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すごい本に出逢った 『袴田事件を裁いた男 エリート裁判官・熊本典道の転落』 尾形誠規

2025年01月15日 | 法律・海外法務
すごい本に出逢った。


『袴田事件を裁いた男 エリート裁判官・熊本典道の転落』

あの、袴田巖さんの事件。地裁判決の、右陪席裁判官。無罪だと思っていた。でも、多数決で、死刑判決を書く羽目に。

良心の呵責に苛まれ、すぐ裁判官を辞め、弁護士になり、酒に負け、離婚したり、生活保護を受けるくらいに、落ちぶれた。


袴田巖さんが、刑務所でクリスチャンになった。






その袴田が見る宗教世界を覗いてみようと、熊本元裁判官も、クリスチャンになった。




袴田君の心境に、少しでも近づきたい。

自分が死刑にした死刑囚がクリスチャンになったから、自分もクリスチャンに。

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死刑判決を書く前に、裁判官なのに、わざわざ拘置所に行って、死刑囚に話を聞きに行く。

法曹的には、考えられないほどの行動力。





良心が強すぎた、のでしょうか。

ゆえに北村晴男弁護士にも尊敬された。






袴田巖さんの、姉の、秀子さんも、素晴らしい。

報道写真とかで、90歳を超えても、矍鑠としていることは、知っていた。

それだけではない。

圧倒的な、徹底的な、地を震撼せしめるほどの、ポジティブ。




どうってことねーよ。

無罪なのに半世紀も拘留されている。

その可愛い弟の、巖に比べれば、ぜぇーんぶ、どうってことねーよ。

秀子さんに接した者は、みな、この「秀子ウィルス」に感染する。

秀子なくして巖なし。

袴田巌の勝利は、実姉・秀子の勝利でもあった。

「世界一の姉」という本も出ている。



間違いない。

秀子さんは世界一です。


ーーーーーー




自分が最も嫌いな人の人権を守ってこそ、初めて権利を守るということになる。



それが裁判官の使命。

素晴らしい。

裁判官どころか、全法曹、そして全国民の使命ではないか。

この本からの他の学びは、別稿で。
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