「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

「Jerry'sギター」代表&編集長「MASH & ハードパンチ編集部」が贈る毎日更新の「痛快!WEB誌」

「マッシュルーム・ハイ」広報部長「スターマンアルチ」が放つ!「爆音レコード、45回転!」〜今夜この曲をあなたに〜( 第四回は「アメリカ」)

2019-04-25 16:05:17 | 編集長「MASH」のレコード&CDラック(音楽紹介)
シカゴ
ボストン
テキサス
ヨーロッパ
ベルリン
カンサス
UK
ナザレス
そして
エイジア....
 
えっ今日は地理の話?
いえいえ、違います。

この世界の国々、都市や地域の羅列でピンッ
ときたアナタは、中々のロックファンです。
 
分かる人は分かると思いますが、(笑)
これ、全部「ロックバンド」の名前なんです!
 
個人的に「ナザレス」に反応する人に、
ぜひぜひお会いしたい気持ちがあるのですが、
その話は、ひとまず置いておいて…
 
例えば、日本で言うと、
「クマモト」
「イバラキ」
と言う名を冠したバンドが
世界中で大ヒットを記録するのか?という話で、
うーむ、どうも冴えない。
 
じゃあ「ジャパン」なら、
結構カッコイイんじゃないの?

と思いきや、僕が愛して止まない
故デビッド・ボウイ師匠の影響を存分に受けた、
「デビッド・シルヴィアン」が、
1970年代の時点で既に「ジャパン」と名乗る
バンドを結成しています。
 
この「ジャパン」というバンドも中々曲者で、
ぜひ、このバンドについて、
熱く語る機会を設けたいと思うのですが、
今回紹介するのは、この「ジャパン」でなく、
「アメリカ」というバンドなのです。
 
「アメリカ」。!
よくぞまあ、こんなスケールの大きなバンド名を付けたものだと、
改めて関心してしまいます。
 
バンドを組んだ事がある人は分かると思いますが、
何てバンド名にしようかなぁ…なんて
メンバーと話し合ったり、
ああでもない、こうでもないと…
色々案を出したりしますよね?
 
そんな時、
まさか「アメリカ」なんてビッグな名前を
誰が考えつきましょう!
例えるなら「イエス・キリスト」とか、
僕なんかだと、それこそ
「デビッドボウイ」
なんて名前のバンドを結成するようなもの。
 
そんな恐れ多いこと出来ない!
という感じですが、
実際に「アメリカ」というバンドが存在する訳で、
これには、ちゃんとした理由があるのです。
 
1971年に
ジェリー・ベックリー
デューイ・バネル
ダン・ピーク
の3人によって
結成された「アメリカ」。
 
結成されたのは、アメリカでは無く、
なんとイギリス。
そして、3人とも、
父親が「ロンドンに駐留するアメリカの軍人」という共通点があるのです。
 
自分達のルーツである「アメリカ」という国、
そしてアメリカの音楽を、
遠く離れたイギリスから見つめる、
そんな想いから「アメリカ」というバンド名を付けたと言われています。
 
彼らには、1972年にリリースされ、
本国アメリカで1位を記録し、
その年のグラミー賞も受賞した
「名前の無い馬(A horse with no name)」
という圧倒的な代表曲があるりあす。
 
マイナーコードのフォーク調アレンジに、
クロスビー・スティルス&ナッシュ(CSN)風の
コーラスが絡み合う、
本当に素晴らしい曲なのです!
 
当時日本でもヒットしたので、
「アメリカ」の話をすると
「ああ、名前の無い馬でしょ!」
と言う人に何人か会ったことがございます。
 
ただ、どうもこの曲のイメージは彼らにとって
今ではマイナスに働いているようで…
 
「アメリカ」のサウンドレビューなどを見ると、
必ずと言っていいほど
「CSN風の~」
「CSNの影響を受けた~」
と書かれている。
 
事実、
「名前の無い馬」のアコギから始まるイントロも、
ステファン・スティルスに似たハスキーなボーカルもコーラスも、とても良く似ている。
というか、明らかに意識しているのが分かる。
 
だからこそ、この曲を聴いた時
「なんか暗いなー」
とか
「CSNだけ聴いておけば良いじゃん」
と思ってしまい、
それ以来「アメリカ」を聴かなかくなってしまう、
そんな人って結構いると思うんですよね。
 
だからこそ、この場を借りて皆様に伝えたい!
 
「アメリカ」は決して
「名前の無い馬」だけじゃない!
むしろ、
「名前の無い馬」以降のサウンド
ソコが素晴らしいんだ!
 
ということを。
 
うーん、今回もレコードに針を落とさぬうちに
テンションが上がってしまった。
 
という事で、本日の盤の話を。
 
1974年にリリースされた「Tin Man」
B面の曲は「In the country」で、
どちらも同年のアルバム「Holiday」に収録されています。
 
今ままで散々語っておいてなんですが、
この盤に関しては、
余計な予備知識や先入観無しに、
ただ黙って針を落としてほしい!
 
