ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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2007年雪組エリザベート(水夏希)

2016-09-27 07:00:00 | 宝塚コラム

色々なエリザベートを見ていると、少しずつセリフが変わっていたりします。

「お久しぶりです。おばさん」

「お久しぶりです。おばさま」

「お久しぶりです」

「お久しぶりです。叔母上」

「ああ・・シシィ」のニュアンスもどれが正解ってのはないですが、北翔が答えを見つけてくれたような?

また、エルマーのセリフがどんどん増えている感じ。

 DVDキャスト

トート・・・水夏希

エリザベート・・・白羽ゆり

フランツヨーゼフ・・・彩吹真央

ルキーニ・・・音月桂

ルドルフ・・・凰稀かなめ

ゾフィ・・・未来優希

 ダークグリーンの世界へ回帰

宙組以来、何度見ても失望する事が多くて、今更また「エリザベート」?って感じになります。

最初は希少公演と思っていても、これだけ再演されれば珍しくもなんともない。

「エリザベート」の大安売りって印象。

それにしても、初演から回数を重ねて「エリザベート」の印象も大きく変わりました。

最初は「私もエリザベート」と思い込む女性が続出したものですが、今や

若い女性だって「エリザベートってわがままじゃない?」

「何であんなに嫌っていたトートと昇天していくわけ?」

という疑問が膨らんで、素直にミュージカルを楽しむ事が出来なくなった人も多いでしょう。

もはや、「エリザベート」鑑賞のコツは、各スターの歌がまっとうかどうか・・・

それで決まりみたいな?

雪組の場合、花組と同じお披露目でした。春野寿美礼のような生え抜きトップですら

ああだったんだし。水君は歌が苦手だし・・・なんて考えていたら、彩吹真央が組替えに。

エリザベート要員でしたかないよ」と悪口を言われていましたっけね。

それでも水君のストレスは相当なものだったらしく、顔がブツブツ状態に。

気の毒でした。

 

さて、その反省もあったのか、雪組版「エリザベート」は原点回帰したという印象です。

目指したものは初演の雪組だったのではないでしょうか。

とにかく真面目、真面目、真面目・・・・・に全員演じていたと思います。

トートの衣装はライトがあたらないとよくわからない程の深緑で、飾りがほとんどなし。

他の出演者もごちゃごちゃつけていなかったのがよかったと思います。

トートが拘ったのは、一つは「かつら」ありとあらゆる所で変わっています。

またダークグリーンの衣装の下に何枚も重ね着しているように見える。それがまた

かっこいいんですね。

ワイン系の色も本当に暗くて、黒か赤か・・その境目のような色です。

これらの色が舞台を彩る時、独特の雰囲気を作り出しています。

 それぞれの役作り

水トート・・・白塗りに極端に上がった眉、笑っても怒ってもアオセトナだなあと思います。

       でも、歴代の「黄泉の皇帝」というよりは、エリザベートに憑りついた魔物のような

       印象です。喜怒哀楽が激しくて、一々怖いっ

       小ルドルフを誘う所など、策略家の面も持っている感じ。

白羽エリザベート・・・とても健康的でわがままなエリザベートだったと思います。

       娘役ですから、どの衣装も似合ってトートとの背丈もぴったりで、その辺りは

       評価するのですが、これでますます「エリザベートってわがままじゃない?」の印象が

      強くなったと思います。

彩吹フランツ・・・高嶺ふぶきを踏襲するような感じですが、より真面目で実在の人物に近いような

        気がしました。「エリザベート」においてフランツ・ヨーゼフは悪役の一人です。

        権力を持っているという意味ではエルマー達の敵ですし、エリザベートとルドルフ

        からみれば「理解のない夫 理解のない父親」です。

        フランツがあまりにいい人すぎるとエリザベートの悲劇性が目立たなくなるのです。

音月ルキーニ・・・歴代のルキーニとくらべてどうかというと、愛嬌があって可愛いという感じ。

        あまり下品な恰好にならなかったのがいかにも雪組っぽくて。

        初心者にはこのくらいのルキーニがいいんじゃないかと思います。

凰稀ルドルフ・・・最初は見た目が若すぎるなと思いましたが、DVDで見ると、まあ、それなりに

        真剣で耽美的に見えますよね。こんなに綺麗な息子に死なれたらちょっと悲しい。

未来ゾフィ・・・これまでのデフォルメ過多のゾフィじゃなくて、まっとうな、ものすごくまっとうな

        皇太后で全てが正しい人です。

        彩吹フランツは確かにこのゾフィの子だなあと思います。

 

