水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

明暗ユーモア短編集 (68)発見

2022年02月12日 00時00分00秒 | #小説

 (67)発明があれば当然、発見もある。発見の場合は、積極的に思考を重ねた結果・・というのではなく、いろいろとゴチャゴチャやってるうちに偶然、新しい事実を知った・・という場当たり的な要素が強い。まあ、場当たり的だろうが新しくいい発見ができれば明るい未来が予想され、それに越したことはないのだが…。ただし、飽くまでも地球が明るいいい方向へと向かうことが前提であり、暗くなる悪い方向へと向かう内容[原子力核、生物化学兵器etc.]は発明、発見と呼べるのか? は、疑問が湧くところだ。^^
 いつかは忘れたが、^^ いつやらの、とある子供二人が退屈そうに春の暖かな木陰に座り、話をしている。
「僕、新しい発見をしたよっ!」
「ふぅ~~ん! どんなっ!?」
「うちの爺(じい)ちゃん、洗面所で入れ歯はずすと、必ず右棚の隅に置くんだっ!」
「馬鹿だなぁ~、そういうのは発見とは呼ばないのっ!」
「どうしてっ!?」
「だって、それはただの癖(くせ)だろっ!? 発見ってのは、もっと気持が明るくなる素晴らしい出来事だよっ!」
「たとえばっ!?」
「たとえばっ!? たとえば、うちの父ちゃんがへそくったとき、母ちゃんにやさしくなるとか…」
「ははは…それも発見かどうかっ?」
「違うね…」
「僕ね、35点の答案用紙、隠してたの。それをこの前、母ちゃんに発見された…」
「ははは…それは発見だなっ! お見事っ!」
 どうも、暗くならず明るく笑え、お見事なのが発見のようだ。^^

                   完


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