ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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花組 エリザベート 2

2014-11-03 07:00:00 | 宝塚コラム

 各組の感想

1997年雪組 → 3階席の一番後ろで2度見ました。そこからでも舞台の素晴らしさや

           一路の歌唱力は響いて、感動で胸が震えました。

           今まで見た事のない歌だけのミュージカルに圧倒され、エリザベートにひどく

           共感しました。

1997年星組 → ストーリー性に感動して泣きました。トートとエリザベートの昇天シーンが

            あまりに素晴らしくて。フィナーレのデュエットダンスは、客席が息を飲むのが

            わかりました。銀橋のお辞儀の時、トートがエリザベートの手にキスするのが素敵で。

1999年宙組 → 1000days劇場のちゃちさも手伝い、姿月と花總の役作りがあってなかったことや

           ルドルフ役が樹里咲穂で全然・・・だった事の印象しか。

            やたら泣きまくる感情過多のエリザベートと自分探しに悩むトートでした。

2003年花組 → 大鳥れいの衣装がちゃちに見えてしまった事。「私が踊る時」が追加されて

           いい曲だなあと思った事くらいしか。彩吹真央のルドルフは暗かったし。

           樹里咲穂のフランツはいい人過ぎて。このあたりから「フランツ・ヨーゼフ」の役作りが

           エリザベートの印象を左右するという事がわかりました。

2005年月組 → 全体的におとなしい、発声の弱い組という印象が。彩輝直は小柄なのに瀬奈じゅんの

           エリザベートは大柄。肝っ玉かあさん風でしたし。

           誰もかれも役が似合っていたとはいえず。

2007年雪組 → ここまで来ると、もう感動などは期待しません。「エリザベート」の解釈も随分

           変わっていますし、私自身の年齢がゾフィに近くなっているので、エリザベートに

           共感できないのです。

           が、彩吹真央のフランツと未来優輝のゾフィが正統派だった為に、白羽ゆりの

           エリザベートがひきたった事は事実でしょう。ルキーニの音月桂もまたよかったし。

           「夜のボート」で泣かされるとは思わず。

           当時、中学生だった我が家の姫とそのお友達は2階席の14列目あたりで見ていたのですが

           感動のあまりしくしく泣いていました。

2009年月組 → なぜ凪七が特出でエリザベートに?から始まった「疑問」は舞台を楽しむ余裕を

           奪いました。

           トートとエリザベートの関係は、トップコンビの「仲のよさ」に象徴されるようで、

           突然の組替えや、特出ではラストシーンを正当化出来ない事がよくわかりました。

           誰もが楽曲に四苦八苦し、与えられた役の意味がわからないので、とりあえず

          教わった通りに演じるといった印象。

          小さいエリザベートの前に現れたトートの椅子が回った事に失笑した覚えが。

 

時代を経て、再演する組の人達は「エリザベート」という作品をどう解釈したらいいか

わからなくなっているのですね。

どんなにオーストリアを旅してみても、本を読んでも、当時の皇后の苦しみはわからないし

「ハプスブルク家を守る」という事がどんな事か理解できない。

だから演じる側に重みがなくなります。

 

そして。

 2014年 花組

一緒に見た友人は「今まで、どの組のエリザベートもそれなりに楽しんで来たけど今回は無理」と

言いました。はっきりと「面白くない」と。

私は1999年の宙組からすでに「変なの」状態だったので、今さら驚いたりしませんが

主役の二人がわき役になってる」事だけは十二分にわかりました。

特に明日海りおのトートは完璧にわき役です。

じゃあ、主役は誰だったの?

北翔海莉と望海風斗と桜一花でした。

なぜ、トートがわき役になってしまったのか。

色々考えてやっとたどり着いた結論は

「これといって得意技のないトップスターには無理な役」だったという事です。

宝塚の歴史に残る歌唱力を持っている人、宝塚の歴史に残る男役・・・そういった

存在でないとトートを主役として輝かせるのは無理という事です。

ガラ・コンサートで紫苑ゆうのトートを見ました。

紫苑は現役時代にやったことがなく、今回が初挑戦。

年齢もかなりいっているし、歌唱力は無理があるし、踊らないからまあまあ・・・といった技術点。

しかし、幕が開いた瞬間から紫苑は「黄泉の帝王トート閣下」でした。

最初から最後まで猛烈な存在感で押し切りました。

つまり、トートに必要なのはスターの「大スターらしさ」という事になるでしょうか。

 

姿月も春野も瀬奈も水も、何となくですけどこの役をこなしてきた状態です。

けれど、明日海りおはごまかしがきかなかった

なぜなら、彼女には強烈な自己アピールも、圧倒的歌唱力も、演技力もなかったからです。

それは蘭乃はなも同じでした。

今回、驚いたのは、初めてエリザベートが「不良娘」に見えた事。

これではゾフィに叱られて当然。私がゾフィならこんな嫁嫌だわと思わせてくれました。

全体的に息があっていなくて、所作の一つ一つがそれぞれぎこちない・・・

北翔がさらさらとやってしまうので、よけいに回りのぎこちなさが目立ってしまう。

フィナーレの衣装はどれも「お披露目」にしては地味でくすんだ色を使っています。

だからなのか舞台全体が沈んでいるように見えました。

しかも。

フィナーレのデュエットダンス。あれは一体何?ダンスといえるんでしょうか

朝海ひかる並に踊れる蘭乃のさよならで、ほとんど踊らせずに終わった・・・とは悪夢です。

帰宅してあらためて一路版をみてしまいました。

踊れなかったのは一路も同じでしたし

一体、何が違うの?なんでここまで違うの?なぜなぜなぜーーとひとしきり。

結論として上記のような考えに至ったわけですけど

危険な舞台「エリザベート」役者の本当の姿をさらしてしまう舞台だから、下手にさわらない方が

よかったかもしれませんね。

 

