やあやあやあ、読者諸賢、ご機嫌いかが?ハウリンメガネである。
先週の土曜は『スターマン★アルチ』が書いたジョン・オーツのライブレポートに注力したホール&オーツの総括が、かなり濃口の書き味で「おお、さすがスターマン。ロックマニアなだけあるわい。後輩ながらあっぱれ」と無駄に先輩風を吹かせてみたりした私。(まだ読んでいない方は以下のリンクでそちらも読んでくれたまえ!)
https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/19d8a2e57d5f0cc22e7d7c648a9b8e1d
で、せっかくなので今週は私もそれに便乗してホール&オーツについてポロポロと書いてみましょうというお話(というか正確にはスターマンと同じタイミングで編集長から「ホール&オーツ解散しちゃったみたいだからこのタイミングで彼らの音楽をちゃんと紹介しとこうよ」とのオーダーがあったのだけど、「え〜、なんか解散にかこつけて書くみたいで嫌なんですけど」と渋っていたら後日「来週スターマンがホール&オーツのライブレポート中心に書くから!じゃ、よろしく!」という(分かってんだろうな?)という圧をかけられて筆を執っている次第。う〜ん、体育会系の厳しさよ)。
さて、ホール&オーツ。
そもそも今、この人たちをちゃんと聴く人っているのだろうか。
残念ながらそんなに多くはないはずだ。どうしたって一般層の認識は「80年代洋楽ヒットチャートを賑わせたグループ」だろうし、ちょっと詳しい人でも「ブルー・アイド・ソウルの人たちでしょ?」という感想がいいところだろう。
確かに80年代にヒットを飛ばしたのはその通り。ブルー・アイド・ソウルの先駆け的存在というのも正しい。
が、本当にそれだけか。
本 当 に そ れ だ け な の か ?
思い出して頂きたい。
ダリル・ホールってフリップ先生の関係者なんだよ!
何を隠そう、ホールは先生のソロアルバム(エクスポージャー)にボーカルとして参加しているし、ホールの1stソロアルバム(セイクリッド・ソングス)のプロデューサー兼ゲストギタリストはフリップ先生。
つまり、クリムゾンファミリーの一員なのである(実際ディシプリンクリムゾンの構想段階ではエイドリアン・ブリューではなくダリル・ホールをボーカルに迎える案もあったそうな)。
その視点でホール&オーツを聴いてみるとどうだ?
エイジアに通じるプログレッシブ・ポップ・ロックに聴こえてこないか?
そう、ブルー・アイド・ソウルと呼ばれがちなホール&オーツだが、そのサウンドはポスト・プログレッシブ・ロック(ニューウェイヴィーと言い換えてもいい)と言うべきアプローチが端々に聴こえるのである!
曲がポップなので一聴しただけだと流されがちなのだが、ちゃんとアルバム通して(できればアナログでな!)聴くと驚くほど「あれっ?こんな凝った音の使い方してんの?」という音がどのアルバムからも聴こえるはずなのである(この視点で聴いてみるとジョン・オーツのギターもディシプリンクリムゾン的な音に聴こえてくるから面白い)。
エイジアやトーキング・ヘッズ、ディシプリンクリムゾンに通じるサウンドアプローチと、二人の書く曲とボーカルコンビネーションの良さ。
その相乗効果によって生まれたのが「ブルー・アイド・ソウル」という呼び名、そしてホール&オーツなのである(オーツが蔑ろにされがちだけど、オーツなくしてホールなし。チャゲ&飛鳥だってチャゲがいないとチャゲ&飛鳥じゃないでしょ?)。
大真面目な話、エイジアが好きな人は絶対気に入るサウンドプロダクトだし、さらに言えば、プログレファンでホール&オーツを聴いてポストプログレの気配を感じない人がいたらそれはあんたプログレが足りてないよ!といいたいほどにプログレの香りがあるのである(曲によってはマグマっぽさもあったりするしなぁ。それをちゃんと黒さの強いポップスに仕上げてるから凄いのだけど)。
残念ながら今になって著作権の売却の絡みで仲違いしてしまっているようだけど、まあそれは人間だから仕方ない(というかホールはフリップ先生と友達になれる人なんだから著作権にはそりゃ煩かろうよ。先生は一時期レコード会社との裁判に集中する為に引退してたぐらいなんだから)。
けれど、そんなトラブルとは関係なく、彼らの音楽は今聴いても多くの面白味に満ち満ちている。
ロックファン、プログレファンこそ是非一聴、再聴をお勧めしたいですなぁ。
というわけで今回はここまで!
もしかするともうちょっとホール&オーツ話が続くやも?
じゃまた!お楽しみに!
<ハウリンメガネ筆>
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