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薪割りと陶芸(後編)

2020-05-29 10:35:12 | 陶磁

前編の続き。薪は冬場にダルマストーブに使う。残念ながら薪窯ではない(笑)。

ダルマストーブの話は時々書いているが、よく読まれているのはこちら

 

この話で最初の写真、ストーブの上に載っているのが灰である。



ダルマストーブで使うのは焚き付けに落ち葉、段ボール。そしてメインの薪。

DIYで残った杉、桧も使うが、合板は接着剤が質・量とも強く入っているので燃やさない。

 

 

灰はざっと燃え残りなどを取り除く。それを水を入れたポリバケツに入れて灰汁(アク)抜きをする。

灰汁は強アルカリなので素手では触らない。かなりヤバイ。写真は1回目の灰汁を抜いたところ。

 

 

こちらは2回目の方。この作業を灰の水簸(すいひ)と言う。

 

 

数回水を換えた後、吸いガメに入れて乾燥させる。水を吸った灰はなかなか乾かない。

で、冒頭の写真のようにストーブでカメごと温めて水分を飛ばしていた訳である。

 

 

時間が掛かる、かなり面倒な仕事である。そこでふと思った。水簸しなくても良いんじゃない⁉(笑)。

シビアな作品でなければ灰汁あったほうが味が出るかもと考え篩(ふるい)だけにした。

灰がかなり舞うので工場用マスク、保護メガネ、背中側から軽く扇風機(笑)。

出来上がったのがこちら。ふわふわである。

 

 

雑木を燃やしてできた灰を陶芸では土灰(どばい)と言う。土の灰ではない(笑)。

これが釉薬の原料のひとつとなる。 

この灰と長石を調合する。長石と言っても平津、福島、釜戸と色々ある。微妙に成分が異なる。

余談だが、この木箱、京都の試験場から回り回って来たもので、

時代からするとあの河井寛次郎が使っていたかもと思われる。😁

 

 

これを白い土の湯飲みに掛けて焼成する。

轆轤目に釉薬がたまり変化がある。

 

 

中。釉薬がたまったところに深いけど透き通った緑。使っているのでちょっと茶渋が(笑)。

 

 

ひっくり返して。ぎりのところで止まった釉溜まりが愛らしいかな(笑)。

 

 

この色合い、好みである。この雰囲気が好きな人も周りに多い。

値段にもよるが売れそうである(笑)。

この釉薬を灰釉(かいゆう)と言う。灰は木によって、育った環境によって少しずつ違う。

調合をはじめ、土や焼成方法でも焼き上がりは変わってくる。

いろいろ試行錯誤して自分のイメージする色合いに焼き上げていくのである。

 

灰は、たまに蕨(わらび)の灰汁抜きにも使う(笑)。

でわ。また。😀

 



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