 1幕目

何といっても雪組エリザザートはチームワークがいいです。

同じお披露目でも花組とは大違いで。

水夏希は肌荒れする程、そしてかなりやせ細ってしまってましたが、そんなトップスター

を支えるべく白羽ゆり以下組子が一丸となってまとまったという力強さを感じました。

そうはいっても水夏希もなかなかで、舞台袖ですれ違う下級生に色々ダメだししてたようですから

厳しくて尚かつ面倒見のいいトップだったんだろうと思います。

一体、いくつかつらを用意したのかしら?と思う位髪型が変わってましたし、手と爪のメイクが

半端ないし、ただですら「爬虫類系」の顔が、それを逆手にとったみたいに一層不気味に

ほそっこいメイク。

1幕目のトートはまず、初めてエリザベートに会う時の登場シーンの妖しさから始まります。

椅子に座って足を組んでいるのに悩ましい格好に見える。

これは彼女の体がとっても柔らかいからではないでしょうか。

そして立ち上がってエリザベートを見て・・・・しかも二度見して恋に落ちるというすごさ。

手のうごきがくねくねしてて・・・背後からとりついたように見えます。

 

ヘレネは登場シーンでコケます。ガラコンサートでは大月さゆちゃんが、より大きくこけて

くれていました。

彩吹フランツは「お久しぶりです」だけ。

♪ エリザベート 泣かないで ♪ のシーンではそれこそ魔物っぷりを発揮し

拒絶されると怒ってる顔がばっちり。いやーー怖いっ 怖いよーー逆らえないよー

銀橋で寝そべっているトートもある意味新しいかなあ。

 

 2幕目

「私が踊る時」でつんと去っていくエリザベートを「はいはい。どうせそうだろ」的な

顔で見送るトートがツボです。

小ルドルフにはとにかく優しく柔らかく誘って罠に追い込むようなねちっとした感がいいです。

そして「夜のボート」は全作品の中でもっとも秀逸だと断言できます。

彩吹真央の声というのは心の中にぐぐっと入り込むやさしさがありますよね。

 

 フィナーレ

舞台全体が深緑でおおわれている印象。

大階段の水夏希は板付きではなく、上手から歩いて登場。

そして彼女も銀橋を飛んでました。

 

 東京で見た時

当時中学生だった姫とそのお友達を連れて行きました。

姫は初「エリザ」でした。

2幕目のルドルフが死ぬところで号泣し、いやーー私も「ベルばら」で泣いたっけと

懐かしく思った事を思い出します。

すると私は「夜のボート」で不覚にも泣いてしまい・・・恐るべし彩吹真央です。

っていうか「夜のボート」でなくって事はそれだけ歳をとっちゃったってことですよね。

 

こうも連日「エリザベート」ばかりみている我が家のヨンジュナもいっぱしの批評家に

なってしまい、今回の雪組が一番面白いそうです。

それというのもDVD収録されている映像が、各登場人物の心の動きがこまごまと

わかるようになっているからです。

多分、いつものスタッフとはちょっと違うんじゃないかしら。

普段は映らないようなはしっこにいるルキーニの表情とか、トートの動きとか

ああ、なんてわかりやすいんだーーとひたすら感動の連続です。

もしDVD購入をお考えなら、この雪組をお勧めしますね。

 

ところで、水トートだったら・・・・ストーカーのように黄泉の国でべったりはりついて

来そうで。だからちょっと遠慮します。

彩吹フランツだったら私、模範的な皇后になれるように頑張るんだけどなあ。

 

 

 

 

 

コメント (8)
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