あんたはすごい! 水本爽涼
第百三十四回
「そうでしたか…。一連のことを沼澤さんに一度、話してみようか…と思ったりしてるんですよ。どうもこのままじゃスカッとしなくて…」
「さっきも云ったけど、そうした方がいいわ。私もさあ、三日前に沼澤さんが来られた時に、ちょっと訊(き)いてみたのよお」
「ほう、ママが…。何か変わったことでもあったんですか?」
「あった、ってもんじゃないのよ。ねえ、早希ちゃん」
「そうですよね。あんなこと、まぐれで起きることじゃないもん」
「いったい、何があったの?」
私は早希ちゃんの方へ顔を向けて訊いた。
「いつだったかしら? 宝クジの話、ママから聞いたでしょ。憶えてる?」
「ああ…。ママが小口を当てたって話ですか?」
今度はママの方へ顔を向け、私は云った。
「そうなのよお~。それがさあ~、ひと口じゃないのよ、今度は!」
「えっ! 一等とか、ですか?」
「馬鹿ねぇ~。そんなの当たる訳ないじゃないの。やっぱり小口だったんだけどさあ。…でも、組違いのが三枚。三枚よぉ~!」
三枚と云うところを強調してママは云った。
「組違いで三枚とは、馬鹿当たりじゃないですかぁ~!」
「わぁ~!」
隣の児島君も驚きの声をあげた。
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第百三十四回
「そうでしたか…。一連のことを沼澤さんに一度、話してみようか…と思ったりしてるんですよ。どうもこのままじゃスカッとしなくて…」
「さっきも云ったけど、そうした方がいいわ。私もさあ、三日前に沼澤さんが来られた時に、ちょっと訊(き)いてみたのよお」
「ほう、ママが…。何か変わったことでもあったんですか?」
「あった、ってもんじゃないのよ。ねえ、早希ちゃん」
「そうですよね。あんなこと、まぐれで起きることじゃないもん」
「いったい、何があったの?」
私は早希ちゃんの方へ顔を向けて訊いた。
「いつだったかしら? 宝クジの話、ママから聞いたでしょ。憶えてる?」
「ああ…。ママが小口を当てたって話ですか?」
今度はママの方へ顔を向け、私は云った。
「そうなのよお~。それがさあ~、ひと口じゃないのよ、今度は!」
「えっ! 一等とか、ですか?」
「馬鹿ねぇ~。そんなの当たる訳ないじゃないの。やっぱり小口だったんだけどさあ。…でも、組違いのが三枚。三枚よぉ~!」
三枚と云うところを強調してママは云った。
「組違いで三枚とは、馬鹿当たりじゃないですかぁ~!」
「わぁ~!」
隣の児島君も驚きの声をあげた。