水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

明暗ユーモア短編集 (79)いい国

2022年02月23日 00時00分00秒 | #小説

 いい国とは? と、考えたことはありませんか? いい国? …いい国[1192]作ろう鎌倉幕府・・である。^^ いい国に住んでいれば、自然と心は明るくなるはずだ。いい国に住みながら気分が暗い人は、まあ、余程の変わり者か、例外を除いては、いないはずである。^^ 最近のニュースでも流れたように、軍事クーデターが起こるような国が、いい国だとは誰も思うまい。
 どこにでもいるようなフツゥ~の中年二人が、とある街のとある歩道を歩きながら話をしている。^^
「お前、この国がいい国だと思ったことはないか?」
「んっ? …別に考えたこたぁ~ねぇけどなっ!」
「そうか…。俺はいい国だと思ってんだっ!」
「どうして!?」
「どうして!? って、美味(うま)いものも鱈腹(たらふく)食えるし、何でもある。言いたいことも言えるし、悪いこと以外は何でも出来るだろっ!?」
「… ああ、まあそう言われりゃそうだわなっ!」
「いい国に住んでいれば、自然と心は明るくなるっ!」
「そんなもんかねっ! 俺はちっとも明るくならねぇ~がなっ!」

「どうして!?」
「どうして!? って、ほらっ! また、ポイ捨てゴミだっ! いい国に住んでる…と思うヤツらがポイポイ捨てるかっ!?」
「思ってねぇ~ってことかっ!?」
「思ってねぇ~というより、考えてねぇ~んじゃねぇ~かっ!?」
「まあ、考える必要がねぇ~ほどいい国だってことも言えるがなっ!」
「ああ…。だが、そんなヤツらは暗いだろうなっ!」
「ああ、暗い暗いっ! ソマリアあたりに住みゃ~いいんだっ!」
「だなっ!!」
 二人の結論は出たようである。
 どうせ生きるなら、明るい気分で過ごせるいい国にしたいものである。暗い気分で暮らさねばならない国が、いい国である訳がない。…ということは、我が国は今、いい国ではないということになります。^^

                  完


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