へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

リタイアからの生還

2014-05-06 06:59:23 | 旅とランニング
 萩250km14回目のゴールを果たしたのは先述のとりだが、実は今回ほどリタイアの文字が頭をよぎったことは無かった。

 そもそも3月の月間走行距離は、たったの80km・・・これを穴埋めするかの如く、先週、九十九島99kmを走ってきたのだが、これで右脚付け根に疲労がたまり、右ひざ内部に軽い痛み、加えて日々の疲労で右のどの扁桃腺が腫れ、出発直前まで扁桃炎の薬を飲んでいた。

 3月末に沖縄から福岡に引っ越して荷解きも完全ではなく、2日の朝、ライトを探し、電車の中で電池を入れ替えるがつかない。??仕方なく、スタート1時間半前に山口市内のコンビニで買う。(笑)

 ウエアも持ってきたものが暑そうだったので、うどん屋の横の臨時のショップで購入~すべては現地調達の「借り物競走」(笑)


 今回、参加者は更に増え、第6ウエーブでのスタートとなった。知り合いだらけだが、ウエーブのトップにそれこそ、上位争いをするメンバーがいたものだから、あっという間に集団から孤立・・・


 昨年より1時間から1時間半遅れ・・・こういう時、走行距離は精神的な保険になる。よって、今回の私は不安にさいなまれた。普段走ってないのに最後までもつのか??

 そして、平均睡眠時間4時間がたたり、途中、何度も襲ってくる睡魔・・・いつも辞めたくなるのは青海島に渡って鯨墓のところだ。今回もリタイアを考えはじめ、鯨墓でチェックすると、そのまま資料館入口であおむけになった。

 日は暮れ、行き交うランナーもまばらになった。周囲を収容バスがサメのように巡回している。そう、私にはサメにしか見えなかった。小魚(私のこと)を狙う大きなサメ・・・

 まもなく、鯨墓をあとにし、とにかく前へ進むことにした。仙崎に着いてから今後のことを考えよう・・・

 たぶん、この時、暗闇ですれ違ったランナーも同じような胸中にいたのかもしれない。

 21時半、仙崎到着・・・実は昨年、この時間には、もう宗頭に着いていた。思わず、去年の自分と比較してしまう。仙崎のスタッフに思わず、「ここは何時までですか?」なんて無意味な質問・・・それを知って、あんたは何がしたいのか?

 そう、セミナーで自分が言った、「何のために参加したのか?」という質問をあらためて何度も自身に繰り返した。その結果、出てきた答えは「14回目の完踏を果たし、来年の15回目につなげるため。」だ。だが、それだけ明確な目標がありながら、お願い、今回は見逃してくれ・・・と言っている自分がいた。それだけ、睡魔と寒さは強烈なパワーを持つのだ。

 腰かけた椅子からおもむろに立ち上がり、とにかく宗頭を目指すことにした。寒さのおかげで、いつもは歩くところも歩かずに済んだ。宗頭にたどりつく時には、より一層寒くなり、手袋をしているのに手が冷たい。

 午前0時をまわって到着・・・日本縦断のメンバー兼今回のスタッフが迎えてくれた。思わず出た言葉が「やめよっかな・・・」「何言ってんだ、早く荷物を受け取れ。」叱咤され、荷物を渡されて中へ。

 
 寒いので、とにかくお風呂へ。ちょうど数名があがったところで脱衣所はごった返えしていたが、幸い、中は誰もいない。たっぷり湯の入った浴槽にカラダを鎮め、大の字になって寝た。

 もどって食事をしていると、だんだん心が元気になってきた。そう、脚は、さほど疲れていない。心に元気が無くなっていたのだ。そのまま2階へ上がる。もうこの時間(午前1時過ぎ)になると、さすがに布団にくるまって寝ているランナーは10人程度しかいない。いったい、この中で何人がゴールラインを踏むことができるのだろうか・・と考えながら、もう、すでにこの時は「ゴール」の文字を頭に思い描きつつ、眠りに入る。

 30分後、目覚め、午前2時ちょうどにスタート。スタッフが「大丈夫だ。」と送り出してくれる。そう、すでにこの時、自分でも大丈夫だと思った。実は、午前2時スタートというのは過去の中で最も遅いスタートなのだが。

 そうそう道草もくっては、いられないので、基本、走れるところは走るスタンスで前へ進む・・そうしているうちに、過去最遅のペースに追いついた。虎が先午前8時到着は、今までで最も遅い時間だったが、ここでカレーの大盛りを食べ、東光寺到着は午前10時、この午前10時というのが、私の中での完踏確定圏内だったので、ようやく安心することができた。あとは、極論、すべて歩き通してでも午後6時にゴールできる・・・

 でも、結局、走れるところは走った。さざなみ豆腐は売り切れ10個手前だった。ここが午後2時35分・・・そう、ここを3時に出ても間に合うのだ。

 ゴールを確信し、自信を持って前へと進む・・・

 
 そして午後5時半過ぎ、坂を下って、14回目のこの場所に戻ってきた。苦労した分だけ感動があるって本当だ。あの時、自分の心に負けないで本当に良かった。

 これで来年、15回目を目指してまた頑張れる・・・
コメント
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