㉔今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――戦勢は、有利であった。天満山の山麓では、字書多隊が余裕をもって福島隊以下をあしらっているし、この石田隊の前面の敵は何度か撃退きれている。(しかし、南宮山も松尾山もまだうごかぬ)いま山を駈けおりれば、味方の勝利はだれの目にも確実ではない . . . 本文を読む
㉓今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――勝った、とおもった。じつは物見が霧のなかを駈けもどってきて、家康が桃配山(ももくばりやま)に本陣を置いた、ということを告げたのである。家康にとって最悪の場所であった。三成は当初、家康がどこに本陣をおくかということをあれこれと想像してみ . . . 本文を読む
㉒今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――岐阜で家康は諜者を大垣方面に放ってみたところ、なお大垣の西軍陣地に変化がないことがわかった。ここにいたってもなお西軍は家康がほんの四、五里さきまで来ていることに気づかないのであろう。(おどろくべきうかつさだ)と、家康は敵の三成の力量を . . . 本文を読む
㉑今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――三成はそういって、宇喜多秀家の旅館を出た。城にもどると、一同が騒いでいる。西方の天にしきりと火煙があがっているという。三成はいそぎ天守閣へのぼった。(なるほど)方角は西である。中山道垂井から関ケ原にかけて黒煙があり、すでに薄暮(はくぼ . . . 本文を読む
⑳今回のシリーズは、石田三成についてお伝えします。三成は巨大な豊臣政権の実務を一手に担う、才気あふれる知的な武将です。――――――――――――――――――――――――「兵力を分散しすぎまするな」と、この大戦略をたてた当初、謀臣(ぼうしん)の島左近が首をひねって消極的な反村をした。が、積極的に三成の構想に反対する能力は左近にはなかった。左近の得意とするところは、局地戦闘の指揮にある。三万の兵を指揮し . . . 本文を読む