① ""重さ2トンの巨大ホホジロザメ ウミガメ食って窒息死!大阪の漁師が釣り上げる""
重さ2トンを越える巨大ザメが先月、和歌山県沖の太平洋で、たった1匹のウミガメに敗北するできごとがあった。
ケンケン漁をしていたら
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ケンケン漁とは和歌山県特有の漁法(和歌山県水産振興課)
グレッグ・ヴェラさんは、大阪を活動拠点とする硲インターナショナルのCEOで、ふだんは漁師や写真家の顔を持つ。
先月半ば、和歌山県沖の太平洋で、船を走らせながら複数の疑似餌(ルアー)を使って、マグロやカツオを釣るという、この地域特有の「ケンケン漁」に挑んでいた際、漁業無線でホオジロザメの出没情報を耳にしたが、その数日後に実物とお目にかかるとは想像していなかったという。
サメはエサ箱の近くで漁網に絡まって死んでいるのが見つかり、巨大な口いっぱいにウミガメが詰まっていたことから、窒息死したものと思われる。
ウミガメはサメを避ける達人…のはずが
(米カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のサメの専門家クリス・ロウ先生(Chris Lowe@CSULBsharklab))
ホホジロザメによる人身事故が世界で最も多い米西海岸で、サメの生態を研究するカリフォルニア州立大学ロングビーチ校のクリス・ロウ(Chris Lowe)教授によると、ホホジロザメの捕食能力は非常に優れているが、一方でウミガメは例外的にサメの攻撃を逃れるのが巧みだという。
ウミガメはホホジロザメが接近してきたことを察知すると、体を回転させるようにして、常に硬い甲羅がサメに向くように横向きで泳ぎながら逃げる。ただ、カメが病気やケガなどの理由で忍び寄る敵に気づかなかった場合は悲劇が待っている。
(グレッグさんたちが釣り上げた釣果もすべてサメの胃袋に?(Commercial Salmon, Albacore & Crab Fishers) )
サメを窒息死させられるのは、カメだけではなく、フグ科のハリセンボンだって用心しなければならない相手だ。ホホジロザメは、常に口を開けて海水を取り入み、その中に溶けている酸素をえら呼吸しているが、ハリセンボンが口の中で膨らむと、海水の流れがさえぎられるからだという。
今回、グレッグさんが遭遇したサメは体重2040キロ。最期はカメと一緒に天に召されたが、それまでは釣果をさんざん食い荒らして、満腹だったはずだ。
(漁師にとって、サメの被害は甚大だ(Commercial Salmon, Albacore & Crab Fishers) )