「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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ハウリンメガネが縦横無尽に吠える「メガネの遠吠え!」(第39回) 『ギターのコツを手に入れた!』名手への道はコレか!

2024-11-02 10:13:02 | 『ハウリンメガネ』コラム集

なんてこった!ギターって弾かなくていいんだ!

のっけから「何を言い出したんだこの馬鹿は」「ギターばかり弾いていてとうとうオカしくなってしまったか?」と思われた読者諸賢、ご機嫌よう。

心配ご無用。ドンと正気ハウリンメガネである。

ここ何回か繰り返し書いている通り、この数ヶ月間ピッキングの改善に集中的に取り組んでいた私。

これまで『柔らかく』弾く『力まず』に弾く『弱く』弾く、というキーワードを書いてきたものの、前回の「メガネの遠吠え」で書いた通り、ファンク、それも王道ど真ん中の黒人ファンクのカッティングを真似ようとして「どうにも力む瞬間がある」ことにつまづいたのは皆さま御存知の通り(御存知ない?是非バックナンバーをお読み下さい)↓

https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/cd232ba4d1bbe4753c16ff9df3256544

毎日毎日ひたすらに力を抜いた状態でカッティングを繰り返し、ピックを落としては拾い、落としては拾いを繰り返し、それでもやはり力みは抜けず「ああ、やはり俺にはファンクネスが足りないのか、このまま柔らかくファンキーなカッティングが弾けない男として己の生を終えるのか……」と煩悶しつつ、それはそれ、これはこれ、という事で気分転換にダーティーに歪ませたトーンでギターを弾いていたある夜の事。

急に私のアンプから今まで出た試しのなかったキース・リチャーズ御大のような音が出たのである。

なんだ!?今、俺どう弾いた!?

力を入れず弾いた?柔らかく弾いた?弱く弾いた?

……違う!『弾かなかった』!

その瞬間、私の右手が掴んだ感触、それは『撫でる』だったのである。

感触を忘れないよう弦をピックで『撫で』続ける。

太く歪んで柔らかい、あのロックンロールの音が確かに出ている。

そこではた、と気づく。

『弾く』という文字を「ヒく」と読むにせよ「ハジく」と読むにせよ、そこにはアタック感のあるパン!とハジけるイメージが付き纏うことに。

ギターのボリュームを絞り、クリーントーンにロールバックさせる。

羽箒を振るうようにピックで弦を『払って』みる。

新品のカッターで薄紙を切るようにピックを弦の上で『滑らせて』みる。

拇印を捺すように弦を縦に『押しつけて』からハジいてみる。

……ああ、こんなに単純なことだったとは……

柔らかく太いリードも、ソフトでシャープなカッティングも、唸るようなトゥワンギーなサウンドも、弦を『払い』、ピックを『滑らせ』、時に『押し付ける』ようにハジくことで出せるではないか。

そう、ギターは『弾く』だけの楽器ではない。

弦を『払い』、ピックを『滑らせ』、『押し付け』、『撫で』て音を出す楽器なのである……我ながら気づくのが遅え!

いやはや考えてみれば当たり前のことなのに、ギターを『弾く』という言葉で自らマインドブロックしていたのか、全くもって『弾く』以外の表現で演奏することを思い浮かべることがなかった。

ギター弾きならびに楽器弾き(って書くのがいかんな。まあ普遍的な呼び方なのでこう書くけど)のご同輩諸賢。

是非色々な言葉で演奏を表現しましょう。

言葉一つで世界が拓けることもある。音と言葉が生み出すイマジネーションは無限大だ!

といったところで今回はお開き。

また次回!

<ハウリンメガネ筆>

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