こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

市立病院の今とこれからを考える・・・病院問題で議員総会

2015-06-29 23:37:41 | 泉大津市立病院問題
今日は、午後から病院の経営問題で議員総会。

2013年8月に策定し、2014年度の終わりまで、約2年間取り組んできた「緊急対策プログラム」の成果についての報告がテーマです。


この週末、公私ともども忙しく、ゆっくり落ち着く時間がない中で、全部で58ページの資料をどこに行くにも持ち歩いて読みました。

そして昨夜は、過去の「計画」や、自分自身が発言してきたことを振り返りました。


この数年間、市立病院の問題で議会の中でも様々な議論がありました。

「一般会計からの繰り入れ」というのが問題になります。

「赤字の病院が市財政にとって負担」とも言われます。


以下、今日の議員総会で発言したことの要旨をまとめておきます。



「緊急プログラム」は「医療の目標」と「経営の目標」のふたつを掲げて取り組まれた。

このふたつは、いわば「車の両輪」なのだと思う。

「経営の目標」については、掲げた「2012年度に比して3億円の改善」には及ばなかったものの、ほぼそれに近い収支改善となった。


報告の全体を聴く中で、私自身はこれからの市立病院のあり方を考えるうえで明るいものを感じ取ることができた。

第1に、「市民への情報発信の質と量の変化」。

HPがリニューアルされたが、親しみやすくわかりやすい、体系だった情報提供がされているのが嬉しい。

毎月の広報紙の紙面をさいて、取り組まれている特徴的な医療についてアピールもされてきた。最近の例では地域周産期センターの紹介も、「もっとアピールして欲しい」と何度か言ってきた。

出前講座の取り組みも充実している。

「病気を治す」だけでなく、市民の健康を守る拠点としての自治体病院ならではの情報発信に一層力をいれることを要望した。


第2に、「地域医療の中核としての役割の発揮」。

市内の全ての診療所と「登録医」の契約を結んだことが報告された。

平日の夕方、診療所の開業時間に合わせて午後7時半までは地域医療連携室で紹介患者の受け入れに対応できる体制をとっていることも報告された。

市民、患者にとって身近な診療所、かかりつけ医と市立病院との連携は、従来から言われてきたが、「形」と前進していると思う。


第3に病院スタッフの確保と配置。

1階ロビー受け付けで看護部長、看護師長等が案内、病棟クラークの配置、地域医療連携室の充実など。

これまで、事務局職員は本庁の人事異動と併せて、短期間のサイクルで入れ替わりがあることに疑問を抱き、そのことを率直に指摘したこともある。

今後の取り組みのなかでは「事務職も含め職員採用は原則的に病院専属の職員とする」ことが明記されている。

昨年10月から実施されている公営企業法の全部適用は、病院の財政・人事に独立した責任と権限をもつ体制でもあり、病院経営という専門的な知識を経験を必要とする職場にふさわしい「人の採用、養成、配置」を求めた。



「市民と患者にしっかりと目をむけた、市民のための市立病院」として運営されること、そういう病院の姿をアピールすることが、よりよい人材の確保にもつながり、それによって「信頼される病院」として経営的にも安定する好循環をつくるのではないかと思う。


「緊急プログラム」に基づく取り組みの成果は、今、すぐ数字にあらわれるものばかりではなくても、これから実を結んでいくことだろうと期待を持てるものだと私は思います。



一方、国の医療政策のもとで、公立病院の運営は今後も厳しいものがあるだろうと思います。


だとしても、自治体が直営の病院を持っていることの意味は、大きなものがあります。

考えるほどに、そのことを深く感じるようになりました。


福祉や教育、防災等、自治体が取り組む事業の全体に関わって、取り組みの質を変える可能性を持っているということを考えます。


第4次総合計画で掲げた視点のひとつ「安全・安心」のまちづくりにとって、病院の果たす役割を鮮明に打ち出し、そのことを今後、策定される「新・改革プラン」に位置づけることを求めました。



8年ぶりで、市立病院に入院し、土曜日に退院したばかりの方の声を聞きました。

「お医者さんも、看護師さんも、何もかもが、8年前よりずっとよかった」と言われました。

その一方、外来で通院した方から、疑問、不満の声も届いています。

いいことも、残念なことも、ひとつひとつの声が生かされて欲しいと思います。


それができるのも、自治体病院だからです。





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