「水彩画は紙と絵具とがあれば描ける」 これは水彩画の世界にお誘いするキャッチコピー。実は紙と絵具に水と筆が加わり、それをどう操るかが重要で結構手ごわい。
私のところに集まってくれる生徒さんの場合、老後の楽しみになればと思って来られる方が多いので、あまり難しいことは避けたいところ。しかし、私は最近、少し難しくとも基礎のところを習得しなければ老後の楽しみにも達しないと思うようになっている。
教室の一年間の流れは基礎→応用→自由制作としている。例えば基礎のところでは、フラット・ウオッシュ、グラデーション、ウエット・イン・ウエット、ウエット・オン・ドライなど一通りのことを手本を真似る形で習得する。次に応用に入る。モチーフを用意して描く上でのポイントを告げそれに注意して描き進める。一年間の最後の仕上げは自由制作。これを毎年繰り返せば螺旋階段を上がるように次第に高いところに行ける筈である。
ところが、この螺旋階段の勾配が私の想定とは異なってゆるいのである。やっぱり、分かってくれたと思ってしまうせいだろうか。分かってもらうところまで達するには、本当はもっと教える方教わる方ともに膨大なエネルギーが費やさないといけないのだろう。美大、さらには画家を目指す若者たちが、何ヶ月、何年間も石膏像と向き合って基礎的な観察力を養成する。これをそっくり趣味の絵画を目指す人々にあてがうことは出来ない。別に彼らに相応しいカリキュラムを見出さねばならない。いつの間にか基礎の部分は分かってくれていると思ってしまっている。誰もが望む、短時間で効果の大きいレッスン。それを見つけなければ趣味の画家達にとってのよい指導者とは言えないだろう。
私自身の体験してきたレッスンを思い出してみよう。中学校の時始めたテニスでは、一年生の時は球拾いと素振り。30歳で始めたゴルフでは10畳くらいの狭い部屋でスイングの基礎を教わった。球を打ってもすぐ目の前のネットに当たるので球はどこへ飛んでいくのか分からないのが歯がゆかった。40歳を過ぎてはじめた絵の場合は、月に2度、土日の二日間を朝から日暮れまで描き続けるという、いわば特訓型のレッスンで基礎を身に付けたように思う。こうして思い起してみると私自身の場合は始める時の集中する時間が長かったといえる。だから短時間で効果の大きいレッスン方法を見つけることはわたしにとっては未体験の領域ということになる。私の絵の師匠は基礎をしっかりする方が早道だと言われた。それを信じて教える側のエネルギーはレッスン方法の見直しに集中してみよう。
私のところに集まってくれる生徒さんの場合、老後の楽しみになればと思って来られる方が多いので、あまり難しいことは避けたいところ。しかし、私は最近、少し難しくとも基礎のところを習得しなければ老後の楽しみにも達しないと思うようになっている。
教室の一年間の流れは基礎→応用→自由制作としている。例えば基礎のところでは、フラット・ウオッシュ、グラデーション、ウエット・イン・ウエット、ウエット・オン・ドライなど一通りのことを手本を真似る形で習得する。次に応用に入る。モチーフを用意して描く上でのポイントを告げそれに注意して描き進める。一年間の最後の仕上げは自由制作。これを毎年繰り返せば螺旋階段を上がるように次第に高いところに行ける筈である。
ところが、この螺旋階段の勾配が私の想定とは異なってゆるいのである。やっぱり、分かってくれたと思ってしまうせいだろうか。分かってもらうところまで達するには、本当はもっと教える方教わる方ともに膨大なエネルギーが費やさないといけないのだろう。美大、さらには画家を目指す若者たちが、何ヶ月、何年間も石膏像と向き合って基礎的な観察力を養成する。これをそっくり趣味の絵画を目指す人々にあてがうことは出来ない。別に彼らに相応しいカリキュラムを見出さねばならない。いつの間にか基礎の部分は分かってくれていると思ってしまっている。誰もが望む、短時間で効果の大きいレッスン。それを見つけなければ趣味の画家達にとってのよい指導者とは言えないだろう。
私自身の体験してきたレッスンを思い出してみよう。中学校の時始めたテニスでは、一年生の時は球拾いと素振り。30歳で始めたゴルフでは10畳くらいの狭い部屋でスイングの基礎を教わった。球を打ってもすぐ目の前のネットに当たるので球はどこへ飛んでいくのか分からないのが歯がゆかった。40歳を過ぎてはじめた絵の場合は、月に2度、土日の二日間を朝から日暮れまで描き続けるという、いわば特訓型のレッスンで基礎を身に付けたように思う。こうして思い起してみると私自身の場合は始める時の集中する時間が長かったといえる。だから短時間で効果の大きいレッスン方法を見つけることはわたしにとっては未体験の領域ということになる。私の絵の師匠は基礎をしっかりする方が早道だと言われた。それを信じて教える側のエネルギーはレッスン方法の見直しに集中してみよう。