あんたはすごい! 水本爽涼
第百五十三回
結局、沼澤氏が突然、店に出現したという怪談じみた話は、単なる笑い話で一件落着した。
「そうそう、沼澤さん。前回お会いしてからしばらく経(た)ちますが、私の身の回りで今まで以上の大きな異変が起こり始めたんですよ。それに突然、お告げも聞こえてきましたし…」
「そりゃ、そうでしょう。時期的に考えますと。決して不思議なことじゃありません。むしろ当然で、少し遅いくらいです。しかし、今起きていることなど、今後のことを考えりゃ、ほんの些細(ささい)なことなのです」
「えっ! どういうことでしょう?」
「この話は前にも云ったと思いますよ。あなたは日本の、いや全世界の救世主となるんです。だから、『あんたはすごい!』って、二度、今回で三度目ですが…、云ってる訳です」
「いやあ…益々、分かりませんが…」
「気にされずとも、そのうち自覚されると思います」
「それにしても沼澤さん、どうしてあなたにそんなことが分かるんですか?」
「ははは…。曲りなりにも霊術師を名乗り、教室まで開いておるんです。塩山さんほどではないにしろ、私にも玉から授かった多少の霊力はございます」
「その霊力で玉と交信されたと?」
「はい、そのとおりです。私が云ったことは、すべて玉に訊ねた結果、返ってきたお告げなんですよ。今現在のあなたなら、信じてもらえると思いますが…」
「ええ、もちろん信じます。信じますとも…」
私はお告げを聞いた段階から玉の霊力の存在を確信していたから、はっきりと沼澤氏に返した。
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第百五十三回
結局、沼澤氏が突然、店に出現したという怪談じみた話は、単なる笑い話で一件落着した。
「そうそう、沼澤さん。前回お会いしてからしばらく経(た)ちますが、私の身の回りで今まで以上の大きな異変が起こり始めたんですよ。それに突然、お告げも聞こえてきましたし…」
「そりゃ、そうでしょう。時期的に考えますと。決して不思議なことじゃありません。むしろ当然で、少し遅いくらいです。しかし、今起きていることなど、今後のことを考えりゃ、ほんの些細(ささい)なことなのです」
「えっ! どういうことでしょう?」
「この話は前にも云ったと思いますよ。あなたは日本の、いや全世界の救世主となるんです。だから、『あんたはすごい!』って、二度、今回で三度目ですが…、云ってる訳です」
「いやあ…益々、分かりませんが…」
「気にされずとも、そのうち自覚されると思います」
「それにしても沼澤さん、どうしてあなたにそんなことが分かるんですか?」
「ははは…。曲りなりにも霊術師を名乗り、教室まで開いておるんです。塩山さんほどではないにしろ、私にも玉から授かった多少の霊力はございます」
「その霊力で玉と交信されたと?」
「はい、そのとおりです。私が云ったことは、すべて玉に訊ねた結果、返ってきたお告げなんですよ。今現在のあなたなら、信じてもらえると思いますが…」
「ええ、もちろん信じます。信じますとも…」
私はお告げを聞いた段階から玉の霊力の存在を確信していたから、はっきりと沼澤氏に返した。