夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

『長崎』、『雲仙』よかとこ滞在記 ~歴史のかたみの中で~  最終

2009-02-22 17:00:52 | 

    最終章 旅先でめぐり逢えた人びと


私は思い込みの激しく、独断と偏見の多い64歳の身であり、
その上おしゃべりな男性であるので、今回の旅先でいろいろな方と談話をしたした。

『長崎歴史文化博物館』でポランティアで解説して下さった70歳前後の男性と、
館内の展示品の前に歴史のことを談話したり、
館を辞しする寸前にお互いに自己紹介を兼ねて、これまでの人生の軌跡を談笑したりしたのである。

『グラバー園』で霧雨降る中、庭園の隅にある喫煙場に於いて、
ボランティアでガイドをなさっている65歳前後の男性と、
お互いに煙草を喫いながら、下方に観える長崎港の情景を観たりし、
遙か江戸時代の異国船の情景を談話したりした・・。

そして、『雲仙温泉』の観光ホテル内で、
宿泊したフロアーの休息室のソファーで私は本を読んでいる時、
やはり滞在している新潟県の三条市の75歳前後の男性と談笑したのである。
奥様と知人のご夫妻と4人で、雲仙温泉に滞在している、と述べられたり、
私と同様に宿泊した部屋の室内で禁煙とし、
こうして休息室にある灰皿の前で煙草を喫っている、と話され、
私達はお互いに笑いあったのである。


私は体力の衰えた身であるが、少なからず男の子であるので、
旅先でも女性のしぐさ、表情、言葉は何かと気になるのである。

『長崎歴史文化博物館』の館内の展示品の近くにある受付嬢の多くは、
少し話した限りであるが、綺麗な顔立ち、容姿もよく、
私は心の中で、長崎美人だなぁ、と呟(つぶや)いたりした。

雲仙温泉の滞在した観光ホテル内で、
宿泊されている佐賀県の60代前後のご婦人たちと何気なく数分話し合ったのであるが、
別れ際に、佐賀県のどの辺にお住まいですか、と私は訊ねたのであるが、
少し私は市の名称の言葉が聴き取れず、
最後に、お茶の美味しい所ですわ、というのは解かり、
お互いに微笑んだりしたのである。

私は無念ながら見かけた限りであるが、
長崎市内の市電の車中に於いて、
ツーピースを召した30代前半のご婦人が、7歳前後の男の子を連れていた。
少し陰のある表情を湛(たた)えて、しぐさが妖艶であったので、
私は数秒見惚(みと)れたのである。


私は宿泊した観光ホテルのフロント、食事処の若き仲居さん達、
とたびたび談笑したりしたが、
私に対してはお客様のサービスのひとつ、と承知しているが、
長崎の女性もまぎれなく素敵な人が多い、と私はこうして綴りながらも、
思い出しては微苦笑しているのである。


                            《終り》





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『長崎』、『雲仙』よかとこ滞在記 ~歴史のかたみの中で~  ⑨

2009-02-22 07:51:48 | 
    第9章 『水の都』と称される島原の街並みは


私達3人は雲仙温泉に滞在した時、
『水の都』と称される島原の街並みを観に行こう、と話し合っていた。

雲仙温泉より路線バスに乗り、島原の中心街の大手で下車した。

私は家内たちと島原城の前で別れ、
独りで武家屋敷の水路を眺めながら歩いた・・。

午前10時過ぎ、湧き水を利用し、道の中央に流れる水路の清冽な情景を眺め、
改めて湧き水の豊穣さを実感させられた。
そして周辺の街並みを観たりすると、
遙か江戸時代にあった鉄砲隊を主体とした住居の片隅から、
人々の息づかいが聴こえるような幻惑も感じられたのである。

http://www.shimabaraonsen.com/yusui/index.html

この後、島原城の数多くの展示品を観たのであるが、

http://www.shimabarajou.jp/index.html

私はたったひとつ『石像マリア観音』だけ魅せら、10数分見つめていたのである。
無念ながら『島原城』のこのサイトの展示品の紹介にはないが、
来日した宣教師のひとりが、天草地方の石壁彫られたと解説されていたが、
私の観た限りは、身体全体は疲れ果て、乳房は小さく、
悲しみのまなざしで、表情は憂いながら、乳児を抱いているマリア像であった。

そして、亡き作家・遠藤周作氏が描いたマリア像は、
このような容姿と容貌だったのかしら、
と思いを重ねたりしたのである。

この後ふたたび、観光教会の発行された『湧水めぐり まっぷ』を頼りに、
のんびり湧水、ゆったり湧水、コース等を散策したのである。

この中で特に心が残ったのは、『湧水庭 水明荘』の小庭であった。
旧民家のお宅の庭として、庭と池を拝見したのであるが、
赤松、楓(カエデ)などの配置、そして小道の脇に苔が生(は)え、
四季折々の情景に思いを馳せると、羨望されるひとときであった。

この後、この付近にある食事処で、私は遅い昼食としたのである。
ふぐの押し寿司、かんざらし、ぐぞうにをセットした『ガンバずし定食』を
ビールを呑みながら頂いたのであるが、
どなたでも美味しく味わえる稀(ま)れな定食である、
と私は店の奥方に誉(ほ)めたのである。
店を辞した時、『ほうじゅう』と明記された暖簾(のれん)が見えたのである。


このように日中の6時間ばかり島原の街並みの一角を歩き廻ったのであるが、
お住まいになっている人たちからの素朴さを感じたり、
そして清冽な湧き水の流れを見つめたりすると、
私の心の中は、まぎれなく心のふるさとに帰還したかのような至福の時でもあった・・。



《つづく》





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