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水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

足らないユーモア短編集 (15)メンバー

2022年07月09日 00時00分00秒 | #小説

 メンバーが足らない・・などとよく言う。チームのレギュラーメンバーなんかだと、足らなければ試合に支障が出てくる。
 とあるプロ野球の試合である。読切ピグミーズの監督、波良(はら)は、さて、どうする…? と受話器を置きながら考えた。そろそろ眠るか…と思った矢先の深夜、突然、コーチから電話がかかったのだ。その内容は、四番打者の角(かく)が事故で怪我をしたというものだった。命に別状はないものの、全治三ヶ月の重症だという。ということは、日本シリーズの出場は絶望的ということになる。事故がリーグ優勝のあとだったことを考えれば不幸中の幸いだったが、日本シリーズは制覇せねばならない。そんなときの重要メンバーの欠落である。そうか…くらいの選手であれば、足らなくてもいい訳だが、シリーズ制覇を左右するとなれば、これはもう、考える訳である。^^
 さて、重要メンバーが足らないシリーズの結果がどうなったのか? だが、読者の皆さんだけにお話することにしよう。メンバーが足らないにもかかわらず、読切ピグミーズは見事、優勝を果たしたのである。監督の采配が好結果を生んだのである。
 メンバーが足らない場合でも、結果が必ずしも悪い・・とは限らないということだ。陣頭指揮するトップ次第ということになる。^^

                   完


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