A面「Tin man」
まず聴こえてくるのは、
美しいアコースティックギターのイントロ。
 
それは「名前の無い馬」の
重たく引きずるような暗さはなく、
何となく「お洒落なカフェ」で流れていても
違和感のないボサノヴァ調のアレンジ。
 
とりあえず「CSN風」のイメージは
最初の5秒ぐらいで吹っ飛びます。

そこに、ハスキーながら優しさのある
デューイのボーカル、!
そして、メンバーによる美しいコーラスが
絶妙に絡み合う。

僕は毎回、このブログで言っているのですが、
45回転シングル盤には、そこでしか味わえない
「包み込まれるような音の広がり」があり、
何とも生々しいリアルな「音の塊」が
グイグイと迫ってくるような
「心地よい衝撃」があるのです。
 
よく雲一つない青空を見ると、
「ああ、気持ちいい~」
とか
「綺麗だな~」
と思う反面、
どこか寂しさを感じることありません?
 
「アメリカ」のサウンドには、
そんな青空のような美しさの後ろに、
心地よい「寂しさ」を感じるのです。
 
さて、その音の塊に
すっかりフワフワ気持ち良い感覚になる僕。
ピークは、2コーラス目のサビ。

3人のコーラスがオーバーダブ(重ね録り)され、
より深く厚みが増し、深さも切なさも倍増!
そこに今度は
「アコースティックピアノ」が絡み合う!
 
ちょっとビートルズの
「マーサ・マイ・ディア」
を思い出してしまいますね。
 
ん、ビートルズ?
フフフ、そうですよ、ビートルズですよ。
そう言えば、B面の「in the country」にも、
サージェントペパーを彷彿とさせる歓声が入っているし、
やっぱり、ビートルズなのかー!
と再認識。
 
アメリカのサウンドへの憧れから
「アメリカ」と名乗った彼ら。
 
「名前の無い馬」は、
もちろん素晴らしい曲なのですが、
その後の彼らのサウンドと比べると、
アメリカン・ミュージックを意識するあまり、
彼らの持ち味が、まだ十分に出ていない感がある。
 
「名前の無い馬」の大ヒットにより、
そんなアメリカン・ミュージックへの執着から解放されて、
初めて自分たちの音楽を見つけられたように思えます。
 
A面「Tin man」は、
当時「魔法のロボット」という邦題
(邦題の面白さに関しては、今回アップされた、
Mashroom Highの動画でも語られていますね!)
「Mashroom High」公式ホームページ
が付けられていましたが、
「Tin」はブリキのことで、
オズの魔法使いに出てくる
「ブリキ男」がモデルの曲なのです。
 
歌詞を見ると、
それこそオズの魔法使いのような
何処かファンタジックで、
抽象的な比喩もあったりして、
本人達も何処まで、意味を持って歌詞を書いているのか定かではないのですが、
 
歌詞の一部、
 
「Oh, Oz never did give nothing to the Tin Man
That he didn't, didn't already have
 
(オズがブリキ男に何も与えなかったのは
彼がすでに心を持っていたからさ)」
 
なんては、物語よりも、
その一節を切り取った歌詞だからこそ、
ストレートなメッセージとして伝わりやすくて良いですね。
 
「普段気づかないだけで、持っている大切な物がたくさんある」
 
ということです。うーん、深い。
 
ジョン・レノンは「What you got」において
 
「何を手に入れたのか、失うまで分からない」
 
と歌っていますが、「失わないため」には、
「何気ない日常に感謝する」ということ。
 
ロック・ミュージックは今日も、
僕らに色んな大切なことを教えてくれます。
 
そして、そのメッセージをキャッチするには、
「一つの曲」にしっかりと向き合うこと、が大事なのです。
 
だからこそ、片面に1曲だけ収録された
「45回転シングル盤」は、
今でも重要な意味を持つのです。
 
とりあえず「アメリカ」の「Tin man」から始めてみるのも良いでしょう!
さあ、今日も「45回転シングル盤」に針を落としましょう!

スターマンでした!
 
( 企画・編集・校正・加筆リライト「Mash」)
《ジェリーズ・グループ代表 MASH》
 
* 当ブログの「編集長」&「執筆者」
また
* アンティーク腕時計専門店
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を集めた総合セレクトVintage Shop
「鎌倉ジェリーズ」
を経営中
 
俺のバンド「Mashroom High」公式ホームページ
にて、演奏映像公開中!
 
俺と1対1での「経営&人生相談」と「音楽教室」
「One On One」のご紹介ページは以下
 
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ゲスト・ライター陣紹介

〈Starman☆アルチ

俺「Mash」のバンド
「マッシュルームハイ」の現メンバー
ドラム、キーボード、広報担当。

ジェリーズ軍団では
「ハウリンメガネ」
「ジョーカーウーマン」
と共に、音楽専門ライター陣
「ロック・マニアックス」
を2019年新規結成。
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「マッシュルーム・ハイ」広報部長
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【GWのライブ予定】
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「相模原 すずらんハウス 」18:00~

両公演共にチャージは特にございません。
ぜひ御気軽にお越しくださいませ。



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