 出演者について

明日海りお・・・・出てきた瞬間「黄泉の烏?」と思ってしまい

          初めから終わりまで表情がなく、一本調子で歌う、音域がない、踊れない。

          見事にわき役に成り下がった。

          「あなたには頼らない」と拒絶された後くらい、悲しいとか悔しいとかなかったの?と。

          「愛してる」と歌っているけど、どこが?

          二幕目でルドルフと知り合っても全然「お友達」になった様子なし。

          ルドルフの棺桶に立ち、型通り寝転んでみて。でもエリザベートが「死なせて」と来ても

          嬉しさはわからず。悲しみもない。かといって冷酷さもない。

          ないない尽くしのトート閣下。デュエットダンスくらいちゃんとやって欲しかったです。

蘭乃はな・・・「パパみたいに」で出てきて、走りより、立ったシーンの品のなさにびっくり。

        貴族の娘というよりヤンキーな不良娘じゃないですか。

        大鳥れいや白羽ゆりだってちゃんと貴族の娘に見えたぞ。

        「わたしだけに」はまあ、歌えていたけど、ナイフで自殺しようとするまでの長い「間」にいらっ。

        ヴィンディッシュ嬢に対する長い「間」にもいらっ。

        最初から終わりまで一切歳をとらない、少女のままのエリザベート

        歌う事で必死なのか演技力なし。凪七瑠海や瀬奈じゅんといい勝負でした。

北翔海莉・・・こんなフランス・ヨーゼフがあったんだなあと感心。

        こんなに書類をきっちり読んで悩める皇帝も初なら、エリザベートにガンガン言われて 

        困り果ててる皇帝も新鮮。

        側近に勧められ、マダム・ヴォルフのコレクション。最初は嫌がってたのに次第に

        「どうしよう・・・え?いいの・・・?本当にいいと思う?」という顔をするのも新鮮。

        ルドルフに怒る姿も当然だし、新聞のちぎりかたがかっこいい

        何でもかんでも表情一つ、所作一つが「これぞ」と思わせる姿に感服。

望海風斗・・・友人いわく「浮いてる感じ」と言ってました。まあ、静かな舞台の中で一人でテンション

        上げまくりで、何とか沈みゆく舞台を引っ張り上げようと必死だったんだもんね。

        トートがやたら冷静で無表情だし、エリザベートも歌だけで精一杯だし。

        狂言回しとしては辛い役どころでした。悪目立ちするのもわかる気が

        だけど望海の演技力と歌唱力がなかったらこの舞台は壊れていたと思います。

柚香光・・・役替わりのルドルフ。何がいいとか悪いとかないのですが、はっきりいって目立ちます。

       本当に目立ちます。今はそれだけ。このまま花においておいていいのか?

       せっかくのスター性を潰す事になりはしないか心配です。

桜一花・・綺麗で怖いゾフィでした。久しぶりに綺麗なゾフィを見る事が出来てうれしい。

 

エルマーの瀬戸かずやはそこそこ。ジュラの芹香斗亜は見た目はいいけど、よくわからず。

ヴィンディッシュ嬢、仙名彩世は綺麗だしそれなり。

正直、望海が抜けた後の花組を想像するとぞっとしますね。

チケット代をまともにとれる組として存続していくのか・・・・・ それでもファンは多いのだろうけど。

 さよなら桜一花 

85期。柚希礼音などがいる85期の中で映美くららと同様に娘役ホープだったと

記憶しています。

琥珀色の雨にぬれて」の冒頭に出てくるカフェの娘。この時から可愛いなあと思ってました。

目が大きくて演技力があって。ないのは背丈ばかりなりといったところ。

彼女の代表作はなんといっても「アーネスト・イン・ラブ」のセシリィでしょう。

あの時の素晴らしいお嬢様っぷりに大いに笑わせて頂きました。

あとにも先にも桜のセシリィを超える人はいないと思っています。

このまま快進撃が続くのかと思っていたら、本公演でなかなか役に恵まれませんでしたよね。

黒蜥蜴」の小林少年だとか、「虞美人」の紅林とか・・・

まあ「太王四神記」のパソンはまあまあ。

何となく気が強くて意地悪な役ばかりふられていたけど、本当は愛らしい娘役やコケティッシュな

妖精などが似合う人だったと思っています。

小柄なのにゾフィのような大柄でこれまた強い役が最後というのが何とも。

結果的に歌劇団は桜一花を使いこなせなかったのだと思います。

このままずっと宝塚にいてくれるものと思っていたのに・・・・退団は残念で仕方ありません。

でも、ここまで頑張ったあなただから第二の人生はきっと幸せになると信じています。

ありがとう。

幸せになってください。

 

 

 

 

 

 

コメント (20)
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