フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

instilling

2018-11-14 09:12:12 | Weblog

教養って大事なんだね。それも染みこむような教養。教育の大切さをミッシェルオバマの本で読む。といっても本は手元にないから抜粋だけど。お母さんの教えが良かったからそれが自分に沁み込んでいるんだって。知識に対する貪欲さそして実践。母の教えも立派ならそれを受け取る器も立派ということか。そんなことは書いてないけど容易に想像できる。オレなんか欠けた茶碗だもんな。おまけに皹まで入っててさ。そう言えば、昔、なんかのキャンペーンで「稲穂茶碗」って作ったことがあったね。黄金の稲穂色した飯茶碗を土佐焼きで焼いてもらったんだ。景品として差し上げるために。数はそんなに多くなかったけどオリジナルな形と色にこだわって作ってもらったんだが。はじめはね陶芸家を探してと山奥まで会いに行ったんだ。こんなところに人がというところに窯があってそこで仙人みたいなおジイがいて物静かに話すんだ。それで説明して焼いてくれないかというと数が焼けないから出来ないという話だった。一品ものならいい仕事するんだろうけどどうしても数はいるからとその仙人をあきらめて土佐焼きの陶芸教室に行ったんだっけ。そこでこちらは素人だから無茶苦茶言ってると「その形じゃご飯は食べれませんよ」とか言われて器の講義までうけてしまったっけ。角度とか厚さとかいろいろ制約があるんだ。ただ土をこねて焼くだけじゃないんだ。陶芸教室だからデザインが決まれば数は揃うということで作ってもらったが面白いのね。生徒さんが一人一人作っているもんだから一つ一つ個性が出て形も色も微妙に違うの。これはこれで面白いということになってキャンペーンをぶつけたら大成功。こんなことデザイナーと二人でやったんだよな。あの頃、何も怖くなかったから。時間と自負と夢があっただけで。それとしみこむような情熱かな。今ではアナログなこんなことするクリエイターはいないだろうけど。

コメント
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