人の世は苦が付いて回る。日々の苦を和(やわ)らげたり取り除いてくれるのが楽である。楽が足らないと苦が蓄積し、身体や心に障害を与えることになってしまう。だから、苦のあとは楽が必要になるという訳だ。だからといって楽ばかりだと身体がダラけて、いざというときに使いものにならいから困ったものだ。遊び癖(ぐせ)がつく・・というやつだ。^^
どこにでもいそうな二人のお年寄りが語り合っている。
「最近は、なんか苦が多くなりましたなぁ~」
「そうそう! ウイルス騒ぎとか、いろいろありますからなぁ~」
「私らの若い頃は苦楽がいい具合に起こってましたが…」
「そうそう! 適度にでしたな。今は過激に起こりますからなぁ~」
「マスコミの情報が入りやすいからでは?」
「それは言えますっ! 知らないと苦にならないことが、知れてしまうから苦になる…」
「マスコミの情報が入らない離れ島ででも暮らしますかっ!?」
「ははは…それはそれで気分は楽ですが、身体が苦になろうかと…」
「ははは…それもそうですなっ!」
苦楽が足らないのも多過ぎるのも、人の世では生き辛(づら)くなる訳である。^^
完