◎◎ トランプ氏とバイデン氏、コロナ巡り相反する主張-同時刻TV集会
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バイデン氏はコロナ対応批判、トランプ氏「素晴らしい仕事」と自賛
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トランプ氏、今回は白人至上主義を否定-陰謀論のリツイート釈明も
◇◇◇ 米大統領選の第2回候補者討論会は中止となったが、共和党の現職トランプ大統領と民主党候補バイデン前副大統領は15日、同じ時間に別の場所でそれぞれタウンホール形式の集会を開催した。イベントはテレビ中継された。
□■ バイデン氏はトランプ氏の新型コロナウイルスへの対応や経済運営を批判。一方、トランプ氏は自分は新型コロナ対策で「素晴らしい仕事」をしたと自賛したほか、陰謀論のコメントをリツイートしたことを釈明した。
◇◆◇◆☞☞ 両氏の演説スタイルと内容は対照的で、バイデン氏のイベントが政策の公開セミナーのようだったのに対し、トランプ氏は陰謀論を唱える極右勢力「Qアノン」の主張などに言及した。
▼▼△△ バイデン氏はABCが中継したフィラデルフィアでの集会で現政権の新型コロナ対応について、「主導するのは大統領の責任だが、彼はそれをしなかった」とトランプ氏を批判。一方、トランプ氏はNBC中継のマイアミ集会で、「われわれは200万人を救った」と主張した。
♤♤☞ トランプ氏は第1回大統領候補討論会では白人至上主義を否定しなかったが、今回は質問に答える形で否定する考えを明言した。また同氏は陰謀論をリツイートしたことについて、「私は多くのリツイートをしており、率直に言えばメディアは極めてでたらめで堕落しているため、ソーシャルメディアがなければ私は考えを公表できなくなるだろう」と語った。
⇨⇨ Qアノンについて問われ、トランプ氏は自分はよく知らないため否定できないとした上で、「彼らが小児性愛に強く反対していることは知っている」と述べた。
□□☞☞ 一方、バイデン氏は自分は合理的に行動することによって新型コロナを抑え込むつもりだとし、企業や学校がコロナ禍を乗り切るのを支援する自身の計画をアピールした。さらに、米経済はV字回復すると大統領が主張していることについて、「彼はV字回復を語っている。しかし現実はK字回復だ」と、コロナ禍を受けた格差拡大を指摘した。
▼▼▼ トランプ氏は4億ドル(約420億円)の負債があるとの報道について、確認したと受け取れる発言をしたが、債権者の具体名は示さなかった。同氏は「4億ドルは微々たる額であり、低レバレッジだ」とし、「通常の銀行のレバレッジであり、大したことではない」と説明した。
原題:
Trump, Biden Clash Over Virus in Dueling TV Town Hall Events(抜粋)
◎◎ VでもLでもない K字に裂ける分断相場
編集委員 藤田和明
- 2020/8/8 2:00
- 日本経済新聞 電子版
○●○● コロナ禍からの回復は「K字型」に――。こうした指摘が市場で説得力を増している。急回復する「V字型」、時間がかかる「U字型」、低迷を抜けられない「L字型」といった議論よりも、強いところがより強く、厳しいところはさらに落ちていく二極化の議論だ。それを上向きと下向きが離れていく「K」の形になぞらえる。
強い企業はより強くなる。4~6月期決算を踏まえて代表する企業を挙げるなら、1つは医療情報のエムスリー…
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