水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

明暗ユーモア短編集 (62)個人と集団

2022年02月06日 00時00分00秒 | #小説

 個人ならスイスィ~~っと出来ることでも、集団となれば、出来るまでが手古摺(てこず)る。明るい気分で軽くスイスィ~~っといくには、数が多くない方がいい・・という結論に至る。出来ないと暗い気分になる。集団で決める事案・・例えば昨今のワクチン接種なんかがそれに当たる。外国をあてにした予算組みではダメ! ということだ。無駄な予算は削り、ワクチンや厚生のための治療方法、研究開発費の財源に回せば…などと、ついつい個人で考えてしまう。集団だと、集団に押しつぶされ、何を言っとるんだっ! と叱(しか)られるのが落ちで、♪ハイ、それまでぇ~よぉ~♪と、過去に流行(はや)った歌のように暗い気分で歌わざるを得なくなるだろう。♪誠にぃ~遺憾(いかん)にぞんじまぁ~すぅ~♪なのである。^^
 とある政治家と私設秘書が話をしている。
「どうなってるんだ、アレはっ!?」
「ああ、アレですか、先生。大丈夫ですっ! お時間には届きますからっ!」
 私設秘書は笑顔満面に明るく答えた。
「届きますって君っ! ナニだよっ!?」
 政治家は少し不安に思ったのか、暗く強調して訊(たず)ねた。
「ナニですよねっ!? ちゃ~~んとデリバリーしてますからっ!」
「デリバリーっ! 何を言っとるんだっ、君はっ!!!」
「えっ!? アレですよねっ!? うな重の特上と白焼き、肝吸い付きっ! 私の分も取っときましたっ!」
 政治家はこの瞬間、集団はダメだな…次回から個人で書こう…と、選挙演説の草稿[アレ]を思った。
 集団は明るい個人の意思を暗く阻害(そがい)するのである。^^

                   完


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