栄養が足らないと、生物は衰弱する。動物、植物を問わずである。この男、鈴熊(すずくま)も栄養失調で、すっかり弱り果てていた。身体は壮健で大柄の鈴熊だったから、傍目(はため)からすれば誰もが、アイツに弱るとこがあるんかいっ! くらいに見えるのだが、傍目からは見えない鈴熊の心は栄養失調になっていたのである。ところが、その足らない栄養が、困ったことに本人の鈴熊にも分からない。困ったことに・・である。分からなければ、その足らない栄養を補給し、栄養失調から脱することは出来ない。ということで、鈴熊は原因を探ろうと益々、衰弱していったのである。その足らない栄養が分かったのは、ひょんなことが原因だった。好物の鮭を、ここしばらく食していなかったからだった。^^
まあ、足らない原因が、つまらないところにある場合もあるということである。^^
完