすこと。ふだん、強気な彼女も内心気が気でなかったんだろうな。まぁ、用心しろって気持ちで言ったんだけどね。彼女のキャラがキャラだからからかってるみたいに見えたかもしれないけど心配してたんだよ。待たしてたタクシーに乗って一目散。結果を聞くだけだったから早かったのかな。僕が家に帰ってかすぐにメールがきた。「すべて、異常なし、どんどん山行こう」って。うれしかったんだろうな。文字が躍ってる感じがメールから伝わってくる。僕は、すぐに返事を送った。「よかったね。狭心症じゃなく強心象だったんだね」って。もちろん、大笑いのメールが返って来た。しぶといヤツめ。
コメント
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