⑲今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――正則はさらに使いをやり、「貴殿は清洲城での約束をきたなくも破った。いましばし城攻めを中止して拙者と勝負せよ」と申し入れると、池田輝政もさすがにこの執拗(しつよう)さに手を焼き、辞を低くし、「昨暁(さくぎょう:きのうの夜明けがた)、われ . . . 本文を読む
⑱今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――翌三年、秀秋は小早川家に入った。隆景は安堵し、毛利家の養子については自分の末弟にあたる穂田元清の子の宮松丸を入れて事をおさめた。秀吉の小早川秀秋に対する愛はなおもつづき、第二次朝鮮出兵では、この秀秋を自分の名代として総大将にしている。 . . . 本文を読む
⑰今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――この日の、前々日のことである。湖岸の佐和山城の奥ノ間で、三成の家老島左近が、三成にしきりと弁じた。「ご決意あそばせ」ということである。家康が東下の旅行を開始している。東海道を用いているため、途中、この近江の南部地方を当然、通過する。「 . . . 本文を読む
⑯今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――三成には類のない能力がある。いざ挙兵ときまると、電光石火のすばやさでその「事務」を片づけてゆくことだ。稀代の能吏といっていい。それに、計画規模がつねに全国的であるということだった。かれの脳裏には、日本列島の極彩色の地図がつねに存在して . . . 本文を読む
⑮今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――家康自身のことである。が、家康は、目に涙をうかべてそれをいった。「治部少輔(ちぶのしょう)が、おのおの申されるごとく好戦ならば、それがしも豊臣家の大老職に任じている者でござる。時節到来を待ち、大老の職分上、それがしが討ちます。そのとき . . . 本文を読む