(23)頭に続き、頭(あたま)2である。^^ 君は頭(あたま)が足らないと言われれば、誰だって腹が立つだろう。だが、頭の良し悪しは生まれ持っての天分だから、こればっかりはどうしようもない。^^
とある会社である。
「瓦(かわら)君はいるかっ! これのコピー、頼むっ!」
課長の雨漏(あまもり)が、書類を手に課長補佐代行の瓦を大声で呼んだ。そのとき、瓦はデスクで急ぎの書類を作成中だった。瓦にすれば、『頭がいい課長補佐の樋(とい)がいるだろっ!』くらいの拗(す)ね気分である。というのも、前回の人事異動で同じ課長補佐代行だった樋に出世コースで先を越されたからだ。まあ、分からないでもない。^^
「すみません! 課長。今、急ぎの書類をやってますので…」
「こっちだって急いどるんだっ!」
「常務に頼まれた書類なんですが…」
「…常務の板戸(いたど)さんから?」
頭がいい雨漏は、次の異動の次長昇格をふと、思った。
「ああ、それならいいんだっ。ははは…」
「いいんですか?」
「ああ。いい、いいっ! 樋君、頼むっ!」
樋にすれば、チェッ! 気分である。頭がいい雨漏は方便を使い、樋を追い抜いたのである。
頭が足らないと、地位に関係なく仕事がしづらくなるのである。^^
完